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騎士隊長と黒髪の青年
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莉人の腕を掴む指に、無意識に力が入っていた。
リディオを庇って話す莉人を見た瞬間、アシュレイは苛立ちを感じていた。
しかも性的嫌がらせ?
セクハラとか言ったか?
それは一体どういったものだ····
莉人の部屋に着くなり、扉を開けると乱暴に莉人を部屋の中へと引き入れた。
邪魔が入らぬよう、部屋の鍵をかける。
鍵の金属音がやけに大きく感じた。
「何があったか説明してもらおうか」
「····だから、リディオが同期の奴に言いがかりつけられてたんだよ、隊長と躰の関係があるって勘ぐられて·····」
「それで?」
続きを促すと、莉人は溜息混じりに前髪をクシャリと掻き上げる。
「あ──·····ちょと挑発?みたいな····唇と舌使って·····」
莉人の言葉にアシュレイは怒りで加減をする事も忘れ、力まかせに莉人の躰を部屋の壁に押し付けていた。
「─── 痛っ!!」
背中を打ち付けた痛みに莉人の顔が苦痛に歪む。
「お前は自分が他の奴らからどう見られているか知っているのか。刺激するような真似はやめろ」
莉人はクッと喉を鳴らし笑うと、切れ長の黒い瞳をアシュレイに向けた。
「知ってるよ·····俺はそういう目でよく見られていたからな」
自嘲気味に笑う表情は誘うようにも見える。
─── そういう目で見られていたからな
知っているよ ───
「知っている····それは男をか?」
アシュレイの問いかけに何かを言おうと口を開いた莉人の唇を言葉を紡ぐ前に塞いだ。
自分が聞いた癖に、その答えは聞きたくなかった。
─── これは嫉妬だ
舌を莉人の口腔内に割り込ませ、逃げる舌に絡ませる。
時折洩れる呼吸ごと吸い上げ、深く口腔を犯し続けた。
「······んっ·····」
押し退けようと踠く莉人の躰を自分の躰で壁に押さえつけ、逃れられないよう追い詰める。
何度も甘い唇を味わううちに、アシュレイの腕を力いっぱい掴んでいた莉人の指から力が抜けていく。
ようやくアシュレイは莉人の唇から離れた。
「はっ·····ぁっ·······」
開放された莉人は苦しそうに息を吸う。
涙の滲んだ瞳がアシュレイを睨めつける。口づけで甘美に溺れた瞳は妖艶な光を放っていた。
あの日 ───
リヒトと出会ったあの時から俺は
この漆黒の瞳に囚われていたのかもしれない
アシュレイは目にかかる髪を指で掬い、横へと流す。そのまま指は莉人の頬に触れた。
「リヒト······お前が何人男を知っていようと構わない。今から俺以外、考えられなくしてやる·····」
「ちょっ····ちょっと待っ······」
再び唇で塞ぎ、莉人の脚の間に自分の太腿を入り込ませ押し付けながら撫で上げる。
「んんっ······」
びくっと躰を震わせ、唇を塞がれたまま甘い声が洩れる。
その声を聞きながらアシュレイは莉人の隊服の詰襟のホックを外し、脱がしていく。
バサッと重たい音をたて肩から床に滑り落ちた。
「ふっ····っ········』
半身を擦る刺激に感じているのか、身を捩らせ逃れようとしていた莉人の躰はアシュレイに身を委ねるように大人しくなっていた。
アシュレイは莉人の躰を軽々と抱きかかえ、ベッドへと運んだ。
ベッドの上に莉人を寝かせると、彼が起き上がってしまう前に、覆いかぶさるように体重をかけ、動きを封じる。
「アシュレ······話しを······ッっ」
首筋に舌を這わせ、きつく吸うと莉人は言いかけた言葉を飲み込んだ。
シャツのボタンを片手で器用に外し、胸をはだけさす。外気に晒された2つの突起がぷくりと硬く姿を現した。
片方を唇で触れ、もう片方は掌で撫でたり指で摘みながら刺激していく。
「やめ·····ろ····」
莉人の口から弱々しく抗いの言葉が洩れる。
だが、アシュレイは聞こえないとばかりに舌を這わせ、時折強く吸い上げた。
「····はぁっ·······んぅ····」
与えられる快楽に耐えるように声を殺しているが、莉人の半身は熱を帯び硬く形を変えていた。
イきそうになるのを必死に堪えているのか、アシュレイを押し退けようとしていた手は腕の辺りを掴み、時折、力が込められる。
「ここを弄られらるだけでイきそうだな····」
耳元に唇を寄せ囁くと、莉人は羞恥に震えた。
「····っあ······」
指で弾き強くキュっと摘むと、莉人は堪らずアシュレイの服にしがみつき、小さく戦慄いた。
「·····誰にそこまでの躰にしてもらったんだ?妬けるな···」
下着の中で果てた莉人は、悔しそうにアシュレイを睨む。
「クソっ·····もういいだろ!」
莉人は退けよ、と言わんばかりにアシュレイの胸の辺りを押し上げた。
躰を起こしたアシュレイは隊服の上着を脱ぎ捨てると、
「何を言っている。まだこれからだろ?」
「えっ······」
不安な表情を浮かべる莉人にアシュレイは薄っすら笑みを浮べた。
リディオを庇って話す莉人を見た瞬間、アシュレイは苛立ちを感じていた。
しかも性的嫌がらせ?
セクハラとか言ったか?
それは一体どういったものだ····
莉人の部屋に着くなり、扉を開けると乱暴に莉人を部屋の中へと引き入れた。
邪魔が入らぬよう、部屋の鍵をかける。
鍵の金属音がやけに大きく感じた。
「何があったか説明してもらおうか」
「····だから、リディオが同期の奴に言いがかりつけられてたんだよ、隊長と躰の関係があるって勘ぐられて·····」
「それで?」
続きを促すと、莉人は溜息混じりに前髪をクシャリと掻き上げる。
「あ──·····ちょと挑発?みたいな····唇と舌使って·····」
莉人の言葉にアシュレイは怒りで加減をする事も忘れ、力まかせに莉人の躰を部屋の壁に押し付けていた。
「─── 痛っ!!」
背中を打ち付けた痛みに莉人の顔が苦痛に歪む。
「お前は自分が他の奴らからどう見られているか知っているのか。刺激するような真似はやめろ」
莉人はクッと喉を鳴らし笑うと、切れ長の黒い瞳をアシュレイに向けた。
「知ってるよ·····俺はそういう目でよく見られていたからな」
自嘲気味に笑う表情は誘うようにも見える。
─── そういう目で見られていたからな
知っているよ ───
「知っている····それは男をか?」
アシュレイの問いかけに何かを言おうと口を開いた莉人の唇を言葉を紡ぐ前に塞いだ。
自分が聞いた癖に、その答えは聞きたくなかった。
─── これは嫉妬だ
舌を莉人の口腔内に割り込ませ、逃げる舌に絡ませる。
時折洩れる呼吸ごと吸い上げ、深く口腔を犯し続けた。
「······んっ·····」
押し退けようと踠く莉人の躰を自分の躰で壁に押さえつけ、逃れられないよう追い詰める。
何度も甘い唇を味わううちに、アシュレイの腕を力いっぱい掴んでいた莉人の指から力が抜けていく。
ようやくアシュレイは莉人の唇から離れた。
「はっ·····ぁっ·······」
開放された莉人は苦しそうに息を吸う。
涙の滲んだ瞳がアシュレイを睨めつける。口づけで甘美に溺れた瞳は妖艶な光を放っていた。
あの日 ───
リヒトと出会ったあの時から俺は
この漆黒の瞳に囚われていたのかもしれない
アシュレイは目にかかる髪を指で掬い、横へと流す。そのまま指は莉人の頬に触れた。
「リヒト······お前が何人男を知っていようと構わない。今から俺以外、考えられなくしてやる·····」
「ちょっ····ちょっと待っ······」
再び唇で塞ぎ、莉人の脚の間に自分の太腿を入り込ませ押し付けながら撫で上げる。
「んんっ······」
びくっと躰を震わせ、唇を塞がれたまま甘い声が洩れる。
その声を聞きながらアシュレイは莉人の隊服の詰襟のホックを外し、脱がしていく。
バサッと重たい音をたて肩から床に滑り落ちた。
「ふっ····っ········』
半身を擦る刺激に感じているのか、身を捩らせ逃れようとしていた莉人の躰はアシュレイに身を委ねるように大人しくなっていた。
アシュレイは莉人の躰を軽々と抱きかかえ、ベッドへと運んだ。
ベッドの上に莉人を寝かせると、彼が起き上がってしまう前に、覆いかぶさるように体重をかけ、動きを封じる。
「アシュレ······話しを······ッっ」
首筋に舌を這わせ、きつく吸うと莉人は言いかけた言葉を飲み込んだ。
シャツのボタンを片手で器用に外し、胸をはだけさす。外気に晒された2つの突起がぷくりと硬く姿を現した。
片方を唇で触れ、もう片方は掌で撫でたり指で摘みながら刺激していく。
「やめ·····ろ····」
莉人の口から弱々しく抗いの言葉が洩れる。
だが、アシュレイは聞こえないとばかりに舌を這わせ、時折強く吸い上げた。
「····はぁっ·······んぅ····」
与えられる快楽に耐えるように声を殺しているが、莉人の半身は熱を帯び硬く形を変えていた。
イきそうになるのを必死に堪えているのか、アシュレイを押し退けようとしていた手は腕の辺りを掴み、時折、力が込められる。
「ここを弄られらるだけでイきそうだな····」
耳元に唇を寄せ囁くと、莉人は羞恥に震えた。
「····っあ······」
指で弾き強くキュっと摘むと、莉人は堪らずアシュレイの服にしがみつき、小さく戦慄いた。
「·····誰にそこまでの躰にしてもらったんだ?妬けるな···」
下着の中で果てた莉人は、悔しそうにアシュレイを睨む。
「クソっ·····もういいだろ!」
莉人は退けよ、と言わんばかりにアシュレイの胸の辺りを押し上げた。
躰を起こしたアシュレイは隊服の上着を脱ぎ捨てると、
「何を言っている。まだこれからだろ?」
「えっ······」
不安な表情を浮かべる莉人にアシュレイは薄っすら笑みを浮べた。
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