ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第14章・日常へ戻る時

直露達もアディーマへ①

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直露達はランチクルーズを終えてコルベッドの港町に戻ってきたのであった。

「さあ、どこへ行きますか?」

「では今からアディーマへ向かおう。」

直露がサブレーに質問をすると彼はアディーマへ向かうことを決意したのである。

「まずは6人乗りの車に乗って『ニュー・コルベッド・トンネル』を経てアディーマへと向かう。」

「ありがとうございます!!」

サブレーの提案に喜ぶ俊一。そうである。俊一を含む周参見野一族は以前から竜太と会うことが一つの念願だったからである。ただし、問題もあり“解散”まで時間がだいぶ近づいているのもまた事実である。とりあえず車は最後の希望を乗せてアディーマへと向かう。尚他の5人は「温泉に浸かりたい」という理由でアディーマ行きを賛同している。

「ここが『ニュー・コルベッド・トンネル』じゃあ!!」

全長六キロを越える長さのニュー・コルベッド・トンネルに入ると車はスピードを上げて走る走る!!しかし目の前に一台の車が道を塞ぐかの様に停止しており、クライサは急ブレーキをかけて停止させ車を降りたのである。

「こら貴様!!危ないだろ!!」

普段見せないような怖い表情をしたクライサだったが少し怖がる5人に対して止めていたドライバーは怖がる表情すら見せなかったのである。

「とりあえず待機してましたら自分達からやって来ましたか。元W様の部下に憎き周参見野一族と宿敵・日紙ファミリー二人と…………あと誰だこの二人は……?まあいい、ここで会ったが100年目!!全員の息の根を止めてやりましょう!!」


(注)

元Wの部下……クライサ

憎き周参見野一族……俊一

宿敵日紙ファミリー……直露・サブレー

誰だこの二人……中見・マルティネス


「誰だ扱いしやがって……許さん!!」

中身がめちゃくちゃ苛立っていた。車を止めた男は自己紹介をした。

「私はW様の部下であり、リブロ・ザード総長の班の副班長である『トレー・カルム』と申します。」

「俺は中見カペロットだ!!この野郎!!」

カルムは必殺技を繰り出した。

「私は身体のあちこちからミサイルを繰り出せるミサイル使いです。」

“ぴゅ~ん”

“ぴゅ~ん”

“バシッ!!”

“バシッ!!”

しかし怒りに満ちた中見はなんと腕でミサイルをはねのけたのである。クライサ達の車の方に飛んできたミサイルはクライサが手をワイパーのように動かしてミサイルを弾いたのである。

「え……俺のは能力なのにあの中見さんだっけ……?なんでミサイル弾いてんの!?」

クライサの疑問にマルティネスが答えた。

「彼は血圧が高まると身体全体が強化される能力を持ってまして今は自分を“誰だ扱い”されたことに相当激怒していますので血圧はめちゃくちゃすごく高まってるでしょうな。それに応じてパワーも……」

「本当にか……すげえ……」

するとカルムの元にやってきた中見はカルムの左ほほに強烈なパンチを飛ばしたのである。

“ドカッ!!!”

「俺は……添え物じゃねえ!!」

「誰も……そへめんやていてまへん(添え物だと言ってません)……」

強烈なパンチを受けたカルムは目を回してのびてしまったのである。そしてカルムの車を横によけてカルムを車内に寝かせると急いでクライサはハンドルを回したのである。
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