ヒナの国造り

第１３章・Ｗの野望

技術模写(アーティスティック・コピー)②

解散(ディソルーシャン)の意味を知らないヒナだったがファルルは言う。

「また後で説明するわ。」

今は戦い……ファルルは説明をすることを約束したのである。そのため待つことにしたのである。するとある男性が現れたのである。

「これは……何の戦いだ？」

「や……ヤスアキさん！？」

現れたのは小国泰明(しょうこく・やすあき)であった。何らかの怪しい雰囲気を漂わせた人である。

「いえ、こいつらがＷ様のアジトに侵入し……」

「バカ野郎共！！」

「ひっ！！」

護に怒鳴り付ける泰明。するとファルルが驚き、能力操作を誤ったか吹雪が発生したのである。

「さむーい！！」

「うわーっ！！」

皆が寒く、ひんやりしたのである。するとファルルは苦笑いした。

「これだわ、これっ！！」

どうやら能力を吸収できたことに感動していたのか笑っていた。だが、泰明は怒り心頭であった。

「ファルル！！バカ野郎！！」

「や……泰明さん！？」

「またお前、他人(ひと)の能力コピーしたのか！？そればかりしているとお前の基本が無くなるぞ！！」

「す……すみません……」

だが吹雪を起こしたことでコピーは成功していた。だが泰明はどうも曲がったことが大嫌いなようだ。

「お前ら、Ｗなんかにいつまで絡んでる！？私が小国町(しょうこくちょう)から帰ってきた時にこの建物から騒がしい音がすると思い覗きにきたらこの有り様…………情けない！！」

はじめて泰明を見たヒナは誰だろうと思ったのである。

「あの人誰？」

「あっ、初見の者がいる。私は小国泰明という。小国町の出身だ！！私はこいつら(護・ファルル)の学生時代の担任だ。まさかこんなバカなことしているとは……」

しかし泰明の怒りを無視してファルルはルミに氷の技を食らわそうとしたのである。

「食らえ！！トマホークアイス！！」

氷の塊がルミを襲う……と思いきや泰明が身体を鋼鉄化させて防いだのだのである。

「王女様！？大丈夫でしょうか？」

「あ、ありがとうございます……」

「おい！ファルル！！」

「はい……！？」

泰明はファルルに近付くと右拳の強烈なパンチを左ほほに食らわしたのである。

「皇族に手を出そうだとか貴様はとんだ野郎になったな！！」

「ご……ごめんなさい……」

もはや戦いどころではなく、ファルルは泰明にびびって子供のように泣いてしまっていたのだ。しかし自分の披露していない技を目の前で見せられたヒナは右手を握りしめていた。