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部屋に戻り、侍従の人と荷作りをしていると、ライが部屋に来た。
「荷作りは終わった?」
「うん。」
「そうか。」

そうライは言ったっきり、立ち尽くしていたから、どうしたのか聞こうとしたら、僕の手をライは、両手で握りしめてきた。
しかも、僕の前に片ひざをついて、僕を見上げる。

「ど、どうしたの?ライ?」
あまりにビックリして、僕は狼狽えてしまう。

「ルー。俺は、ルーの事が好きだ。愛してる。ずっと伝えたかったんだ。誰よりも愛しくて、好きで好きでたまらないんだ。ルー?俺の気持ちに答えてくれないだろうか?」

はっ?えっ?何?
・・・ライが僕の事好き?
愛してる・・・って。
う、嘘!!
本当に?
こんな事って・・・・
待って、確かにライには大事にしてもらってる自覚はある。
だけど・・・
いいの?
僕で。

「あ、あの、ライ?本当に?」

「あぁ、真面目にルーの事が好きだ。」

ライの真剣な顔。
ちゃんと答えないと、いけないよね。
僕の本当の気持ちを伝えよう。

「ありがとう、ライ。凄く凄く嬉しい。僕も、ライの事・・・好き。大好き。でもね、ライは王族だよ?ちゃんとした人と一緒になるべきだと思う。」
「ルー。俺の事好き?」
「うん。誰よりも大好き。僕はライ以外好きになる事はないよ。」
「俺もだ。ルー以外誰も好きになれない多分、ルーに振られると、俺は一生独身だ」
「だ、ダメだよ!ちゃんと結婚して、子供も作らないと!」
「いらない。俺は、ルー以外いらない。」
「~っ!もう!どうして?」
「ルーとしか、俺は幸せになれない。だから、ルー。俺と一緒になろう。」

知らず僕の目から涙が頬を伝っていた。
こんなにライに想われて、嬉しくて嬉しくて、胸が熱くなる。

ライは、僕の目尻の涙をそっと親指で払うと、
「泣かないで。」
そう言ってるライだって、泣きそうな顔になってる。
ふふっ、僕達、両思いだったんだね。

立ち上がるライに、僕は抱き付く。
ライも、強く抱きしめてくれた。

やっぱりライの腕の中は、安心するし暖かい。
ずっとこうしていたいな。
僕がうっとりしてると、ライの腕の力が弱まり、顔を上げると、唇にライの唇が重なり、それが当然のように受け入れたんだ。

初めてのキスは、夢のような時だった。
ライの唇が離れていくのが、寂しくて何度も重ねてしまう。
ライもそうなのかな?
嬉しい。
・・・好き・・大好き・・・
気持ちが溢れて止まらない。

そんな僕をライは、強く抱きしめてくれた

あまりの嬉しさに、クラクラした僕をライは、そのまま抱き上げて、ソファに僕を膝の上に乗せて座った。

「ルー、返事は?」
「ん、ライ。ライの側にずっといてもいいの?許されの?」
「あぁ、ずっと俺の側にいてくれ。」
「うん。ライ。大好き。愛してます。」
「ルー。愛してる。」

その言葉を最後に、僕はライの腕の中で眠りに落ちた。



翌朝

しっかりベッドで寝ていた僕は、ライに抱きしめられて寝ていたみたい。
モゾモゾと、顔を上げると
「おはよう。ルー。」
朝から眩しいくらいの笑顔のライが、僕を見て嬉しそうな顔してる。
「おはよう。ライ。」
そう返すと、ライは僕に軽くキスをして、
「起きれる?朝食にしよう。」
「うん。」
2人でベッドから出て、朝食を取る為に準備を始めた。

今日は、国に帰る前に皇帝に挨拶をするんだけど、やっぱりちょっと緊張する。
でも、ライがしっかり僕の手を繋いでくれるから、安心して皇帝に会う事が出来た。

ライは、挨拶もそこそこに、僕を紹介してくれた。
皇帝の他、皇妃様、皇子様も一緒だ。
皇妃様は、凄く綺麗で笑顔が優しい方で、僕にも気さくに話しかけてくれる。
そして、皇子様。
男の子2人。
可愛い!
ユーリとヴァンを思い出す。
同じ歳くらいかな?
何歳?って聞くと、「5歳だ!」下の子は指を3本立てる。
同じ歳だね。
名前は?
「教えない」
と、あらら~ふふっ可愛いな。
そっかそっか。
言いたくない事もあるよね。
僕がニコニコしてるのが、気に入らないみたいだね。
凄く不機嫌な顔になってる。
さて、さて、どうしよっかな?

あ、皇妃様がオロオロしてる。
「大丈夫ですよ。」
そう返すと、陛下が
「ヤンチャでな。ちっとも言う事を聞かないんだ。あー困った困った。」
あ、これ試されてる?
まぁ、ヤンチャなのは本当だろうな。
「それが、子供なんですよ。私だって、初めて会う人に名前は教えたくない時だってありますよ?大人だって、そう言う事もあります。だから、ちっとも困らないですよ?」
「ね?」
と、上のお兄ちゃんに聞くと、さっきの不機嫌な顔からポカンとした表情になっている。
僕は、上のお兄ちゃんの目線まで下がり目を合わせて
「私は、ルーカス・ナーヴァスです。お友達になってくれたら嬉しいな?」
皇子様には失礼かもしれないけど、今は正式な場所ではないから、大丈夫だよね。
笑顔でそう言うと、キリッとした顔で
「私は、キーファス・カンダスだ。こちらは、弟の、ミリアン・カンダスだ。」
あっさり名前を教えてくれた。
ふふっ可愛い!
「ありがとう。名前を教えてくれて。会えて嬉しかったです。また、会える日を楽しみにしてますね。」
「えっ?もう帰るの?」
「はい。でも、またこちらに来る事になりました。医師になる為にこちらの学校に通うんです。いつか、私が立派な医師になれたら、褒めて下さいね。」
「わ、わかった。褒めてやる。だから、頑張れ。」
「ありがとうございます。」

2人で握手をすると、弟くんもとてとて歩いて来て、ペチャと手を置いた。

もう!それが可愛くて、皆を笑顔にしたのだった。




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