ヒナの国造り

第１２章・ヒナの国造り

野球女・道岸輝(みちぎし・きらら)

ヒナ・ハビラ・ルミの３人とファルル・高城・キララ・護の４人は熱い闘志をたぎらせながら相対した。

「まずは私からね。」

すると金属バットを持ったキララが３人の前にやってきたのである。

「ほぉ……女の癖にケツバットするのか？」

「違うわよっ！！私には技はあるわよ！！」

ハビラが技を想像するとキララは相手が皇帝の一族というのを忘れて激怒したのである。そしてキララは野球ボールを宙に投げて落ちてきたボールを確認してフルスイングしたのである。

「(すごい！！綺麗なフォームだ！！)」

高城はフォームが美しいキララを見て感心していたのである。そして彼女の打った打球はヒナに向かって飛んできたのである。するとヒナをルミが庇い、彼女の顔面にボールが当たったのである。

「バカッ！ルビィ王女に当たったじゃねえか！！」

護がキララに激怒したが高城は冷静に護に語りかけたのである。

「良いじゃねえか護……どうせ『生け捕り』なんだからな。別に傷つくくらい問題はない。そもそもハビア王子は傷をつけずに生け捕りしろというのが難しい……」

「でもな高城……」

「お前達！！私たちのことを何ぐちゃぐちゃ言っている！！生け捕りに出来るものならしてみろよ！！」

護と高城の会話に苛ついたのかハビラが激怒したのである。しかし高城は冷静にハビラに語りかけたのだ。

「王子、いいこと教えます。彼女の打球の軌道は不規則に変化できる特殊な能力のおかげです。ですが彼女の球の打ち方やフォーム、投球も全て彼女の野球技術の高さが示されています。彼女は野球道を極めた“白球女子”ですよ！！」

「ゴメちゃん、恥ずかしいから私のことは言わないで！！！」

「ごめーん、だけど君の能力といいプレースタイルといい、本当に素晴らしいよ！！」

「きゃっ！！」

キララは恥ずかしいのか顔に両手を当てていた。少し顔が真っ赤になっていたのである。

「(確かに何か飛んできた白球が変な軌道で曲がったわ……でも能力自体はそこまですごくないけど彼女の身体能力の高さは良さそうね……！！)」

ヒナはキララの能力を分析しているとキララは彼女に向かってノックをしてきたのである。ボールを懐から無限に取り出すが、どこからボールが出てくるのだろうか？

「わっ！」

「なかなか素早いわね。全部避けるなんて大したものね……！！」

ヒナはキララのノックを全て回避できたのである。だが、キララはまだ奥の手があるのか目を輝かせていたのである。