ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第7章・Enemy search(敵探し)

一時の休息

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とりあえず涼子に武器の強化依頼を松浦以外は済ませた。そして疲れもあったために数日間はゆっくりすることにしたのである。ヒナは少し考え事をしようと一人で喫茶店に入る。のんびりヒナの世界でいうコーヒーを飲んでいると少し離れた席の男性がヒナの方を向いて何か呟いていた。

「あと……3ヶ月か4ヶ月で面白くならなければ……終わるぞ……」

ヒナは何を言っているかは分かったが、意味が理解できず頭の中が「???」であった。でもせっかくのんびりする時間だからと気にせずコーヒーを飲みながらサトキから借りた本を読んでいた。


二時間位してから一度サトキのオフィスに戻ろうとしたら窓に左から雪・サトキ・松浦・京介・竜太の5人が後ろ姿で並び5人の前にある男性が何かを伝言しているような感じであった。ヒナは慌ててオフィスに戻るとその男性とすれ違ったのだが喫茶店で何か呟いていた男性に似ていたのだ。

「君に大衆受けする雰囲気が漂ってない……」

「???」

よく分からないが、とりあえず皆に何の話をしたのか聞いてみたのである。しかし……

「これはヒナさんには教えられない……」

「ヒナちゃんがまだ知る話じゃない……」

「言ったら冒険に支障が出る……」

「教えることは出来ません。」

「いつかは必ず教えるから待ってくれや。」

誰もが口を塞いだ。つまりヒナには教えられない話だという。どうやら重大機密のようではあるが教えてもらえないのでヒナは仲間はずれにされたような感じであった。気を悪くしたのかヒナはオフィスをすぐ出ていき、近場の公園でブランコに座っていた。すると雪がヒナを追いかけてかやって来たのである。

「ヒナさん、ごめんなさい。」

「いいのよ雪ちゃん。重大機密なのに聞き出そうとして……こちらこそごめんね。」

「ううん、この話は必ずヒナさんにもするから。今したら冒険に差し支えが出るかも知れないから言えなかったんです。」

「その時になれば聞かせてね!」

「はい、私の口から報告します!!」

「ありがとう。少し気持ちも落ち着いたからオフィスに戻るね。雪ちゃんの顔を見てたら隠したくて隠している訳じゃないのが分かるよ。心配させてごめんね!」

二人は仲良くオフィスへと帰る。夕方のラビリンシングタウンは5月とあってか少し寒いような気がした。

「ヒナさんは何が好きですか?」

「オムライスよ!」

「どんな食べ物ですか?」

「ケチャップで炒めたご飯に卵焼きを巻いたような感じの……」

「ああ!エッグレッドライスね!!」

「へえ~、ここだとそんな名前なんだ。」

好きな食べ物の話をしているとヒナは少しずつ空腹となった。
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