ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
上 下
367 / 762
第14章・日常へ戻る時

解散前に①

しおりを挟む
皆が外に出るとある二人組が現れたのである。

「おい……Wの関係者……いるな?」

林平と語の二人である。そんな時に呑気に新聞を読んでいた人物がいる。竜太である。

「お、フレーク半島内で『“目覚まし”コフキイモ』が『ガーリー』と協力して内紛を起こしているぞ。」

護は質問をした。

「相手は誰だ?」

「相手は『ゼファーマ』軍だ。」

「おぉ!『山内ゼファーマ(やまうち・ぜふぁーま)』率いるゼファーマ軍か!!あそこ(フレーク半島)はゼファーマ軍の本拠地だからな!!」

「……」

護の本拠地発言を聞いたキララは少し過去を思い出したのか落ち込んでいた。それに気づいたファルルがうつむくキララに話しかけた。

「気にしちゃダメ。昔と今は違うのよ……」

「はい……」

ファルルとキララが話をしている頃、竜太は笑いながら発言をした。

「俺もゼファーマみたいになりたい!!そしたら世界制覇出来るかもなアハハハハ!!」

すると竜太と護に対して林平が激怒したのである。

「そこ!うるさいぞ!!Wの関係者を探しに来ているのに人の話を聞かんかい!!」

「すみません……あの……少し綺麗なお姉さんの写真が新聞に載っていますよっ!!」

「何っ!?ちょっとだけ見せろ!!」

「警備部隊としての信念(プライド)無さすぎだろこの人っ!!」

写真で誘惑(?)する竜太に乗せられた林平に語は突っ込んだ。すると林平は冷静に語り始めたのである。

「そこにいる連中に告ぐ。今からバスが止まっているからそのバスでアディーマへと向かう。そこでとにかく皆で話し合いをしたい。現地には“ある御方”も来ている。」

「ある御方?」

ヒナは疑問に感じたが、とりあえず行くことにしたのである。そして林平から連絡がある。

「とりあえず解散の時間が数時間延長した。本日中に解散するが、それまでに間に合うだろう。」

ヒナはそこである質問をしたのである。

「何しに行くのですか?」

「君達がWとどのような繋がりがあるか確認したい。」

Wとの関わり……しかし数人は確かにWの関係者で一人は現役の右腕。それがバレたら間違いなく自分達も逮捕されるのではとヒナは不安に感じたのであった。

「私は……行きません……」

「いや……行かなくちゃいけないよ。」

語はそう言ってヒナの右肩を軽く叩いたのである。

「悪いものは今から吐けばいい。ためて逃げても苦しいだけだ。」

「はい……」

彼の言葉の意味は重荷を取れという意味“も”あるようだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ワイルド・ソルジャー

アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。 世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。 主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。 旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。 ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。 世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。 他の小説サイトにも投稿しています。

入れ替われるイメクラ

廣瀬純一
SF
男女の体が入れ替わるイメクラの話

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...