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第10章・団結に向けて
とある本の言葉
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翌日、竜太は本を老夫婦宅で見つけた。誰の本かは分からないが“2004年”と書かれているからつい最近の本であるのは確かであった。その本を読んでみると意味深な文章があった。
「『僕が近くにいけないからメールで声をかけてもそれにほとんど対応しないなんて酷いとしか言いようがない。僕が何かしたというのか!?僕は確かに前生(前世)が見える能力があり、2600年以上前の超古代(中国春秋時代辺りか)で武士として戦い、たくさんの命を奪って思えば申し訳ないことをした。だけど何度も輪廻転生を重ねて罪を償ってきたのにその人は僕をいまだ見下しているようだ。悔しいよ、悲しいよ!!僕のことをよく見てほしい!!考え直してほしいよ!!』…………難しいなこれ……」
なにか不思議な文章ではあったが竜太はなぜか何度も繰り返し読んでいたのである。そして何度か読んでから別のページに写る。
「おっ……これは!『長(おさ)一族は立創(りっそう)様がお産みになられた神様の末裔であり、今も子孫を繁栄させています。人々のなかには自ら命を絶つものもいますが、命を絶つ前に誰の時代から命のリレーを続けてきたのか、このリレーをここで本当に終わらせていいのか考えてみましょう。』……胸にグサッとくるわ。俺も命を軽く捨てようとしていた…………」
竜太は本を読んでいると後ろから声がしたのである。
「竜太、次は308ページを開けてみなさい。」
「308ページ、308ページ…………あった。『ある教師の言葉』ですね……ってあぁ!?」
竜太が後ろを振り向くと老夫婦の夫の方が帰ってきていたのである。
「ごめんなさい、勝手に……」
「読まれたくなければ隠しているよ。むしろ読みなさい。君には学びとなれる内容の本を読むことを薦めたい。」
そして本を引き続き読む。
「教師の…………『私、日盤了久(ひばん・りょうく)は学びの場で子供達に長一族の話や歴史の話をよくしていた時がある。その話をする理由としては自分達がなぜ今を生きるのか、なぜ未来に向けて頑張らなければならないのか考えてもらいたいからである。長一族の話をすると皆はすごい長いリレーをしてきたねという。これは彼らが繁栄させてきた子孫の多さと繁栄させる頃の歴史の古さをしっかり理解してくれているからだ。』…………今の子は分かっているのかな?」
2年前でも時代や流行は変わりやすい。本の内容に同調した竜太は時代の長さを自身も本にして書きたいと思ったのである。
「『僕が近くにいけないからメールで声をかけてもそれにほとんど対応しないなんて酷いとしか言いようがない。僕が何かしたというのか!?僕は確かに前生(前世)が見える能力があり、2600年以上前の超古代(中国春秋時代辺りか)で武士として戦い、たくさんの命を奪って思えば申し訳ないことをした。だけど何度も輪廻転生を重ねて罪を償ってきたのにその人は僕をいまだ見下しているようだ。悔しいよ、悲しいよ!!僕のことをよく見てほしい!!考え直してほしいよ!!』…………難しいなこれ……」
なにか不思議な文章ではあったが竜太はなぜか何度も繰り返し読んでいたのである。そして何度か読んでから別のページに写る。
「おっ……これは!『長(おさ)一族は立創(りっそう)様がお産みになられた神様の末裔であり、今も子孫を繁栄させています。人々のなかには自ら命を絶つものもいますが、命を絶つ前に誰の時代から命のリレーを続けてきたのか、このリレーをここで本当に終わらせていいのか考えてみましょう。』……胸にグサッとくるわ。俺も命を軽く捨てようとしていた…………」
竜太は本を読んでいると後ろから声がしたのである。
「竜太、次は308ページを開けてみなさい。」
「308ページ、308ページ…………あった。『ある教師の言葉』ですね……ってあぁ!?」
竜太が後ろを振り向くと老夫婦の夫の方が帰ってきていたのである。
「ごめんなさい、勝手に……」
「読まれたくなければ隠しているよ。むしろ読みなさい。君には学びとなれる内容の本を読むことを薦めたい。」
そして本を引き続き読む。
「教師の…………『私、日盤了久(ひばん・りょうく)は学びの場で子供達に長一族の話や歴史の話をよくしていた時がある。その話をする理由としては自分達がなぜ今を生きるのか、なぜ未来に向けて頑張らなければならないのか考えてもらいたいからである。長一族の話をすると皆はすごい長いリレーをしてきたねという。これは彼らが繁栄させてきた子孫の多さと繁栄させる頃の歴史の古さをしっかり理解してくれているからだ。』…………今の子は分かっているのかな?」
2年前でも時代や流行は変わりやすい。本の内容に同調した竜太は時代の長さを自身も本にして書きたいと思ったのである。
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