ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第14章・日常へ戻る時

直露達もアディーマへ②

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カルムを撃退した直露(中見)達は高速道路らしき道を走行していたのである。すると道の上にある男性が“止まれ”の旗を掲げていたので一旦停止したのである。

「おーい、誰だー!?」

「ああ、僕は『スパーク』といいます。この辺りで“スパークスカフェ”を経営しています!!」

クライサは少し苛立っていたが、若い優男のスパークの愛想の良さに気持ちも落ち着いたようで一旦休憩をすることにしたのである。

「ここは『カラードバン』です。自然に囲まれた美しい場所でしょ?」

スパークスカフェはカラードバンの山の中の高速道路の停止線にテント張りで作られた店である。でも普通は停止線に店など作るだろうか?

「最近車もあまり通らなくなり、ヒューゴエリアの保安の方に店の設置の許可を簡単に得られました。」

どうやら許可は出ており、停止線を利用する車の邪魔にならないが条件であったのである。

「皆さん、どちらからで?」

以下、W日紙(直露・サブレー)・福岡・秦・中見・マルティネスの順である。

「ブルーサイドです。」

「私は隣のドーリンです。」

「ウィンガタウン生まれのスーザック育ちです。」

「フレーク諸島のジャスト村ですね。」

「トトリーニの育ちです。」

「コドニードから来ました。」

スパークも生い立ちを答えた。

「私はヒューゴのこのカラードバンの育ちですが、生まれはネゴシマエリアのイズムの方です。」

「イズムですか?歴史ある町じゃないですか。私もトトリーニですから隣ですね。」

「トトリーニの方でしたか。それは親近感を覚えますね。トトリーニのどちらで?」

「ヨシュアクーラです。」

「若干離れていますが(笑)近いので嬉しいです。」

なぜか中見とスパークの気が合いはじめていたのである。ネゴシマとトトリーニはヒューゴエリアの北の方であり、確かに近い。

「スパークさん……そろそろ行きますね!!コーヒー美味しかったですよ!!ありがとうございました。」

「こちらこそありがとうございました!!また来てくださいね!!」

6人は車に乗ってスパークに手を振りながらアディーマへと向かう。車が見えなくなるまで手を振り続けたスパークはすぐに電話をかけたのである。

「もしもし……私はコードネーム『出雲(いずも)』です。カルムを倒した連中どもを確認いたしました。解散後も恐らくあのメンバーなのだろうと思うので仇を討ちましょう。」

何も知らない6人はアディーマのヒナ達のいるホテルに到着したのであった。
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