22 / 762
第4章・ドーリンの洞窟と若さの効用のルーツ
となり町の洞窟の秘密と怪しい動き②
しおりを挟む
夜、ヒナは食事を済ませてベッドに入ると頭のなかで明日について色々考えていたのであった。
「明日はとりあえず洞窟をある程度捜索することを考えよう。」
その為には明日は早めに起きて段取りを決めておこうということだ。すぐに眠りについたヒナであったが……
『おーい、ひなりーんっ!!』
『お、お父さん?』
気がつくと小さな草原にいたヒナの目の前にこちらに向かって手を振りながら走るヒナの父親がいたのである。
『元気にしてたか~?』
『元気だよーっ!!わざわざ会いに来てくれたのねっ!!』
父親はヒナの近くに来ると彼女の頭を撫でて少し涙ぐみながら言う。
『俺は、俺は、お前に会えて……お前に会えてな……幸せ……』
『(お父さん……私もよ……!)』
『幸せ……だよ……!!』
しかし抱きつこうとした父親の姿が急に闇の色に染まりだしたのである。気づかないヒナは父親の胸に持たれていた。
『近づくなーっ!!偽物めーっ!!』
ある男性の声がするとヒナの服の襟を引っ張って父親からヒナを遠ざけたのである。聞き覚えのある声だったのでヒナが振り返るとなんと養父の尚徳であった。
『尚徳お父さん!?』
『尚徳だよヒナ!近づくな、こいつは父親じゃないぞ!!』
『じゃあ、このお父さんは一体……?』
ヒナが父親の顔を見ようとすると闇の世界が目の前に広がっていたのである。父親らしき人物の姿はなく世界の終わりのような光景が目の前にあったのだ……
「お父さん!」
気がつけばヒナはベッドの上にいたのである。するとヒナのそばに直露の父親がおり、彼女ににゅうめんを持ってきたのである。
「さっきからずっとうなされていたよ。苦しかったようだね。気持ちを落ちつけれるためににゅうめんを作ってきたから食べなさい。」
「ありがとうございます……起こしてしまってごめんなさい……」
「お父さんに捨てられた子の声を聞くのが悲しかったよ。僕も息子もヒナちゃんの味方だからね!」
にゅうめんをそそるヒナの目には涙が流れていた。
「ありがとうございます……美味しいです。」
「良かった!元気になれたみたいだね!!あと寝る前に冒険のことは考えない方がいい。たぶんそこから考えが脳の中で広がって辛い夢を見たのだと思うよ。」
「はい……何も考えないようにします。」
「起きたらまた考えたらいい。少し不規則な睡眠になってしまったみたいだし明日は手伝わなくてもいいよ。」
「いえ、それは手伝います。ただ飯では申し訳ないです。」
「君に任せるよ!」
直露の父親はヒナのために眠気をこらえて笑顔を絶やさなかった。ヒナは彼に悪いと思いつつもにゅうめんの感動から暖かい気持ちでいたという。支えてくれる周りがいるからこそ頑張りたい、そしてまた養父・尚徳に逢いたいと思うようになった。
翌朝、直露と彼の父親が眠る部屋に誰かが訪れた。
「おはようございます!朝ですよ!」
「ああ、ヒナちゃん!!おはよう……ってもう8時やないかーい!!」
「もう準備は終わりましたよ!昨日は起こしてごめんなさいね!」
「気にすんな。こちらこそ準備を代わりにさせてしまったようで申し訳ない。」
このほのぼのとした朝はヒナにとって毎日の楽しみの出来事であった。そして朝食を済ませたヒナは自室で計画を練っていたのである。
「ドーリンの村から洞窟までは時間はかからないから朝10時に出て、毎日5時間近くは詮索出来るわね。」
ヒナの部屋の扉の隙間から直露が覗いていた。直露はいつものヒナの様子にニッコリしていた。
「明日はとりあえず洞窟をある程度捜索することを考えよう。」
その為には明日は早めに起きて段取りを決めておこうということだ。すぐに眠りについたヒナであったが……
『おーい、ひなりーんっ!!』
『お、お父さん?』
気がつくと小さな草原にいたヒナの目の前にこちらに向かって手を振りながら走るヒナの父親がいたのである。
『元気にしてたか~?』
『元気だよーっ!!わざわざ会いに来てくれたのねっ!!』
父親はヒナの近くに来ると彼女の頭を撫でて少し涙ぐみながら言う。
『俺は、俺は、お前に会えて……お前に会えてな……幸せ……』
『(お父さん……私もよ……!)』
『幸せ……だよ……!!』
しかし抱きつこうとした父親の姿が急に闇の色に染まりだしたのである。気づかないヒナは父親の胸に持たれていた。
『近づくなーっ!!偽物めーっ!!』
ある男性の声がするとヒナの服の襟を引っ張って父親からヒナを遠ざけたのである。聞き覚えのある声だったのでヒナが振り返るとなんと養父の尚徳であった。
『尚徳お父さん!?』
『尚徳だよヒナ!近づくな、こいつは父親じゃないぞ!!』
『じゃあ、このお父さんは一体……?』
ヒナが父親の顔を見ようとすると闇の世界が目の前に広がっていたのである。父親らしき人物の姿はなく世界の終わりのような光景が目の前にあったのだ……
「お父さん!」
気がつけばヒナはベッドの上にいたのである。するとヒナのそばに直露の父親がおり、彼女ににゅうめんを持ってきたのである。
「さっきからずっとうなされていたよ。苦しかったようだね。気持ちを落ちつけれるためににゅうめんを作ってきたから食べなさい。」
「ありがとうございます……起こしてしまってごめんなさい……」
「お父さんに捨てられた子の声を聞くのが悲しかったよ。僕も息子もヒナちゃんの味方だからね!」
にゅうめんをそそるヒナの目には涙が流れていた。
「ありがとうございます……美味しいです。」
「良かった!元気になれたみたいだね!!あと寝る前に冒険のことは考えない方がいい。たぶんそこから考えが脳の中で広がって辛い夢を見たのだと思うよ。」
「はい……何も考えないようにします。」
「起きたらまた考えたらいい。少し不規則な睡眠になってしまったみたいだし明日は手伝わなくてもいいよ。」
「いえ、それは手伝います。ただ飯では申し訳ないです。」
「君に任せるよ!」
直露の父親はヒナのために眠気をこらえて笑顔を絶やさなかった。ヒナは彼に悪いと思いつつもにゅうめんの感動から暖かい気持ちでいたという。支えてくれる周りがいるからこそ頑張りたい、そしてまた養父・尚徳に逢いたいと思うようになった。
翌朝、直露と彼の父親が眠る部屋に誰かが訪れた。
「おはようございます!朝ですよ!」
「ああ、ヒナちゃん!!おはよう……ってもう8時やないかーい!!」
「もう準備は終わりましたよ!昨日は起こしてごめんなさいね!」
「気にすんな。こちらこそ準備を代わりにさせてしまったようで申し訳ない。」
このほのぼのとした朝はヒナにとって毎日の楽しみの出来事であった。そして朝食を済ませたヒナは自室で計画を練っていたのである。
「ドーリンの村から洞窟までは時間はかからないから朝10時に出て、毎日5時間近くは詮索出来るわね。」
ヒナの部屋の扉の隙間から直露が覗いていた。直露はいつものヒナの様子にニッコリしていた。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ワイルド・ソルジャー
アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。
世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。
主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。
旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。
ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。
世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。
他の小説サイトにも投稿しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる