ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

地獄の懸垂ダービー⑥

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扉の前にやって来た5人は皆が真剣な顔をしていた。

「この扉の向こうにヒナちゃんがいるんだな?」

「そいつが誰だか知らねえがまだいると思うよ。」

そして扉が開くと洞窟のような道があった。それをトコトコと歩いていくとホットスポットとあってか気温は高く中は熱かった。

「う……出てきたわ。」

直露の鼻から鼻血が出てきた。もともと逆上せ体質の直露は熱い場所は基本苦手ですぐに身体の調子が悪くなるのだ。所持していたポータブルティッシュを使って鼻血を止めると再び歩きだしたのである。

「熱いな、兄さん。大丈夫かい?」

「大丈夫だよ。どうやら冒険モードに入ったんだな。」

熱い洞窟の先を進むと懸垂の台が七台あった。そしてその懸垂台の下は奈落の底へと繋がっていたのである。ただ懸垂台といえどもぶら下がる部分しかない懸垂台であり、命綱とかどう見ても見当たらない。

「ここでゲームというのをしているのか?」

「ああ、懸垂ゲームで今日はこれから行われる予定だよ。」

「ということはヒナちゃんは参加するのかな?」

「ヒナちゃんは出るだろうか……どうだか?」

5人が会話(一人は尋問?)しながら待っていると懸垂台の近くに無表情の7人の男女が集まってきたのである。そして一番最後に現れた美女をよく見るとなんとヒナであった!

「あ、ヒナちゃん!!?」

まさかヒナが参加になっているとは……男性を問い詰めようとした直摩があることに気づいたのである。

「あなた、指名手配中の兵篭徳閥(ひかご・とくばつ)氏では?殺人や横領、放火等で警備隊に終われているのでは?」

「ちっ、バレたか。確かに俺は兵篭や。だけどここにいれば警備隊にバレずに済んだ。なんでお前が俺を知っているんだ?」

「僕は元警備隊の人間ですよ?今もそういう筋の関係者から情報たくさん得ていますから大体の指名手配情報は知っていますよ!!」

「何……まさかそんな関係者の野郎がこんなところに来ていたとは……くそっ……!!」

「悪いことをして逃げ切れると思うなよ……この野郎!!」

直露の一言は兵篭を除く3人の胸に響いた。その直露の目は兵篭を逃がさないという強い意思で輝いていた。

「それよりお前らの彼女を放置していて良いの
?」

「!!ヒナちゃん、懸垂に掴まるな!!他の人も掴まるな!!」

直露は大声を出したが誰も聞いていない。どうやら何らかの洗脳をされているのか懸垂に掴まるようになっていたのだ。

「物みたいな扱いするのかお前は!!」

直露は兵篭に対して強烈な怒りを出したが兵篭は止めようとしなかったのだ。
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