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第9章・世界の歪み
晴れ空消える②
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雪を仲間にしたが、この後の展開というのはまだ不透明であった。今日はゆっくり休むとして14階侵入計画は明日以降計画することとなった。
「…………」
竜太は窓を開けて夜空を見つめていた。その顔は何か寂しさをふんわりと感じさせるものであった。
「竜太さん、どうしたの?」
「ああ、ヒナちゃんか。いや、な…………あることを考えていてな……」
「?」
「大分前の話だけど俺、好きな人がおってん。その人のことを思い出したら『今どうしてるかな』と思って夜空を眺めてんねん。」
「…………」
ヒナは竜太にも恋心があったのだと驚いたのである。彼はこれまで浮わついた話は一つもしなかったのでそういう話とは無縁だと思っていたからだ。
「ヒナちゃん、夜空を見てね。あの空の下のどこかにその人がいるんだと思うとまだ再会するまで死ねないやと思えてくるんだ。こうして冷静に物事を考えているときの俺こそ本当の俺やと思う。」
「竜太さん……」
「ときたまとりつかれたかのように狂ったりする自分が怖いんや……人を殺してしまうんちゃうかという恐怖心がある。だから……自分が怖い……」
竜太は冷静に自分を見つめていた。だけどヒナは知っている。元上司の日紙と対峙した時に冷静に黒竜社の危険を訴えていた姿や物事をよく考えて動く姿を見ているので本当はしっかりした性格なのだと知っているのだ。
「竜太さんは堂々としたらいいよ!!絶対あなたを大切にしてくれる人に巡り会えると思うから……」
「ありがとう……」
竜太は穏やかに笑みを浮かべていた。ヒナは竜太の顔を見てつられて笑みを浮かべていた。
「はーい、消灯だよ!!」
サトキの一声で消灯した。竜太はヒナにこそっと話しかけたのだ。
「(明日……この話の続きをしような。)」
ヒナはそっと頷いた。そして激乱の一日は終わったのである。
翌朝、太陽が上る頃にヒナは目覚めた。そして朝食を作っていると竜太が起きてきたのである。竜太はヒナの料理を手伝い、全員分の食事が完成すると少し話をすることにしたのである。
「昨日の話をするよ、ヒナちゃん。」
「ええ……」
「それは……俺が宅配をやめて逮捕されるまでの間の話だ。あの日、知人の宴に呼ばれてそこである女性と出会ったんだ。たしか『るみさん』だったかな……」
「るみさん……!!」
「ああ、その人とはじめて対面したときから雑談をしては盛り上がったんだ。」
「そんなことが…………」
「ああ、だけどその日だけ会ってそれからは一度も会わずじまいだ。しかもその間何度も警備隊に何度も拘束されたからもう会ってもらえないだろうな……」
竜太の目は寂しそうな目をしていた。ヒナは続きを聞こうとしたら皆が起きてきたので一旦この話は終わったのだ。
「…………」
竜太は窓を開けて夜空を見つめていた。その顔は何か寂しさをふんわりと感じさせるものであった。
「竜太さん、どうしたの?」
「ああ、ヒナちゃんか。いや、な…………あることを考えていてな……」
「?」
「大分前の話だけど俺、好きな人がおってん。その人のことを思い出したら『今どうしてるかな』と思って夜空を眺めてんねん。」
「…………」
ヒナは竜太にも恋心があったのだと驚いたのである。彼はこれまで浮わついた話は一つもしなかったのでそういう話とは無縁だと思っていたからだ。
「ヒナちゃん、夜空を見てね。あの空の下のどこかにその人がいるんだと思うとまだ再会するまで死ねないやと思えてくるんだ。こうして冷静に物事を考えているときの俺こそ本当の俺やと思う。」
「竜太さん……」
「ときたまとりつかれたかのように狂ったりする自分が怖いんや……人を殺してしまうんちゃうかという恐怖心がある。だから……自分が怖い……」
竜太は冷静に自分を見つめていた。だけどヒナは知っている。元上司の日紙と対峙した時に冷静に黒竜社の危険を訴えていた姿や物事をよく考えて動く姿を見ているので本当はしっかりした性格なのだと知っているのだ。
「竜太さんは堂々としたらいいよ!!絶対あなたを大切にしてくれる人に巡り会えると思うから……」
「ありがとう……」
竜太は穏やかに笑みを浮かべていた。ヒナは竜太の顔を見てつられて笑みを浮かべていた。
「はーい、消灯だよ!!」
サトキの一声で消灯した。竜太はヒナにこそっと話しかけたのだ。
「(明日……この話の続きをしような。)」
ヒナはそっと頷いた。そして激乱の一日は終わったのである。
翌朝、太陽が上る頃にヒナは目覚めた。そして朝食を作っていると竜太が起きてきたのである。竜太はヒナの料理を手伝い、全員分の食事が完成すると少し話をすることにしたのである。
「昨日の話をするよ、ヒナちゃん。」
「ええ……」
「それは……俺が宅配をやめて逮捕されるまでの間の話だ。あの日、知人の宴に呼ばれてそこである女性と出会ったんだ。たしか『るみさん』だったかな……」
「るみさん……!!」
「ああ、その人とはじめて対面したときから雑談をしては盛り上がったんだ。」
「そんなことが…………」
「ああ、だけどその日だけ会ってそれからは一度も会わずじまいだ。しかもその間何度も警備隊に何度も拘束されたからもう会ってもらえないだろうな……」
竜太の目は寂しそうな目をしていた。ヒナは続きを聞こうとしたら皆が起きてきたので一旦この話は終わったのだ。
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