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9(ナテュール視点)
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俺とロイが出会ったのはお互いが11歳の時だ。
かれこれ4年の付き合いになるというのに、俺は、一体何を見ていたのだろう。
オリバー・ジャクソンが言っていた「あまりにも周りを知らなすぎて」という言葉の意味が、今になってわかった気がする。
俺は、家庭教師が着いたことに「こいつはどこの派閥の回し者だろう」なんて思ってはいても、家庭教師が着いたこと自体には疑問を思っていなかったし、食事に困ることだってなかった。
まさか、ロイが虫や草を食べていたなんて知らなかったし、神殿が見習いにそんな質素な食事を取らせていたことなんて知らなかった。大抵の神官はいい食事をたらふく食べて腹が出ている姿が多いし、国教に食事に関する規定はない。暗殺が差し向けられていたことも、俺は欠片も気づいていなかった。
それに、ロイの口ぶりからして、宮内での食事は途中からロイが作っている可能性もある。
側室達の嫌がらせで作られなくなったのか。それとも何らかの危険を警戒して、ロイが自ら作るようになったのかは定かでは無い。
どちらにせよ、ロイは俺のためにずっと働いていたことに変わりはない。
ただ、神殿から来たから。怪しいから。胡散臭いから。
それだけで、俺はロイ自身を見ていなかった。
「ロイ。」
「はい、ナテュール様。如何なさいました?」
「すまなかった。」
「エッッッッ!?」
軽く頭を下げれば、ロイから裏返った声が返ってくる。困惑し手をワタワタと動かしながら「そそそそそそんなナテュール様っ頭をお上げくださいッ!」と最終的には俺の周りをウロウロし始めるロイ。
「俺は……お前がしてくれた事も見えていなかった。これからは負担とかそういう事は気にしなくていいから、ちゃんと報告、連絡、相談。この報連相守れよ。」
頭を上げ、ロイの目を真っ直ぐ見てそう告げる。ちゃんと、これからはロイと向き合おう。たった一人の、俺の従者なのだから。
「承知致しました!ではたった今不審者が学園内に侵入いたしましたので捕縛して参りますね!」
「は???」
輝くばかりの笑顔でそう言うや否や窓の桟に足をかけ、ロイはサッと飛び降りてしまった。
「は!?飛び降りた!!?」
慌てて窓に駆け寄るも、すでに日は落ち夜が更ける頃。下は暗くて何も見えない。オリバーも頭を抱えて「ここ5階だぞ!?何考えてるんだ!?」と叫んだ。
一方ルーカスは、
「うーん、グシャッとかドンッて地面と衝突した音しないから大丈夫なんじゃないかなぁ。」
と、変わらぬ声色で告げてきた。あまりにもケロッとしているので、まさか下町には飛び降りが横行しているのか、と思わずオリバーの方を見れば、オリバーはちぎれんばかりに頭を横に振っていた。流石に下町あるあるではないらしい。
「ま、戻ってくるまで待っていようよ。」
「あ、ああ……そうだな……」
ルーカスがあまりにも平然としているので、戸惑いつつも、頭は冷静さを取り戻しつつある。
差し向けられた暗殺者達をひっそりと対処し続けた程の実力者だ。5階から飛び降りて着地するなど、さして難しいことでは無いのだろう。多分。
俺は絶対無理だけど。
「あ、そうだ、オリバー。俺とロイの問題に巻き込んですまなかった。」
そう言って軽く頭を下げる。魔法具の設置依頼など、今回の件では大分迷惑を掛けてしまった。
「え!?いえ!そんな……!……まあ、俺もロイには報われて欲しかったんで……」
と、ロイと同じようにワタワタと慌て出すオリバー。
そんなオリバーへ視線を真っ直ぐ向け、
「……本当に感謝する。君の言う通り、俺は周りがちゃんと見えていなかったようだ。」
そう言葉を紡げば、オリバーはどこか気恥ずかしそうに、頬をかいた。
「平民が生意気言いますけど、まじロイの事ちゃんと見てやって下さい。あいつ、いつ寝てんだって言うくらいナテュール様のためにあちこち動き回ってるんで。確かに見た目はすごく胡散臭いんすけど。」
「……ああ、ちゃんとロイと向き合うよ。容姿は胡散臭いが。」
「どうしてあんなに胡散臭いんだろうねぇ。」
ルーカスの最後のその言葉にオリバーと2人で「ほんとにな……」とため息をつく。
俺の事を慕っていると本心から言っているのだろうが、何故か胡散臭くなるのがロイマジックだ。不思議すぎる。
そんなロイが、侵入者を捕縛して連れてきたのはおよそ5分後の事だった。
****
オマケ
登場人物一覧(読み飛ばしても問題ないです。)
