ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
上 下
99 / 762
第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

当日の朝③

しおりを挟む
支援者から情報を聞いた直露はジッと出来ず、友達や支援者を集めてキャッチボールをすることにしたのである。

直露の元に集まったのは選挙管理委員会の淀光鷹春(よどみつ・たかはる)の息子の鷹尚(たかなお)、支援者の筒香文助(つつごう・ふみすけ)、筒香の友人の山口(やまぐち)、若月(わかつき)、吉田(よしだ)、古川(ふるかわ)、近所の悪ガキの雄太(ゆうた)と寿彦(としひこ)、直露の同級生の西野(にしの)の9人。そこにヒナと先程目を覚ました雪を加えての11人であった。だがキャッチボールにしては人が多いので直露が投手、集まった9人が打者、ヒナが審判、雪がスコアラーでとりあえずシート打撃を開始したのである。

直露は上位の結果にウキウキしていたのか球が速い速い!!気づけば3回を投げて無安打5三振の投球であった。

「(私野球は知らないけどルールは私の世界と変わらないみたいね。)」

すると直露の球が雄太に直撃し、雄太はうずくまったのである。

「デッドボール、出塁よ。」

「ヒナちゃん、球に当たって出塁するのは君の世界の話。ここでは球に当たってこらえて打席にはいるが男の子の勲章。さあ、寝ないで立ちやがれ!!」

すると打者は立ち上がり、打席に入った。直露のストレートを捉えて結構飛ばしてホームランとなったのだ。

「ヒナちゃん、これはこの世界のプロでもそういう(当てられても打席を続ける)ルールだから心配などいらん!情にかられるな!!」

なんて厳しい世界だとヒナが思い込むと筒香の携帯に電話がかかってきたのである。

「もしもし、筒香です。え……トライギアでの直露さんへの票が……?わかりました、すぐに報告します。」

「どうしました、筒香さん?」

「直露さん、トライギアで直露さんへの投票が急増しているんですよ。まさかの展開に僕も驚いています!!」

なんと支持の少なかったはずのトライギアでの直露票が増えているのだ。まさかと思いきや直露は心当たりがあった。

「(もしかしたら直伸は自分の反対派を減らそうと洗脳をたくさんしていたかもしれない。それが解かれつつある今だから僕に票が増えているのかもしれない……!!)」

直露の予想通りかもしれない。彼の古い付き合いの女性も直露に「(古代都市反対派に)洗脳されている」と言っていたし、洗脳されたような感じの人はいたような気がする。だからその人達への洗脳が解けているから今こうやって票に繋がっていると直露は読んでいたのだ。だがそれでも油断はしない。

「必ず、直露くんが通りますように!!」

ヒナはお祈りをしたのである。すると太陽が白く光ったので何かが起きると彼女は確信したのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ワイルド・ソルジャー

アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。 世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。 主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。 旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。 ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。 世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。 他の小説サイトにも投稿しています。

入れ替われるイメクラ

廣瀬純一
SF
男女の体が入れ替わるイメクラの話

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...