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第8章・まさかの新展開
悪夢、その背景③(グリンフォート議会にて)
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総選挙が終わり、再びグリンフォートの議会が再開すると羽久は早速議会で栄町にエネルギータンクの停止を訴えたのであった。
「総選挙直後に点検しました所、錆が4ヶ所に出来ているそうです。」
「それで?」
「ですから、やはり何か起こる前に止めたほうが……」
すると栄町ではなく、羽久と同じ立場の議員の東倉敷年武(ひがしくらしき・ねんぶ)が羽久に意見をしたのである。
「一応、確認しましたところ錆の件についてはまだ安全であると判断しています。高級マンションに錆が4ヶ所あっていきなりリニューアル改築とかはないでしょう。5年以内に修復点検を行いますのでその時にしかるべき対応をしたいと思います。」
「ですが、時間をかけすぎてはいけません。今からでも修復すべきではないでしょうか?」
「大丈夫です!!“命をかけても”大丈夫と言えます。」
東倉敷の発言に強い信頼を持てない……羽久は抗議を続けるも誰もが耳を貸さずにいたのである。
一旦回想は終わり、ヒナが竜太に話しかける。
「竜太さんはその……ウィンガタウンの現状をなぜ今まで分からずにいたのですか?」
「それは……収容中は新聞が人気で売れてしまい、買えなかった。あとは外に出てからウィンガタウンに帰省していなかったのも原因かな……今では帰省すればよかった思うとるよ……」
「…………」
「以前、議員になりたいと決意していたが俺ももしかして故郷の破壊に携わっていたかもしれない……」
「議会はどうなったの?」
「それは……ね……」
回想に戻る。議会は連日エネルギータンクの問題について取り上げられていたのであった。
「停止は本当に今、検討を……」
「今でなくても大丈夫だ。」
羽久の訴えに栄町らは全く耳を貸さなかったのである。勿論タンクの停止派は数人いるが、大多数にはかなわない。
「正しい少数意見か間違えている多数意見とどっちが大事だと思いますか?僕は少数でも正しい方をとります。間違えている多数意見なぞ呑んだからには何が起きるか分からない……」
「羽久君は分かっていない……“事情”で止められないのだから諦めたまえ……」
「その事情とは何ですか?どうなっているのですか……?」
結局羽久達の意見は押さえつけられたのであった。そして放置しすぎたエネルギータウンはついに最悪の事態を迎えることになるのであった。
「まだ34歳のはずだろう……」
羽久はある日の議会を終えて自宅で眠りにつくとそのまま2度と目覚めることはなかった。仲間の悲しみの声は重く辛いものであった。この羽久の変わりに繰り上げ当選した東住吉益数(ひがしすみよし・ますかず)は竜太の母の従兄で『超』が付くほどのエネルギータンク推進論者でいつの間にか羽久のグループは誰もがエネルギータンクの必要性を訴え始めてしまったのだ……
そして事故が起きる当日の朝。いつもの小鳥のさえずりが聞こえたが、この日がウィンガタウン最後の平和な早朝であった…………
「総選挙直後に点検しました所、錆が4ヶ所に出来ているそうです。」
「それで?」
「ですから、やはり何か起こる前に止めたほうが……」
すると栄町ではなく、羽久と同じ立場の議員の東倉敷年武(ひがしくらしき・ねんぶ)が羽久に意見をしたのである。
「一応、確認しましたところ錆の件についてはまだ安全であると判断しています。高級マンションに錆が4ヶ所あっていきなりリニューアル改築とかはないでしょう。5年以内に修復点検を行いますのでその時にしかるべき対応をしたいと思います。」
「ですが、時間をかけすぎてはいけません。今からでも修復すべきではないでしょうか?」
「大丈夫です!!“命をかけても”大丈夫と言えます。」
東倉敷の発言に強い信頼を持てない……羽久は抗議を続けるも誰もが耳を貸さずにいたのである。
一旦回想は終わり、ヒナが竜太に話しかける。
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「…………」
「以前、議員になりたいと決意していたが俺ももしかして故郷の破壊に携わっていたかもしれない……」
「議会はどうなったの?」
「それは……ね……」
回想に戻る。議会は連日エネルギータンクの問題について取り上げられていたのであった。
「停止は本当に今、検討を……」
「今でなくても大丈夫だ。」
羽久の訴えに栄町らは全く耳を貸さなかったのである。勿論タンクの停止派は数人いるが、大多数にはかなわない。
「正しい少数意見か間違えている多数意見とどっちが大事だと思いますか?僕は少数でも正しい方をとります。間違えている多数意見なぞ呑んだからには何が起きるか分からない……」
「羽久君は分かっていない……“事情”で止められないのだから諦めたまえ……」
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結局羽久達の意見は押さえつけられたのであった。そして放置しすぎたエネルギータウンはついに最悪の事態を迎えることになるのであった。
「まだ34歳のはずだろう……」
羽久はある日の議会を終えて自宅で眠りにつくとそのまま2度と目覚めることはなかった。仲間の悲しみの声は重く辛いものであった。この羽久の変わりに繰り上げ当選した東住吉益数(ひがしすみよし・ますかず)は竜太の母の従兄で『超』が付くほどのエネルギータンク推進論者でいつの間にか羽久のグループは誰もがエネルギータンクの必要性を訴え始めてしまったのだ……
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