次のキリいいところで1話にするつもりがあまりに字数が多くて読むのだるくなりそうだったので、今回は短めにして人物設定を載せておきます。
メインが出揃って、ある程度話が進んだのでそのまとめです。
・ロイ・プリースト
……第7王子ナテュールの従者。表情や仕草、声の抑揚などの全てが胡散臭い少年。殺人事件が起きれば真っ先に疑われる圧倒的ラスボス感。言動の全てに含みがあると捉えられ、挙句深読みされる。そこまで考えてこいつは喋っていない。やる事なす事全部悪い方に勘違いされる不憫枠。不憫さはここからが本番な所ある。
元々は孤児で神殿に拾われた。9歳の頃にナテュールに一目惚れ()し永遠の忠誠を誓う。神殿の弱みを握ったり学園の担任の弱みを握ったりと、割と暗躍している。
ちなみにナテュールに対して恋愛感情はない。あくまで敬愛と親愛。ただ一種の信仰じみた愛も混ざっているのでナテュールに求められたら嬉々揚々と尻を差し出しそう。怖い。
・ナテュール
……皇族のメンバーなので家名は無いという設定。母親の事や、周りからの侮蔑で心がすさみ、ひねくれているので余計にロイを嫌っていた。
今後はロイが怪しいラスボスムーブを学園でしていても「こいつ……こんな胡散臭いのに俺の事大好きなんだよなぁ……」という謎の後方主人面していく。
環境はあれだが、生粋の皇族なので、食堂で平民が「何か無礼をしたら殺されるのでは」と怯えていたその気持ちは理解できない。君の一言で平民の首は簡単に飛ぶぞ。無意識に高慢な部分がある。ロイからするとそこも推せるポイントらしい。
・オリバー・ジャクソン
……頑張れツッコミ役。ロイと同室になってしまったばかりに色々と巻き込まれることが確定したただの平民ボーイ。成績は中の上。慣れない人には猫かぶるが慣れてくるとロイに対してのような軽い暴言や乱雑な物言いになってくる。ロイの努力や勘違いのされ方を知っているので報われて欲しいと思う反面、ナテュールに対して「なんで気づかないんだよ!」という怒りもある。良い子。
・ルーカス・エドワーズ公爵子息
少し前まで下町で普通の平民していたのに、正妻の子息が熱病で急死したことにより、突然跡取りとして連れてこられた。母親は離れを与えられ、一応同じ敷地内に暮らしている。
社交界からも私生児と蔑まれ外れ者だったため、ナテュールとすぐに打ち解けた。平凡枠としての登場だったが、このまま行くと狂人枠になりそうで作者が震えている。
かれこれ4年の付き合いになるというのに、俺は、一体何を見ていたのだろう。
オリバー・ジャクソンが言っていた「あまりにも周りを知らなすぎて」という言葉の意味が、今になってわかった気がする。
俺は、家庭教師が着いたことに「こいつはどこの派閥の回し者だろう」なんて思ってはいても、家庭教師が着いたこと自体には疑問を思っていなかったし、食事に困ることだってなかった。
まさか、ロイが虫や草を食べていたなんて知らなかったし、神殿が見習いにそんな質素な食事を取らせていたことなんて知らなかった。大抵の神官はいい食事をたらふく食べて腹が出ている姿が多いし、国教に食事に関する規定はない。暗殺が差し向けられていたことも、俺は欠片も気づいていなかった。
それに、ロイの口ぶりからして、宮内での食事は途中からロイが作っている可能性もある。
側室達の嫌がらせで作られなくなったのか。それとも何らかの危険を警戒して、ロイが自ら作るようになったのかは定かでは無い。
どちらにせよ、ロイは俺のためにずっと働いていたことに変わりはない。
ただ、神殿から来たから。怪しいから。胡散臭いから。
それだけで、俺はロイ自身を見ていなかった。
「ロイ。」
「はい、ナテュール様。如何なさいました?」
「すまなかった。」
「エッッッッ!?」
軽く頭を下げれば、ロイから裏返った声が返ってくる。困惑し手をワタワタと動かしながら「そそそそそそんなナテュール様っ頭をお上げくださいッ!」と最終的には俺の周りをウロウロし始めるロイ。
「俺は……お前がしてくれた事も見えていなかった。これからは負担とかそういう事は気にしなくていいから、ちゃんと報告、連絡、相談。この報連相守れよ。」
頭を上げ、ロイの目を真っ直ぐ見てそう告げる。ちゃんと、これからはロイと向き合おう。たった一人の、俺の従者なのだから。
「承知致しました!ではたった今不審者が学園内に侵入いたしましたので捕縛して参りますね!」
「は???」
輝くばかりの笑顔でそう言うや否や窓の桟に足をかけ、ロイはサッと飛び降りてしまった。
「は!?飛び降りた!!?」
慌てて窓に駆け寄るも、すでに日は落ち夜が更ける頃。下は暗くて何も見えない。オリバーも頭を抱えて「ここ5階だぞ!?何考えてるんだ!?」と叫んだ。
