95 / 762
第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体
特殊能力(リミットアビリティ)
しおりを挟む
ヒナは知らないが、この世界には特殊能力(リミットアビリティ)を所持する人は多い。突然開花するケースや、能力を秘めたエキスを注入するなどで得ることができるのだ。
「ヒナさん、特殊能力はやっぱりないんですね?」
「雪ちゃんはあるの?」
「ううん、まだないです。直露さんは危険化学品を過って摂取してしまった際に取得したみたいですよ。」
「ふーん、それであの技を……」
雪の話を聞いたヒナは自分も何らかの形で特殊能力を手に入れたいと思うようになったのである。すると直摩がヒナに声をかけた。
「この前だけど山道で君を襲った熊が全員切られたのは何か分かるかな?」
「あれは誰が助けてくれたのかな……と思ったの。」
「あれは僕の技だ。僕がターゲットに指を差して攻撃指定して手を横にチョップするかのように動かすと真空斬りが発生してターゲットだけ攻撃できるんだよ。これを『目標指定型真空斬(ターゲットアタックエアカッター)』と言う。」
「スゴいわ……だから怪物だけ斬れたのね!あのときはありがとう!!」
「いいよ!!!助かって良かったからね!あと難麦さんも特殊能力見せてあげたら?」
「自分は今体調が悪いので……」
「そうですか……了解です!!」
皆が特殊能力を見せるのを見るたびにヒナは自分もこの世界で生まれたら良かったなと思うようになりはじめたのだ。
「私も直露さんや直摩さんみたいに能力があれば……足を引っ張ったりしないのになあ……」
「ん?ところでヒナちゃんのぶちギレは能力じゃないのか?」
「え?私はキレたり全然しませんが……?」
「(え?ホントに覚えてないのか……!!?)」
このやり取りに全員が「え!?」と思ったみたいだ。無理もない。本人が覚えてなくてもあの強さは異常すぎるからだ……
場面は変わり、一行は民宿に戻って庭で全員が集まり会話していたのであった。
「みなさん、本日はありがとうございました!!明日は集計が出て結果が分かるようです。あと直伸氏は先程病院に送られまして回復を待ち次第逮捕となりました。なので彼は選挙から事実上のリタイアということです。」
ヒナはこのスピーチで直伸への恨みを出さない直露の姿勢をかっこよく思っていた。ヒナの横には雪がいたのである。
「ヒナさん!もし明日直露さんが勝ったら私はヒナさんにお礼がしたいの!!私の家族の仇をうってくれてありがとう!!」
「雪ちゃん、あなたも頑張ってたわよ!!こっちこそ助けてくれてありがとうね!!」
皆が労い、楽しい打ち上げの焼き肉パーティーがひっそりと民宿の庭で開かれたのである。明日はついに選挙結果が出る日である。全員が緊迫しながら結果を待つ大切な日となる。
「必ず勝とう。ただそれだけだ……」
結果を出したいが静かに結果を待つ直露であった。ヒナは明日を待ち遠しく思っていたが直露が落ちないか不安もあったのだ。そして夜は明け……ない。夜10時半ごろ突然雪の部屋からえらい大声が聞こえてきたのである。
「うるさい、だまれ!!誰がテロリストなんじゃ!!いい加減にしやがれよ!!」
何だ何だと思いながらもヒナと直露と直摩が雪の部屋にやって来たのである。
「ヒナさん、特殊能力はやっぱりないんですね?」
「雪ちゃんはあるの?」
「ううん、まだないです。直露さんは危険化学品を過って摂取してしまった際に取得したみたいですよ。」
「ふーん、それであの技を……」
雪の話を聞いたヒナは自分も何らかの形で特殊能力を手に入れたいと思うようになったのである。すると直摩がヒナに声をかけた。
「この前だけど山道で君を襲った熊が全員切られたのは何か分かるかな?」
「あれは誰が助けてくれたのかな……と思ったの。」
「あれは僕の技だ。僕がターゲットに指を差して攻撃指定して手を横にチョップするかのように動かすと真空斬りが発生してターゲットだけ攻撃できるんだよ。これを『目標指定型真空斬(ターゲットアタックエアカッター)』と言う。」
「スゴいわ……だから怪物だけ斬れたのね!あのときはありがとう!!」
「いいよ!!!助かって良かったからね!あと難麦さんも特殊能力見せてあげたら?」
「自分は今体調が悪いので……」
