ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

あの日の事実②

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これら一連のやり取りは大深島の上司が収録したものでたまたま言い合いに発展していたのを収録したという。

「普通なら『おれはしてない』と言うはずですが彼は正直なのかあっさり自白してしまいましたからね。これを収録したセリフデジタルタンクを宝田(たからだ)さんは僕に『日紙家の方に渡してほしい』と頼んできました。」

「これは……やつの本心だろうな……」

「でしょうね。前の悲しいふりしたインタビュー時よりハキハキとしっかり語っておられましたからね。まあ、彼の本音ですよ。」

「死んでほしかった……だと……?弟やひいじいちゃんとひいばあちゃんの命まで奪いやがって……!!!」

かけがえのない家族を失われ、最悪自分達の命まで奪われて日紙家断絶の危機すらあったというこの事件……回想が終わったが許せない気持ちは今も忘れられない……

「直伸……お前は本当にクズだ!!」

「お前も元々“悪いこと”していた人間だろ?今更正義感ぶってんじゃねえよ!!」

「ああ、昔は確かにしたな。危険化学品(薬物)の不法密輸。おれはあれで確かに服役したことはある!!だけどあれから反省してここまで来たんだ!!しかも危険化学品とは知らずに売買していたから本当は悔しかった……だけど悪いことは反省しなくちゃ行けねえ!!」

すると直露の身体からオーラが漂いはじめたのである。

「あまり使いたくない技だけどお前を捕らえて刑務所で反省させるために使わせてもらう……!!」

「お前、特殊能力あったんか!?」

「直伸は知らないと思うが、あるよ。」

「使わせない!!俺の特殊能力(リミットアビリティ)は洗脳操作(マインドダンスサイト)!!どんなやつでも身体を触れば洗脳が出来、頭を掴んで洗脳すれば通常より洗脳時間が長くなるのだ!!」

直伸は掴みかかってきた!!しかし直露は直伸の手を蝶のようにヒラッと何度も避けた。

「しょぼいな……触れなかったら意味ねーじゃん(笑)。」

「お前、疲れてるな。捕まえてやるよ!!」

「じゃあ、そろそろ反撃やね……」

直露は自ら直伸に近づくと直伸の頭を右腕で掴んだのである。

「おやすみ……ボーイ……」

すると直伸は意識を失ったのかのように急に倒れたのである。ヒナが様子を見に行くも目を覚ます気配がない。

「寝てるというよりかは意識がないような……」

「ないよ!彼には“2日間”寝てもらうから。俺の特殊能力は『安眠(スリープ)』……頭を掴んで『おやすみ』と言えば相手は眠るよ。不眠症のお客様用としてたまに披露するくらいだが今日は別。反省の意味も込めて2日間寝てもらい、後に裁きを受けてもらうから……」

「すごい……相手を寝かすとは……」

ヒナは特殊能力がないのか感心していた。自分もなにか特殊能力が有ればと思ったのである。
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