一方ルーカスは、
「うーん、グシャッとかドンッて地面と衝突した音しないから大丈夫なんじゃないかなぁ。」
と、変わらぬ声色で告げてきた。あまりにもケロッとしているので、まさか下町には飛び降りが横行しているのか、と思わずオリバーの方を見れば、オリバーはちぎれんばかりに頭を横に振っていた。流石に下町あるあるではないらしい。
「ま、戻ってくるまで待っていようよ。」
「あ、ああ……そうだな……」
ルーカスがあまりにも平然としているので、戸惑いつつも、頭は冷静さを取り戻しつつある。
差し向けられた暗殺者達をひっそりと対処し続けた程の実力者だ。5階から飛び降りて着地するなど、さして難しいことでは無いのだろう。多分。
俺は絶対無理だけど。
「あ、そうだ、オリバー。俺とロイの問題に巻き込んですまなかった。」
そう言って軽く頭を下げる。魔法具の設置依頼など、今回の件では大分迷惑を掛けてしまった。
「え!?いえ!そんな……!……まあ、俺もロイには報われて欲しかったんで……」
と、ロイと同じようにワタワタと慌て出すオリバー。
そんなオリバーへ視線を真っ直ぐ向け、
「……本当に感謝する。君の言う通り、俺は周りがちゃんと見えていなかったようだ。」
そう言葉を紡げば、オリバーはどこか気恥ずかしそうに、頬をかいた。
「平民が生意気言いますけど、まじロイの事ちゃんと見てやって下さい。あいつ、いつ寝てんだって言うくらいナテュール様のためにあちこち動き回ってるんで。確かに見た目はすごく胡散臭いんすけど。」
「……ああ、ちゃんとロイと向き合うよ。容姿は胡散臭いが。」
「どうしてあんなに胡散臭いんだろうねぇ。」
ルーカスの最後のその言葉にオリバーと2人で「ほんとにな……」とため息をつく。
俺の事を慕っていると本心から言っているのだろうが、何故か胡散臭くなるのがロイマジックだ。不思議すぎる。
そんなロイが、侵入者を捕縛して連れてきたのはおよそ5分後の事だった。
****
オマケ
登場人物一覧(読み飛ばしても問題ないです。)
次のキリいいところで1話にするつもりがあまりに字数が多くて読むのだるくなりそうだったので、今回は短めにして人物設定を載せておきます。
メインが出揃って、ある程度話が進んだのでそのまとめです。
・ロイ・プリースト
……第7王子ナテュールの従者。表情や仕草、声の抑揚などの全てが胡散臭い少年。殺人事件が起きれば真っ先に疑われる圧倒的ラスボス感。言動の全てに含みがあると捉えられ、挙句深読みされる。そこまで考えてこいつは喋っていない。やる事なす事全部悪い方に勘違いされる不憫枠。不憫さはここからが本番な所ある。
元々は孤児で神殿に拾われた。9歳の頃にナテュールに一目惚れ()し永遠の忠誠を誓う。神殿の弱みを握ったり学園の担任の弱みを握ったりと、割と暗躍している。
ちなみにナテュールに対して恋愛感情はない。あくまで敬愛と親愛。ただ一種の信仰じみた愛も混ざっているのでナテュールに求められたら嬉々揚々と尻を差し出しそう。怖い。
・ナテュール
……皇族のメンバーなので家名は無いという設定。母親の事や、周りからの侮蔑で心がすさみ、ひねくれているので余計にロイを嫌っていた。
今後はロイが怪しいラスボスムーブを学園でしていても「こいつ……こんな胡散臭いのに俺の事大好きなんだよなぁ……」という謎の後方主人面していく。
環境はあれだが、生粋の皇族なので、食堂で平民が「何か無礼をしたら殺されるのでは」と怯えていたその気持ちは理解できない。君の一言で平民の首は簡単に飛ぶぞ。無意識に高慢な部分がある。ロイからするとそこも推せるポイントらしい。
・オリバー・ジャクソン
……頑張れツッコミ役。ロイと同室になってしまったばかりに色々と巻き込まれることが確定したただの平民ボーイ。成績は中の上。慣れない人には猫かぶるが慣れてくるとロイに対してのような軽い暴言や乱雑な物言いになってくる。ロイの努力や勘違いのされ方を知っているので報われて欲しいと思う反面、ナテュールに対して「なんで気づかないんだよ!」という怒りもある。良い子。
・ルーカス・エドワーズ公爵子息
少し前まで下町で普通の平民していたのに、正妻の子息が熱病で急死したことにより、突然跡取りとして連れてこられた。母親は離れを与えられ、一応同じ敷地内に暮らしている。
社交界からも私生児と蔑まれ外れ者だったため、ナテュールとすぐに打ち解けた。平凡枠としての登場だったが、このまま行くと狂人枠になりそうで作者が震えている。
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