ヒナの国造り

第１３章・Ｗの野望

更なるキララの悪夢④

すると突然、横須賀がキララ達の元に現れたのである。

「貴様達、Ｗの仲間だな！！一刻も早く拘束して、プリズンに送ってやるよ！！」

「わ、あんた誰だ！？」

「秦クライサ！！お前は俺を知らずとも俺はお前を知っている！！お前達がメータ村を侵略しようとしているのは知っているぞ！！！」

クライサを威嚇する横須賀にテルマが近付いたのである。

「おや、横須賀さんではないですか？久しぶりですね……」

「おぉ、国に歯向かう不届き者の肩書きを持つ大物ミュージシャン・清亘テルーマーディラスさんではございませんか。今度はＷさんと共闘ですか？」

「？Ｗさんといいますとあの……どう言うことで？」

「あら！！知らないのですか！？Ｗさんの仲間ですよこの五人組は……！！」

なんと横須賀のお陰でキララ達は正体を知られてしまったのである。勿論Ｗの仲間のことなど知る由もなく、テルマ達はキララ達を恐ろしい表情で睨み付けたのである。

「あなた達、あの犯罪者の仲間だったのですね！？」

「…………ごめんなさい。隠すわけでもなく、私達は私達のみで清亘家の皆さんと仲良く……」

「ふざけないでください！！あなた達はＷによって清亘家がどのような目に遭ったか知らないみたいですね！！」

「え！？」

「この村は元々『フズ・ムジカ』の完成以降は音楽の都と評されて各国の音楽家や作曲家がたくさん訪れていました。シードルエリア自体が元々音楽の地域とも呼ばれ、音楽家からの人気は凄かった……しかしＷの一族の先祖とされる人物は人々を操り、『憎しみの演奏団』を生み出してはこの村からたくさんの音楽家達が出ていきました。なんとかある人物がこの事態を収めてくれました。が、ここと今の『プレジデントビレッジ』をはじめとするシードルエリアは不気味だと評されて音楽の都は廃れました。今も廃れさせた人物の子孫のＷもまた不定期にこの村をめちゃくちゃにしてきたりします。そんな人物の関係者を我々は迎えたくもありません！！！」

「…………」

「あとあなた達が聞いた『コンサト村』や私が言った『オズマ帝国』はこの音楽の都だったシードルエリアと関係があるかは今は分かりません。だがあなた達はＷの一味であると分かった今、この村から去ってもらいます。」

テルマの怒りにキララは反論出来ずにいたが、横須賀が間に入ると……

「ハハハハハハ、お前たち！！見捨てられた気持ちはどうだ……！！」

するとテルマは持っていた刀を横須賀の顔に近づけたのである。