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第12章・ヒナの国造り
「所詮“2番手”でしかない」①
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三人が合流すると俊策はあるリストを二人に見せたのである。
「ここに名前を掲載されているのは周参見野家をはじめ人に危害を加えた連中であることが確実となった。」
どうもこのリストには周参見野家だけではなく民にも危害を加えるような面々の名前が記されているという。また続けて俊策は語る。
「タケの母親と凛(リン)の父方祖父は兄妹でそもそも凛はタケとその息子とは昔からの知り合いだ。巷でタケが少女を連れ去ったと噂する輩がいるらしいが事実誤認だ!!実際はWが凛を連れ去ったのだ!!」
なんとリンの一件は誘拐ではなかったというのだ。確かにこれまでのやり取りに“連れ去った”や“誘拐した”等の言葉を彼らは口にしていなかったのだ。だが一見ではそう思われかれない発言も見受けられてはいたが……
「我々周参見野家は犯罪組織ではない。一部の偏見により、こうなってしまったのだ。」
「ということは……一部の人間の視線が偏見を招いたということですか。」
「さすがだな勤君。」
「偏見とは恐ろしいものですわ……それが皆の脳に刷り込まれてしまう……」
すると俊策はある例を上げたのである。
「凛の友人の子がなぜ父親の母方の姓を名乗るか理由を知っているか?彼の父系もまた偏見によって批判を受けてその子が父の姓を名乗りづらくなったからさ……」
「なるほど…………そうだったのですね。」
勤は納得した。ドロシーはそこでとある質問をぶつけたのである。
「つまりこのリストの人達って周参見野家に泥を塗った人達のこと?」
「まあ、そういうこった。特にこの都呂掛みやび(とろがけ・みやび)公正教育社会委員会会長は周参見野家の名誉どころか重要な部分にまで泥を塗りやがったのだ!!絶対、絶対ゆるせん!!」
ドロシーは気付いた。
「だからWさんの組織と周参見野家は仲が悪いのですね。」
「まあ、そうだ。仲が悪いからこそ偏見的な目で我々は観られるようになってしまったがな。」
しかしWとの対立はそれだけではなかったのだ。俊策はそれを二人に説明したのである。
「以前、スーザックで殺人事件が連発して一族の関係者が殺害された際にWの右腕幹部が関わっていると判明してから完全に対立したわけだ。」
「なぜ、一族の方を?」
ドロシーが質問すると俊策は険しい顔をして言う。
「Wやその関係者はスーザックの土地を自分達の物にしたいと計画しているのだ。そして村を治める周参見野一族を根絶やしにしてしまおうというわけだ。しかも右腕幹部の一人もまた周参見野の血を引く人物らしい……」
「血を引くのになぜWさんという方の肩を持つのでしょうか?」
「それは分からない。判明しているのは我々を裏切り、悪に手を加担しているということだ。だから二人に協力をしてほしいことがあり召集したのだ……」
ドロシーの更なる質問に丁寧に回答する俊策。しかしそれを聞いて勤は口を開いたのだ。
「俊策さん……それは僕に依頼するのですか?依頼するなら東口さんの方がいいと思います。」
「どうしてだ?」
「東口さんは防衛隊長です。しかし僕は…………」
「?」
「僕は……防衛副隊長。だから……所詮“2番手”でしかないのです!!」
「勤君……!!」
勤は悲しそうな表情をしながら俊策に本音を伝えたのである。俊策は少し黙り込むと勤に対して優しい視線を向けたのであった。
「ここに名前を掲載されているのは周参見野家をはじめ人に危害を加えた連中であることが確実となった。」
どうもこのリストには周参見野家だけではなく民にも危害を加えるような面々の名前が記されているという。また続けて俊策は語る。
「タケの母親と凛(リン)の父方祖父は兄妹でそもそも凛はタケとその息子とは昔からの知り合いだ。巷でタケが少女を連れ去ったと噂する輩がいるらしいが事実誤認だ!!実際はWが凛を連れ去ったのだ!!」
なんとリンの一件は誘拐ではなかったというのだ。確かにこれまでのやり取りに“連れ去った”や“誘拐した”等の言葉を彼らは口にしていなかったのだ。だが一見ではそう思われかれない発言も見受けられてはいたが……
「我々周参見野家は犯罪組織ではない。一部の偏見により、こうなってしまったのだ。」
「ということは……一部の人間の視線が偏見を招いたということですか。」
「さすがだな勤君。」
「偏見とは恐ろしいものですわ……それが皆の脳に刷り込まれてしまう……」
すると俊策はある例を上げたのである。
「凛の友人の子がなぜ父親の母方の姓を名乗るか理由を知っているか?彼の父系もまた偏見によって批判を受けてその子が父の姓を名乗りづらくなったからさ……」
「なるほど…………そうだったのですね。」
勤は納得した。ドロシーはそこでとある質問をぶつけたのである。
「つまりこのリストの人達って周参見野家に泥を塗った人達のこと?」
「まあ、そういうこった。特にこの都呂掛みやび(とろがけ・みやび)公正教育社会委員会会長は周参見野家の名誉どころか重要な部分にまで泥を塗りやがったのだ!!絶対、絶対ゆるせん!!」
ドロシーは気付いた。
「だからWさんの組織と周参見野家は仲が悪いのですね。」
「まあ、そうだ。仲が悪いからこそ偏見的な目で我々は観られるようになってしまったがな。」
しかしWとの対立はそれだけではなかったのだ。俊策はそれを二人に説明したのである。
「以前、スーザックで殺人事件が連発して一族の関係者が殺害された際にWの右腕幹部が関わっていると判明してから完全に対立したわけだ。」
「なぜ、一族の方を?」
ドロシーが質問すると俊策は険しい顔をして言う。
「Wやその関係者はスーザックの土地を自分達の物にしたいと計画しているのだ。そして村を治める周参見野一族を根絶やしにしてしまおうというわけだ。しかも右腕幹部の一人もまた周参見野の血を引く人物らしい……」
「血を引くのになぜWさんという方の肩を持つのでしょうか?」
「それは分からない。判明しているのは我々を裏切り、悪に手を加担しているということだ。だから二人に協力をしてほしいことがあり召集したのだ……」
ドロシーの更なる質問に丁寧に回答する俊策。しかしそれを聞いて勤は口を開いたのだ。
「俊策さん……それは僕に依頼するのですか?依頼するなら東口さんの方がいいと思います。」
「どうしてだ?」
「東口さんは防衛隊長です。しかし僕は…………」
「?」
「僕は……防衛副隊長。だから……所詮“2番手”でしかないのです!!」
「勤君……!!」
勤は悲しそうな表情をしながら俊策に本音を伝えたのである。俊策は少し黙り込むと勤に対して優しい視線を向けたのであった。
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