96 / 762
第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体
選挙前
しおりを挟む
雪の部屋に3人が訪れると雪が泣きながらテレビに向かって怒鳴っていたのであった。
「雪ちゃん、夜なのにうるさいよ。静かにしようね!」
直露がなだめようとすると雪は苛立ちを隠せず怒りの原因を語り出した。
「直露さん!!この市川さんって人が直露さんをテロリスト呼ばわりしているんですよ!!」
直露がテレビに向かうとまた政治番組に御用アナウンサーの市川氏が直伸の仲間とされる古代都市復活派の感下台寛孝(かんげだい・ひろたか)候補と討論していたのである。
「直伸さんが捕まったのを全部この人は直露さんの陰謀だと抜かしているんですよ!!」
「雪ちゃん、いつものことだよ。この人は僕を嫌いで僕もこの人が嫌いさ。」
「直露さんをいじめる人はみんな大嫌い!!この市川さんも感下台さんも大嫌い!!」
「直露くん、こうやって応援してくれる子がいるって本当に良いよね!」
「そうだな、ヒナちゃん。応援してもらうと本当に嬉しいし、僕も頑張れる。雪ちゃんの思いを受けとりたいな。」
直露は直後に雪の元に行くと雪は直露の胸に飛び込み、泣いていた。
「市川さんも感下台さんも………大嫌……い……うぅっ……!!」
「さっきも聞いたよ。本当にありがとう……」
直露は雪の頭を撫でながら雪をなだめていた。ヒナも雪の頭を撫でてこう言ったのである。
「雪ちゃん、でもこの人たちを恨んだらダメだよ。憎しみの心はあなたをダメにしてしまうから……」
直露はその言葉を聞き、その言葉が胸に刺さったようだ。自分に必要なのはその気持ち……直露はそれを感じていたようだ。
「(選挙で憎しみを出しすぎて一部の周りの声を聞けていなかったかもしれない。雪ちゃんやヒナちゃんが教えてくれなければ俺は憎しみの塊に潰されていたかもしれない…………ありがとうな……)」
直露の胸元で泣いている雪を抱きしめて彼も涙を流して言ったのである。
「ヒナちゃん、雪ちゃん。本当にありがとう!!僕も自分のことを見失っていたよ……まだまだ勉強が足りなかったんだな……!!」
直露は二人への感謝の気持ちを現すと今まで見せなかった静かな表情を見せた。目は潤み、くちもとには力は入らず口は優しく閉じていた。それを見た直摩はテレビを消して直露に声をかけたのである。
「兄さん……優しくなったな。あの時とは全然違うよ。」
「俺もあの密輸時代は暴力、金、酒、危険化学品に溺れていた。あの時を思い出したら昔の自分が情けなく思う。もし昔の自分に会えば殴って埋めてやりたいわ……」
「兄さん……義姉さん(直露の妻)もヒナちゃんも雪ちゃんも優しい兄さんのことしか知らないからあの頃の兄さんには戻らないでね……」
「分かってるよ!心配性だな!」
穏やかに返した直露の目付きは優しさに満ち溢れていた。普段の優しさではなく悟ったかのような感じであった。そして長い一日は終わったのである。
「雪ちゃん、夜なのにうるさいよ。静かにしようね!」
直露がなだめようとすると雪は苛立ちを隠せず怒りの原因を語り出した。
「直露さん!!この市川さんって人が直露さんをテロリスト呼ばわりしているんですよ!!」
直露がテレビに向かうとまた政治番組に御用アナウンサーの市川氏が直伸の仲間とされる古代都市復活派の感下台寛孝(かんげだい・ひろたか)候補と討論していたのである。
「直伸さんが捕まったのを全部この人は直露さんの陰謀だと抜かしているんですよ!!」
「雪ちゃん、いつものことだよ。この人は僕を嫌いで僕もこの人が嫌いさ。」
「直露さんをいじめる人はみんな大嫌い!!この市川さんも感下台さんも大嫌い!!」
「直露くん、こうやって応援してくれる子がいるって本当に良いよね!」
「そうだな、ヒナちゃん。応援してもらうと本当に嬉しいし、僕も頑張れる。雪ちゃんの思いを受けとりたいな。」
直露は直後に雪の元に行くと雪は直露の胸に飛び込み、泣いていた。
「市川さんも感下台さんも………大嫌……い……うぅっ……!!」
「さっきも聞いたよ。本当にありがとう……」
直露は雪の頭を撫でながら雪をなだめていた。ヒナも雪の頭を撫でてこう言ったのである。
「雪ちゃん、でもこの人たちを恨んだらダメだよ。憎しみの心はあなたをダメにしてしまうから……」
直露はその言葉を聞き、その言葉が胸に刺さったようだ。自分に必要なのはその気持ち……直露はそれを感じていたようだ。
「(選挙で憎しみを出しすぎて一部の周りの声を聞けていなかったかもしれない。雪ちゃんやヒナちゃんが教えてくれなければ俺は憎しみの塊に潰されていたかもしれない…………ありがとうな……)」
直露の胸元で泣いている雪を抱きしめて彼も涙を流して言ったのである。
「ヒナちゃん、雪ちゃん。本当にありがとう!!僕も自分のことを見失っていたよ……まだまだ勉強が足りなかったんだな……!!」
直露は二人への感謝の気持ちを現すと今まで見せなかった静かな表情を見せた。目は潤み、くちもとには力は入らず口は優しく閉じていた。それを見た直摩はテレビを消して直露に声をかけたのである。
「兄さん……優しくなったな。あの時とは全然違うよ。」
「俺もあの密輸時代は暴力、金、酒、危険化学品に溺れていた。あの時を思い出したら昔の自分が情けなく思う。もし昔の自分に会えば殴って埋めてやりたいわ……」
「兄さん……義姉さん(直露の妻)もヒナちゃんも雪ちゃんも優しい兄さんのことしか知らないからあの頃の兄さんには戻らないでね……」
「分かってるよ!心配性だな!」
穏やかに返した直露の目付きは優しさに満ち溢れていた。普段の優しさではなく悟ったかのような感じであった。そして長い一日は終わったのである。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ワイルド・ソルジャー
アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。
世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。
主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。
旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。
ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。
世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。
他の小説サイトにも投稿しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる