ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第3章・若さを保つ食材

いざ、頂へ④

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しかしよく考えればサングラスの効果は『罠や危険』を示す物であり、食人植物のようなものに効果があるとは聞いていなかった上にその植物が普段から危険な動きをしておらず、敵を待つために大人しくしていることを考えれば危険だと認識できないのだろうなとヒナはそう思っていた。

「もし万が一食べられても小刀があるからすぐに出れるはずだから深く考えたらいけないね」

ヒナはあくまで前向きだった。勿論食べられても……は彼女が小刀を所持していることからの余裕であり、無い人は更なる危険に晒されてしまうということである。

だが山道を歩くと怪物や猛獣や食人植物どころかなにも出てこない。地面が赤く染まる部分も少なく危険が少ないので相変わらずいつも通りに進めるのであった。どうやら山の一部分には台風でいう『目』のような部分があり、危険が少なく安全である。

「この辺ならすぐに通り過ぎれそうだわ!!」

余裕な気持ちを持ったヒナは笑顔で少しダッシュをした。すると目の前を大きな矢が横切って通過したのである。驚いたヒナのサングラスには罠の情報が出ていたのだ。

「え……矢とか普通に飛んでくるの……!?めちゃくちゃ怖いんですけど……!」

矢はさすがに予想していなかった(当然か)だけにさすがのヒナも恐怖心が強くなってきたのである。顔も身体も震えてしまい、生きて帰れるのだろうかという不安で頭がいっぱいになったのである。しかし矢は幸いサングラスで確認が出来るので矢を避けるよう気を付けることは出来るのであった。

「矢は怖いけどまだ分かるからよかった……でもまたイチジクみたいなのに食べられたらどうしよう……」

とにかく進むしかないのだが前向きなヒナのあまりにも後ろ向きな姿勢はいつも以上の恐怖な場所を伺わせる。安全でないのは分かっていてもここまで危険な場所は一度たりとも行ったことがない。

でもやはりヒナは冒険好きである。

「ハラハラドキドキするからこういうスリリングも楽しい!」

若干喋りのトーンが恐怖からか落ちていたが相変わらずの前向きな言葉はいつも通りであった。そしてヒナは一歩一歩前へと進んでいったのである。そして少し時間がたつと再び池を発見した。今度は柵こそなかったが水中都市もなく、普通の池であった。

「さっきの池は一体なんだったのかな……?」

ヒナはそう思いながらも池を覗くと少し身体を曲げすぎたか足をずるっと滑らせて池へと転落したのである。転落してすぐに池から出てきたヒナは大量の水を口から出して身体に染み付いた水を叩いたのである。

しかし池の周りも静寂で何もなく少しうとうと気味だったヒナはいつの間にか軽く仮眠してしまったのである。そして目が覚めたヒナの周りには先程のミニサイズの恐竜のような怪物がたくさん集まってきたのである。

「うわあ、寝てしまった!!」

ヒナは驚くも時すでに遅し。囲まれたヒナに逃げ道はなく、戦うしか選択肢は残されていなかったのである!
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