40 / 762
第4章・ドーリンの洞窟と若さの効用のルーツ
洞窟の中の禁断の成分⑪
しおりを挟む
成分の柔らかさにヒナはついつい抱きつくかのように持ったのである。時間をかけてついにたどり着いた終点……二人の苦労がやっと報われた瞬間であったのだ。成分の正体はもちろん二人に分からないが資鑼村研究員に渡せば判るはず……だから今は手に入れたことだけを素直に喜べるのであった。ところが……
「あー、あー、持ち出したいのか?もしそうなら二人とも生かして帰すことは出来へんな……」
「誰?」
後ろを振り返ると先程の鷹酉と年齢の近そうな男性と少年二人がいたのである。ヒナと直摩は三人に問いかけた。
「あんたら、誰なんだ?俺らの念願にいちゃもんつけるように絡んできやがってよ……何が言いたいんだ?」
「そうよ!あなたたちには関係ないわ!!」
「うるさいっ!!お前らが持っているのはな、何かの成分とか抜かしているけど成分に使わせる気はねえ!!これは古代都市を復活させるためのお供えものだよ!!」
「古代都市?それって私が登った山の池に沈んでいた都市のこと?」
「ああ、そうだ。お前はあの池を見つけたのか?まあそれなら話は早いな。あの都市を復活させるためにこの物体を俺たちは守っている。この物体は古代都市の植物から生まれたものなんだよ!!」
「それは知らなかったわ……けど何であなたたちがあの街を復活させたいの?」
「あの“頭の悪い兄貴”は耳を貸さないけど俺たちはあの古代都市の王家の末裔なんだよ!!束椎木兄弟も含めてな!!」
実はこの成分はヒナが見つけた池に沈む古代都市の植物から派生した栄養抜群の繊維の集まりであり、さらに古代都市復活のために備えるものとして必要だと男性は主張しているのである。
「ところで兄ちゃん、お前の言う兄貴って誰だ?」
「あの議員とか抜かしてる野郎だろ(笑)。おれは鷹酉唐伊智(たかとり・とういち)!!この名前で分かるな……」
なんとあの鷹酉とこの男性は兄弟であったのだ。しかし、ヒナはある点から二人の関係を気づいていたという。
「だと思いました。顔が鷹酉さんに似ていましたし、“あのバカ”とか“頭の悪い兄貴”とか対象への怒りの言葉が似ていましたからね。だから何らかの関係だと分かりました。」
「ほお、兄貴に会っていたか。あとな、アホとかバカとかあの野郎は俺にしょっちゅう言ってきやがるんだよ。『古代都市はあるはずない』とか抜かしてな!でもあいつも自分がその末裔と気づいてやがらへんみたいや。お前も末裔なのにバカだなあと心のなかで思っているよ。」
さらに彼は語気を強め始めたのである。二人はそれを聞くしかなかったのであった。
「あー、あー、持ち出したいのか?もしそうなら二人とも生かして帰すことは出来へんな……」
「誰?」
後ろを振り返ると先程の鷹酉と年齢の近そうな男性と少年二人がいたのである。ヒナと直摩は三人に問いかけた。
「あんたら、誰なんだ?俺らの念願にいちゃもんつけるように絡んできやがってよ……何が言いたいんだ?」
「そうよ!あなたたちには関係ないわ!!」
「うるさいっ!!お前らが持っているのはな、何かの成分とか抜かしているけど成分に使わせる気はねえ!!これは古代都市を復活させるためのお供えものだよ!!」
「古代都市?それって私が登った山の池に沈んでいた都市のこと?」
「ああ、そうだ。お前はあの池を見つけたのか?まあそれなら話は早いな。あの都市を復活させるためにこの物体を俺たちは守っている。この物体は古代都市の植物から生まれたものなんだよ!!」
「それは知らなかったわ……けど何であなたたちがあの街を復活させたいの?」
「あの“頭の悪い兄貴”は耳を貸さないけど俺たちはあの古代都市の王家の末裔なんだよ!!束椎木兄弟も含めてな!!」
実はこの成分はヒナが見つけた池に沈む古代都市の植物から派生した栄養抜群の繊維の集まりであり、さらに古代都市復活のために備えるものとして必要だと男性は主張しているのである。
「ところで兄ちゃん、お前の言う兄貴って誰だ?」
「あの議員とか抜かしてる野郎だろ(笑)。おれは鷹酉唐伊智(たかとり・とういち)!!この名前で分かるな……」
なんとあの鷹酉とこの男性は兄弟であったのだ。しかし、ヒナはある点から二人の関係を気づいていたという。
「だと思いました。顔が鷹酉さんに似ていましたし、“あのバカ”とか“頭の悪い兄貴”とか対象への怒りの言葉が似ていましたからね。だから何らかの関係だと分かりました。」
「ほお、兄貴に会っていたか。あとな、アホとかバカとかあの野郎は俺にしょっちゅう言ってきやがるんだよ。『古代都市はあるはずない』とか抜かしてな!でもあいつも自分がその末裔と気づいてやがらへんみたいや。お前も末裔なのにバカだなあと心のなかで思っているよ。」
さらに彼は語気を強め始めたのである。二人はそれを聞くしかなかったのであった。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ワイルド・ソルジャー
アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。
世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。
主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。
旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。
ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。
世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。
他の小説サイトにも投稿しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる