279 / 762
第11章・新たな武器と過酷な道のり
孤児院④
しおりを挟む
ヒナのいる孤児院にある男性が訪問したのである。しかも他の誰かが目的とかではなく、ヒナに用事があるという。
「私に用事でしょうか?」
「みたいよ。何が目的かは分からないけどね……」
直子も訪問客の目的は分からないようでとりあえず対応するだけしようとヒナは考えたのである。外に出ると爽やかな感じのイケメンの男性がいたのである。
「こんにちは、猫屋敷さん……」
「こんにちは……それで何で私のことをご存じで?」
「噂であなたのことを聞いています。あ、僕は周参見野俊策といいます。」
なんと現れたのは周参見野一族の一人、俊策であった。何が目的かは分からないが何らかの理由があってヒナに接近してきたのは間違いない。
「周参見野さんですね……私はあなたのことを分からないのでごめんなさい。」
「いえ、知らなくて当然です。有名人が初対面のファンの名前を分からないのと一緒ですから…………」
「ところでどのようなご用件で……?」
「ええ、あなたをスーザックの方に来てもらいたいと思いまして……!!」
彼は父親の父方がスーザックの周参見野家、同母方がフォレストタウンの清亘(きよわたり)家、母親の父方が福岡家、同母方が日紙家である。スーザックは父祖の地ではあるがそこになぜヒナを呼ぶのかは全く不明である。
「私は行くことはできません。どうしてもこの孤児院から離れたくないので……」
「いや、ずっとスーザックにいろというわけではない。ちょっと用事が終わるまで来てほしいというだけだから……」
「本当に?」
「本当だよ。」
「………………」
「まあ、今日から行くわけじゃないから少しだけ考えてくれたらいいですよ。」
「分かりました。考えてみます。」
「一週間後かな……?そのくらいにまた来ますのでよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします……」
俊策はこの日は去っていったがヒナは真剣に悩んだ。ここを出て何があるか分からないスーザックに冒険心で行くべきかこの孤児院であと少しだけ子供達と交流するか……二つの分岐点が彼女を悩ませていた。
「ヒナさん、訳のわからない誘いには乗らない方がいいわよ。」
直子はそう言うとヒナはうなずいた。やはり冒険好きな性格だからって怪しさしか漂っていない誘いに乗るわけにいかないと思ったからである。何よりも将志とリンの仲を良くしてあげたい思いがあるから…………そしてヒナはある決意を決めた。
「答えを聞かせてもらいましょう。」
一週間後、約束通りに俊策は再訪した。そのときにヒナは俊策に対して自分で決めた思いを語ることにしたのである。
「私に用事でしょうか?」
「みたいよ。何が目的かは分からないけどね……」
直子も訪問客の目的は分からないようでとりあえず対応するだけしようとヒナは考えたのである。外に出ると爽やかな感じのイケメンの男性がいたのである。
「こんにちは、猫屋敷さん……」
「こんにちは……それで何で私のことをご存じで?」
「噂であなたのことを聞いています。あ、僕は周参見野俊策といいます。」
なんと現れたのは周参見野一族の一人、俊策であった。何が目的かは分からないが何らかの理由があってヒナに接近してきたのは間違いない。
「周参見野さんですね……私はあなたのことを分からないのでごめんなさい。」
「いえ、知らなくて当然です。有名人が初対面のファンの名前を分からないのと一緒ですから…………」
「ところでどのようなご用件で……?」
「ええ、あなたをスーザックの方に来てもらいたいと思いまして……!!」
彼は父親の父方がスーザックの周参見野家、同母方がフォレストタウンの清亘(きよわたり)家、母親の父方が福岡家、同母方が日紙家である。スーザックは父祖の地ではあるがそこになぜヒナを呼ぶのかは全く不明である。
「私は行くことはできません。どうしてもこの孤児院から離れたくないので……」
「いや、ずっとスーザックにいろというわけではない。ちょっと用事が終わるまで来てほしいというだけだから……」
「本当に?」
「本当だよ。」
「………………」
「まあ、今日から行くわけじゃないから少しだけ考えてくれたらいいですよ。」
「分かりました。考えてみます。」
「一週間後かな……?そのくらいにまた来ますのでよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします……」
俊策はこの日は去っていったがヒナは真剣に悩んだ。ここを出て何があるか分からないスーザックに冒険心で行くべきかこの孤児院であと少しだけ子供達と交流するか……二つの分岐点が彼女を悩ませていた。
「ヒナさん、訳のわからない誘いには乗らない方がいいわよ。」
直子はそう言うとヒナはうなずいた。やはり冒険好きな性格だからって怪しさしか漂っていない誘いに乗るわけにいかないと思ったからである。何よりも将志とリンの仲を良くしてあげたい思いがあるから…………そしてヒナはある決意を決めた。
「答えを聞かせてもらいましょう。」
一週間後、約束通りに俊策は再訪した。そのときにヒナは俊策に対して自分で決めた思いを語ることにしたのである。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ワイルド・ソルジャー
アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。
世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。
主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。
旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。
ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。
世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。
他の小説サイトにも投稿しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる