ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
上 下
244 / 762
第10章・団結に向けて

竜太に似た男①

しおりを挟む
駅のホームで松浦は尚徳を出迎えた。

「はじめまして。松浦と申します。」

「松浦さんですか……電車内で聞きましたがヒナの友達になってくださりありがとうございます。」

「いえ、こちらこそ娘さんには色々助けられました。ありがとうございます!あちらの青年も僕の仲間で娘さんと共に行動していた者です。ですよね竜太さん!!」

だが竜太に似た青年はオレンジ色の果実を食べながら何も話さない。松浦はもう一度声をかけたのである。

「おーい、そこで木の実食べてる竜太さーん!!」

しかし彼は反応しなかった。そして松浦は気づいたのである。

「(あ……竜太さんはどこかへ行方不明になっていたんだ……)」

すると竜太に似た青年は松浦を睨み付けたのである。

「おまえ……さっきから俺の名前を呼んでいたようだが……なんか用か?」

「いや……人違いで……」

「竜太か……同じ一族の仲間の名前だな。しかし俺は竜太ではないし、そもそもやつみたいなお人好しではないなぁ……」

なんと青年は禍々しいオーラを出しながら松浦、東口達の元へと歩み寄ってきたのである。

「勘違いするな。声をかけたから殺しに来たんじゃない……元からそのつもりでやって来たんだよ……」

「ああ……せめて関係ない人たちは巻き込まないであげてください……」

「俺はそんなお人好しじゃねえし……まあ……死んでくれや。お前達の墓くらい建ててやるから死んだ後の死体や骨のことは心配しなくていいからよ……」

「………………!!!」

すると青年は体を少し巨大化させて筋肉もかなりついてきたのである。そして禍々しいオーラを手に集中させるとオーラが剣と化したのである。

「俺の特殊能力(リミットアビリティ)はオーラを自由自在に変形させていろんな攻撃が出きるんだよ……まあ死なないほどにしてやってもいいんだぜ?ならばまずはお前の特殊能力を見せてみろ!!」

「くっ……それはまず出来ない……」

「なぜだ……?」

「発動できる状況下ではないな。」

「ならばまずは痛ぶってやる。徹底して苦しめて能力を発動させてやる。お前名前は何という……?」

「俺は……松浦豪(まつうら・たけし)……ヘヘヘ……」

「良い名前だ。俺は西住吉和也(にしすみよし・かずや)だ……通称“タレ餅の和也”だ。よろしく……」

「ほお……意味深な通称だな。楽しみな存在だ……」

「敬語でしゃべる弱々しいお前よりいまのたくましい言葉でしゃべるお前の方が気に入ったぜ……」

「相手が強くなると俺は闘志が沸くのでね……!!」

「そうこなくっちゃ……!!」

駅についてすぐに松浦と和也の戦いが始まるのであった。尚徳は少し恐怖を抱えて戦いを東口と見守ることにしたのである。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ワイルド・ソルジャー

アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。 世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。 主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。 旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。 ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。 世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。 他の小説サイトにも投稿しています。

入れ替われるイメクラ

廣瀬純一
SF
男女の体が入れ替わるイメクラの話

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...