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第9章・世界の歪み
晴れ空消える①
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ラビリンシングタウンのサトキのオフィスに戻ると竜太は雪に話しかけていた。
「これからどうすんの?」
「できれば皆さんと……」
「けど自分な、危険な目に遭うかもしれないんだよ……」
「大丈夫です……」
「家の番号は?」
雪は竜太に番号を教えた。ヒナはその様子を見るだけであった。
「(やはり雪ちゃんをこのままにするのはまずいよね……)」
ヒナはそう思いながら竜太の電話のやり取りを聞いていたのである。
「もしもし、はじめまして。東住吉ともうします。柏之山さんのお宅でしょうか?」
竜太を見ていたヒナの元に雪が現れたのである。
「ヒナさん、遊びましょう!」
「何して遊ぶ?オセロ?人生ゲーム?将棋?」
「え……人生……ゲーム?何ですかそれは?」
「(あ……自分の世界の遊びは知らなかったっけ……)」
勿論雪には将棋もオセロも知る由はない。この世界ではどんな遊びがあるかヒナは知らないのである。
「雪ちゃんは何して遊ぶの?」
「剣術ごっこ!」
「わー、何それ?」
「剣のような棒に火を付けてそれで戦うの!」
「(こわーーい!!)」
「ハハハ、ヒナちゃんには衝撃だったな!!俺なんかそれでガキんちょ時代に4回火傷したぜ!!竜太さんとよく戦ったけど懐かしい思い出だな~」
「(怖い思い出じゃん!!)」
半ば火遊びに近い遊びと思いきや松浦まで思い出話をはじめるのだからヒナは改めて元の世界に帰りたい気持ちが芽生えたのである。すると電話していた竜太の声が変わったのである。
「え?本当にそれでいいのですか!?…………いや、やはり安全を考えると……」
「ちょっと借りますね!」
「あ、雪ちゃん!?」
何かに焦る竜太から雪は電話を奪うと笑顔で対応していた。
「本当に良いの?ありがとう!気を付けて行くね!!」
困った顔をする竜太にヒナが声をかけたのである。
「どうしたの?」
「実は彼女のお父さんか……『一緒に連れてやってくれ』と言っててな……ダメだといったけど聞いてくれないばかりか電話を取られてな……」
どうも雪の育ての父が雪の旅同伴を容認したらしく、危険性を考えて困っていた竜太であった。
「ヒナさーん、旅に行ってもいいよってお父さん言ってた!!」
「わーい、よかったねー!!(よくないわーー!!)」
「ヒナさん、どうしたんですか?顔が少し困っているように見えます……」
「ごめん、ちょっとお腹の調子が悪いだけよ……」
雪が心配そうな顔で指摘したのでヒナはすぐにごまかした。しかしヒナの困り顔も当然ではあるが、今は雪を護ることに力をいれようと思うヒナであった。
「これからどうすんの?」
「できれば皆さんと……」
「けど自分な、危険な目に遭うかもしれないんだよ……」
「大丈夫です……」
「家の番号は?」
雪は竜太に番号を教えた。ヒナはその様子を見るだけであった。
「(やはり雪ちゃんをこのままにするのはまずいよね……)」
ヒナはそう思いながら竜太の電話のやり取りを聞いていたのである。
「もしもし、はじめまして。東住吉ともうします。柏之山さんのお宅でしょうか?」
竜太を見ていたヒナの元に雪が現れたのである。
「ヒナさん、遊びましょう!」
「何して遊ぶ?オセロ?人生ゲーム?将棋?」
「え……人生……ゲーム?何ですかそれは?」
「(あ……自分の世界の遊びは知らなかったっけ……)」
勿論雪には将棋もオセロも知る由はない。この世界ではどんな遊びがあるかヒナは知らないのである。
「雪ちゃんは何して遊ぶの?」
「剣術ごっこ!」
「わー、何それ?」
「剣のような棒に火を付けてそれで戦うの!」
「(こわーーい!!)」
「ハハハ、ヒナちゃんには衝撃だったな!!俺なんかそれでガキんちょ時代に4回火傷したぜ!!竜太さんとよく戦ったけど懐かしい思い出だな~」
「(怖い思い出じゃん!!)」
半ば火遊びに近い遊びと思いきや松浦まで思い出話をはじめるのだからヒナは改めて元の世界に帰りたい気持ちが芽生えたのである。すると電話していた竜太の声が変わったのである。
「え?本当にそれでいいのですか!?…………いや、やはり安全を考えると……」
「ちょっと借りますね!」
「あ、雪ちゃん!?」
何かに焦る竜太から雪は電話を奪うと笑顔で対応していた。
「本当に良いの?ありがとう!気を付けて行くね!!」
困った顔をする竜太にヒナが声をかけたのである。
「どうしたの?」
「実は彼女のお父さんか……『一緒に連れてやってくれ』と言っててな……ダメだといったけど聞いてくれないばかりか電話を取られてな……」
どうも雪の育ての父が雪の旅同伴を容認したらしく、危険性を考えて困っていた竜太であった。
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「わーい、よかったねー!!(よくないわーー!!)」
「ヒナさん、どうしたんですか?顔が少し困っているように見えます……」
「ごめん、ちょっとお腹の調子が悪いだけよ……」
雪が心配そうな顔で指摘したのでヒナはすぐにごまかした。しかしヒナの困り顔も当然ではあるが、今は雪を護ることに力をいれようと思うヒナであった。
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