「そうですか……了解です!!」
皆が特殊能力を見せるのを見るたびにヒナは自分もこの世界で生まれたら良かったなと思うようになりはじめたのだ。
「私も直露さんや直摩さんみたいに能力があれば……足を引っ張ったりしないのになあ……」
「ん?ところでヒナちゃんのぶちギレは能力じゃないのか?」
「え?私はキレたり全然しませんが……?」
「(え?ホントに覚えてないのか……!!?)」
このやり取りに全員が「え!?」と思ったみたいだ。無理もない。本人が覚えてなくてもあの強さは異常すぎるからだ……
場面は変わり、一行は民宿に戻って庭で全員が集まり会話していたのであった。
「みなさん、本日はありがとうございました!!明日は集計が出て結果が分かるようです。あと直伸氏は先程病院に送られまして回復を待ち次第逮捕となりました。なので彼は選挙から事実上のリタイアということです。」
ヒナはこのスピーチで直伸への恨みを出さない直露の姿勢をかっこよく思っていた。ヒナの横には雪がいたのである。
「ヒナさん!もし明日直露さんが勝ったら私はヒナさんにお礼がしたいの!!私の家族の仇をうってくれてありがとう!!」
「雪ちゃん、あなたも頑張ってたわよ!!こっちこそ助けてくれてありがとうね!!」
皆が労い、楽しい打ち上げの焼き肉パーティーがひっそりと民宿の庭で開かれたのである。明日はついに選挙結果が出る日である。全員が緊迫しながら結果を待つ大切な日となる。
「必ず勝とう。ただそれだけだ……」
結果を出したいが静かに結果を待つ直露であった。ヒナは明日を待ち遠しく思っていたが直露が落ちないか不安もあったのだ。そして夜は明け……ない。夜10時半ごろ突然雪の部屋からえらい大声が聞こえてきたのである。
「うるさい、だまれ!!誰がテロリストなんじゃ!!いい加減にしやがれよ!!」
何だ何だと思いながらもヒナと直露と直摩が雪の部屋にやって来たのである。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
NEOの風刺ジョーク集
夜美神威
SF
世の中のアレやコレを面白おかしく笑い飛ばせ!
クスッと笑える世相を切る風刺ジョーク集
風刺ジョークにおいて
ご気分が害される記事もあるかと思いますが
その辺はあくまでジョークとして捉えて頂きたいです
バタフライエフェクターズ
Uuuuuuu
SF
母親を交通事故で亡くした内海遥香は、ある日『桶屋』と名乗る謎のポスターを見つける。そのポスターには、『過去を変える事が出来る』と書かれており、母親の死を変えてほしいと願う遥香は、半信半疑ながらもその『桶屋』を訪れる。
そこで出会った中崎時久と共に遥香は衝撃の物語に巻き込まれることになる。
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた8歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
アルビオン王国宙軍士官物語(クリフエッジシリーズ合本版)
愛山雄町
SF
ハヤカワ文庫さんのSF好きにお勧め!
■■■
人類が宇宙に進出して約五千年後、地球より数千光年離れた銀河系ペルセウス腕を舞台に、後に“クリフエッジ(崖っぷち)”と呼ばれることになるアルビオン王国軍士官クリフォード・カスバート・コリングウッドの物語。
■■■
宇宙暦4500年代、銀河系ペルセウス腕には四つの政治勢力、「アルビオン王国」、「ゾンファ共和国」、「スヴァローグ帝国」、「自由星系国家連合」が割拠していた。
アルビオン王国は領土的野心の強いゾンファ共和国とスヴァローグ帝国と戦い続けている。
4512年、アルビオン王国に一人の英雄が登場した。
その名はクリフォード・カスバート・コリングウッド。
彼は柔軟な思考と確固たる信念の持ち主で、敵国の野望を打ち砕いていく。
■■■
小説家になろうで「クリフエッジシリーズ」として投稿している作品を合本版として、こちらでも投稿することにしました。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも投稿しております。
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる