ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第6章・ヒナの旅立ち

雪と竜太と日奈凛と②

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当然であったばかりで何をすればいいか分からないヒナ。しかもおまけにこのことがニュース報道されてしまい、昨日のヒーロー(ヒロイン?)が一転して『犯罪者の肩を持ちはじめた』や『仲間だったのか!』とか『あの平手打ちは茶番劇かよ、アホらしっ』といったヒナへの批判も結構出てきたのである。

「仲間じゃないのに……なんでかな……」

さすがにヒナの目が潤む。昨日まで皆から拍手喝采だったはずが1日経って悪者扱いされているのだから無理はない。

サトキのオフィスに二人が着くとサトキは笑いながら出迎えた。

「ハハハ、ニュース見たぞ!俺にも批判の声が出ているみたいだよ(笑)。『日倦里は犯罪組織の一員か』とか陰で言われてた(笑)。」

「ごめんなさい……私のせいで……」

「いや、悪いのは俺や。まさかこんなパターンになると思うてへんかったさかい申し訳ない!!」

「気にするなよ二人とも。俺は学生時代しょっちゅう新聞沙汰を起こして悪名を広めていたから今さら何言われても気にしないよ。」

サトキは二人を責めず、それどころか部屋を少し改良して部屋を作ってくれていたのである。

「まあまあ、こんなトラブルがあるからこそ人生楽しいものだ!!」

「サトキさんは本当にポジティブですね!!」

「当たり前!ネガティブは体に悪すぎるぜワハハハ!!」

するとオフィスにある女性がやって来たのである。

「はじめまして。」

「は、はじめまして。」

女性の挨拶にヒナは少しビックリしてしまったがちゃんと挨拶したのである。

「あなたが猫屋敷さんですね?」

「は、はい!」

「私は更正官の指導をさせていただく下頼ケディ(したらい・けでぃ)といいます。なかなか信頼できそうな雰囲気の方ですね!!」

「あ……いえ、ありがとうございます……」

「今回、猫屋敷さんには東住吉さんの社会福祉活動に力を注いでいただきます。そのためにアドバイスなどをしていきたいと思います。」

下頼はなかなかの美人で同じ女性のヒナもうっとりしてしまうくらいである。だがうっとりするどころか大切な話し合いがあるのでヒナは気を引き締めて下頼の話を聞くことにしたのである。


その頃、ラビリンシングタウンのあるビルの45階のオフィス……ここに二人の男性がいたのである。名前は下頼チビ(したらい・ちび)と鳳園鷹春(おおとりぞの・たかはる)であった。二人はサトキのオフィスのあるビルを眺めながら話をしていたのだ。
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