ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第7章・Enemy search(敵探し)

古代文字の秘密

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箱に貼られたシールに記された謎の古代文字。誰も読めないと思いきや、雪がそれを読みはじめたのである。

「会社名……『黒竜社販売部署』。製造者名……『日紙直量(ひかみ・ちょくりょう)』。と書かれています。」

日紙と聞いて松浦はある反応を示した。

「日紙……?社長と関係があるかな?」

「関係あるかもしれへんな。」

竜太も日紙の名前に反応した。松浦はさらに『黒竜社販売部署』の名前を聞いてあることを思い出したのである。

「黒竜社には出版業務があるから販売部署は表向きは本の販売をしている。だが実態は人身売買に繋がる危険な組織だと元黒竜社の幹部だった友人から聞いたことがある。」

「松浦さん、本当ですか!?本当ならこの子は何らかの形でヤバイ連中と関わってることになるやんか!!」

「竜太さんは販売部署を知らなかったのですか?」

「言われてみれば“販売部署という名前は知りませんでした”がそういう組織があると聞いたことはあります。確か古代種の一族や特別な民族の力を必要としてそういう末裔の人を……とか。雪ちゃんは思いあたる節はあるん?」

竜太の質問に雪は首を横に振る。

「分かりません。でも一つだけ言えることがあります。」

「?」

「実は今のお父さんとお母さんは私の実の両親ではありません。」

「!!?」

「正式には今のお父さんは実のお父さんの弟でお母さんも実のお父さんの妹です。」

「雪ちゃん、つまり親戚の養子みたいな感じなのね?」

ヒナの質問に雪は頷いた。父親は確かに厳しそうな感じはしたが、親子のような絆を感じさせていたのでヒナには実の親子ではないとは思いもしなかったのである。そして雪は続けて言った。

「私は物心着いた時からこの古代文字が読めます。それだけではなく古代文字を書くことが出来ます。つまり、古代文字に関しては私は知識を持っています。」

「ほんまに……すごいな。俺なんか何年か勉強したことあるけど解読を出来ない。」

「この古代文字は普通の人は修得出来ないと思います。竜太さんは古代一族の末裔の方ならば出来たかもしれません。」

「それじゃ雪ちゃんは古代の一族なんか?」

「いや、それは分かりません。今のお父さんに聞いても分からないと言われました。」

「でも俺が修得出来へん古代の言葉を雪ちゃんはスラスラ読めた。やはり雪ちゃんは何らかの力がねむっている……」

竜太も一目置く雪の古代文字解析。だがこの能力を持つのを黒竜社の人間が知っていればその能力を狙うも当然であり、どういう経緯かはわからないが雪の命を奪わなかったのも理解できる。ヒナは黒竜社に乗り込む決意をしたが、彼女達にはまずはある課題があった。
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