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第一章・ヒーローに憧れていた男
(5)出世とチャンス
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社長からのお呼びを受けた虎丞は困惑していたのである。
「(うわあ・・・なんか変な失態したんかなあ・・・どーしよう。)」
社長室の扉の前にやって来てトントンとノックをする虎丞。すると中からしっかりした口調で男性が言う。
「竜原くんかね?入りなさい。」
「お・・・お邪魔しますっ!!!」
緊張のためか汗がダラダラの虎丞の視界の先には椅子に座ってこわい表情をして待機していた社長であった。
「竜原君・・・よく来てくれた。」
「は・・・はい・・・」
社長の名は“沖筒舵成”という。すこし視線が虎丞を睨んでいるようだった。
「しゃ・・・社長!!今日はなんの御用事で!?」
「ああ・・・君を次期課長に任命したいという話だ。」
「次期課長にですか・・・ってええーっ!?」
次期課長の話に驚く虎丞だが無理はない。今まで出世すら考えておらず、他にも優秀な上司や同僚がいるのをはねのけて自分が課長になる話に半信半疑になるのも無理はない。
「社長・・・それについてですが・・・」
「条件を出す。すべて君の希望に添えるプランを私が考えてきたからこれでよかったら同意してほしい。この話は誰にも内緒だぞ。」
「は・・・はい・・・」
沖筒は虎丞にプランを書いた用紙を渡すと虎丞の目が輝いたのである。出世だけでなく自分にとってありがたい特典もあるのだからさらに頑張りがいが出る。
「それで・・・次期課長には?」
「もちろん引き受けます!!それまで勉強します!!」
「頼もしいな。そろそろ戻りなさい・・・」
「は、ハイッ!!!」
虎丞は緊張しながら社長室の扉を閉めるとニタ~っとした表情を見せたのであった。右手はガッツポーズであった。
「(うぉっしゃぁ~!!!!こりゃいいぞぉ!!!)」
一方、沖筒はある人物に電話をかけたのであった。
「もしもし、旦那・・・一応上手くいきましたよ。これで彼を何とか出来そうです。」
その頃、虎丞は笑みを浮かべて作業に取り組んだのであった。あまりの機嫌の良さに皆が驚いていた。
「何かあったのか?」
「別に~」
「社長に呼ばれたのは何の話だったん?」
「企業秘密!!」
社長とのやり取りを口に出さない虎丞だったがある人物は彼を見つめていた。
「(あなたに何が出来るかしらね?)」
その人物は鹿文真菜子であった。社長と虎丞のやり取りを把握しているような目付きで彼を睨んでいた。
第5話・終わり
「(うわあ・・・なんか変な失態したんかなあ・・・どーしよう。)」
社長室の扉の前にやって来てトントンとノックをする虎丞。すると中からしっかりした口調で男性が言う。
「竜原くんかね?入りなさい。」
「お・・・お邪魔しますっ!!!」
緊張のためか汗がダラダラの虎丞の視界の先には椅子に座ってこわい表情をして待機していた社長であった。
「竜原君・・・よく来てくれた。」
「は・・・はい・・・」
社長の名は“沖筒舵成”という。すこし視線が虎丞を睨んでいるようだった。
「しゃ・・・社長!!今日はなんの御用事で!?」
「ああ・・・君を次期課長に任命したいという話だ。」
「次期課長にですか・・・ってええーっ!?」
次期課長の話に驚く虎丞だが無理はない。今まで出世すら考えておらず、他にも優秀な上司や同僚がいるのをはねのけて自分が課長になる話に半信半疑になるのも無理はない。
「社長・・・それについてですが・・・」
「条件を出す。すべて君の希望に添えるプランを私が考えてきたからこれでよかったら同意してほしい。この話は誰にも内緒だぞ。」
「は・・・はい・・・」
沖筒は虎丞にプランを書いた用紙を渡すと虎丞の目が輝いたのである。出世だけでなく自分にとってありがたい特典もあるのだからさらに頑張りがいが出る。
「それで・・・次期課長には?」
「もちろん引き受けます!!それまで勉強します!!」
「頼もしいな。そろそろ戻りなさい・・・」
「は、ハイッ!!!」
虎丞は緊張しながら社長室の扉を閉めるとニタ~っとした表情を見せたのであった。右手はガッツポーズであった。
「(うぉっしゃぁ~!!!!こりゃいいぞぉ!!!)」
一方、沖筒はある人物に電話をかけたのであった。
「もしもし、旦那・・・一応上手くいきましたよ。これで彼を何とか出来そうです。」
その頃、虎丞は笑みを浮かべて作業に取り組んだのであった。あまりの機嫌の良さに皆が驚いていた。
「何かあったのか?」
「別に~」
「社長に呼ばれたのは何の話だったん?」
「企業秘密!!」
社長とのやり取りを口に出さない虎丞だったがある人物は彼を見つめていた。
「(あなたに何が出来るかしらね?)」
その人物は鹿文真菜子であった。社長と虎丞のやり取りを把握しているような目付きで彼を睨んでいた。
第5話・終わり
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