ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第7章・Enemy search(敵探し)

危険な古巣①

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ヒナ、竜太の元に現れた竜太の親戚・京介は到着してからこう言った。

「竜太さん、あの事件までのあなたの目と今のあなたの目が全然違って見えます。」

「ん?そうか?」

「ええ、あなたは何かに触れたのかもしれませんね。」

「かもしれへんな!」

京介の冷静な解析に竜太は笑顔で返す。実際、オフィスに来たときもまだ鋭い目付きを見せていたはずの竜太が突然優しい口調と優しい目付きを見せるようになっていたのだから何かが竜太を変えたのかもしれない。

「絶対あんなことをしたやつを問い詰めてやるで!!しかしよりによってこの会社にまた訪れるとはな……」

「そうですね。あなたにとって嫌な古巣でしかないですからね……」

「何かあったの?」

「あった。ここで配送の準備をしていた時に生い立ちがダサいと侮辱されたもんやからその発言した上司を『何抜かすんや!!』とぶん殴って解雇された経歴があるんや。幸い逮捕には至らんかったけど……」

「そんなあなたが逮捕ばかりされていた最近までの禍々しいオーラが纏っていないことに僕は驚きます。」

「竜太さんはどれだけ禍々しいんですか?」

「俺は自分のオーラが分からんから何とも言えんわ。」

会社前でベラベラしゃべる3人ではあったがいよいよ侵入する準備ができている。

「もし無事にこの用件が終われば『同じ名前の友人』と久しぶりに酒でも飲みにいくかな!!」

「どんな人ですか?」

「ヒナちゃんにもその時会わせたる!!とにかく全員生きて出れるように……!!」

竜太いわく、会社のセキュリティ管理は物凄くて夜中には警備用モンスターがうじゃうじゃいるのだという。だが京介はまだ大人ではないので連れていくべきではないのか……と思いきや。

「竜太さん、僕も行きたいです。格闘技は使えますし、能力をうまく駆使して頑張りたいです!!」

なんと京介が自ら行きたいと申し出たのである!!竜太は京介の顔を見つめてからこう言ったのである。

「ええよ。ただ死なないように気ぃつけや!!ここはホンマに危ないからな!!」

竜太は語気を強めた。とにかく本当に危ない場所らしく命の危険も考えられるために京介のことを心配して言ったのである。

「大丈夫です。ヒナさん、竜太さん、頑張っていきましょう!!僕の身体を掴んでください。」

竜太は京介の右手を掴み、ヒナはよくわからないが左手を掴んだ。すると京介の身体が光り出して気がつくと会社の玄関の社内側に3人はいたのである。

「これで入れました。」

「特殊技?」

「はい、これは移動系の能力です。これがあればどんな場所にでも入れます。」

どうやら瞬間移動系の特殊技らしく、ヒナは特殊技がほしくなっていた。
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