ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

最終活動日①

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翌朝、決戦と言える土曜日を迎えた。ちなみに昨日はライスギアであまり選挙活動があまり出来ずにいたため、とにかく今日はたくさんの人と挨拶をしなければならないと考えていた直露達はこの日は朝早くから活動を開始した。

「今日は最後だから頑張ろう!!」

「オーっ!!」

そして全員でライスギアへと向かう。現地に到着したらすぐに街中の人々に積極的に話しかけるのだ。

「あ……あ……あのー、日紙直露です!」

「あんたか!テレビで聞いたけどテロリストらしいな!帰れ!」

「いや……僕はただの一般人です……」

「テロリストは帰れ!」

テレビの影響が大きすぎてテロリストと認識されてしまった直露は男性の老人に怒鳴られて落ち込んでしまった。ヒナはそんな直露を励ましたのである。

「何を言われても直露くんはテロリストじゃない。あの市川さん(テレビのアナウンサー)の嘘を信じ込んでいるだけ。だから大丈夫よ!」

すると車を運転していた男性が直露に話しかけた。

「おー、直露さんか!!あんた応援してるよ!!あの直伸とかいうやつは胡散臭くて信用できんさかいあんたには頑張ってもらわんとな!早く良い町作りをしてくれることを期待しているで!!」

「ありがとうございます!期待に応えれるよう当選したら頑張ります!!」

直露には街中から少しずつ激励が飛んできたのだ。勿論嫌な声もあれど少なくとも彼の支持は日に日に高まっていたのである。葬式の合間を縫って光山も来てくれた上に東も来てくれている。この日の活動には直露の妻も両親も兄弟も来てくれているからこそ心強いものだった。

そして活動を開始してから一時間すると少なくとも100人近くの人々が直露を応援してくれたようである。

「皆が応援してくれるお陰で何を言われても気にしなくなった。ありがとう!!」

路上で演説をすると皆から拍手が飛んだのである。

「うるせー、テロリスト!!」

ヤジが飛んできた。頭に来た難麦はヤジに対抗した。

「うるさいのはお前だ、バカタレ!!」

さすがに切れた難麦の元にヤジを飛ばした男性がやってきたのである。ところが男性は旗を背負っており、なんと選挙候補者と書かれていた。

「おい、バカタレとはなんだ!!訂正しろよ!!俺はお前らと同じ選挙に出馬している高槻軌楽(たかつき・きらく)という!!たかが支援者が選挙に出る俺に対して『バカタレ』とは何だ!!お前らに古代都市復活を阻止されてたまるか!!」

あまりにも凄みをかける高槻候補に対してて直露が近付いた。

「あなた、選挙候補者ですか。ならば他の候補者をテロリスト呼ばわりしたら失礼ではないですか?」

「何!?お前らはテロリストだろ!?国をおかしくしようとしているのがバレバレなんだよ!!」

重要な場面での小競り合いが始まる……こんなときにと支援者達は思ったに違いない。だが高槻乱入がまたややこしい方面に進むことになるとはこの時点では誰も知らない。当たり前だが……
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