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緊張した試験も無事終わり、後は結果を待つだけとなった。
合否が判り次第、国に帰る。
テストの方は問題なく出来たと思う。
面接の方は、かなり緊張したけど、上手く受け答え出来た。
だから、信じて待とう。
他の3人も、大丈夫そうで皆で合格出来るといいな。
だけど・・・・
あれはどう言う事なのかな?
試験会場で、3人が僕の周りをがっちりと固めているから、
「どうしたの?」
そう聞いたら、
「あー無自覚か・・・」
「だな。」
「・・・殿下も、大変だ・・・」
何?最後のは、意味がわからない。
僕が、子供っぽいからかな?
少しは、成長したと思うんだけど、まだまだみたい。
でもさ、周りを見ると僕みたいな人もいるよ?
あっ!あの時と一緒だ。
夜会の時と。
兄様や、両親が僕の周りを囲ってた。
なんなんだろう?
試験が終わったら聞いてみよう。
そう思っていたんだけど、試験が終わったらライが迎えに来てくれたから、聞けずじまいだった。
ま、いっか。いつか、聞いてみよう。
一方で、他の受験者の3人は・・・
「なぁ、あれどう思う?」
「ルーカス君?」
「あぁ、あんな無自覚だと思わなかった」
「だな。自分が超絶顔が整ってるって、自覚なさそうだな。」
「凄く可愛いよね。ルーカス君。殿下が心配する訳だね。」
「「それ!」」
「ルーカス君は、殿下の気持ち知ってるのか?」
「いや、あれはわかってないだろ?」
「そうだろうね。でも、殿下のルーカス君を見る目は、やっぱりそうだよね。」
「間違いないな。」
「そうだな。けど、殿下はルーカス君をどうするつもりなんだろうな。」
「そうだよね。試験が受かれば、こちらの学校に来る事になるよね?」
「こっちで、ルーカス君にいい人が出来たら、な?」
「大変だ!」
「いや、けど学校に入ればそれどころじゃないくらい勉強大変だと聞いたぞ。」
「「あぁー」」
「まぁ、俺たちだけでも、ルーカス君に変な虫がつかないように、見ててやろう。」
「そうだね。僕も気をつけて見るよ。」
「あぁ、俺も。」
ここに、ルーカスを守る隊が発足したのであった。
そんなやり取りがあった事なんて知らないルーカスは、のほほんとライと楽しく街に繰り出し、家族や皆のお土産選びに夢中になっていた。
お土産を選んで、ライとお茶をしながら、楽しく話をしてると、
「ルー。国に帰る前に、こちらの皇帝に会って帰ろうか。」
「えっ?僕が?」
「あぁ、緊張する事ないぞ。俺の友人だから、ルーを紹介するだけだから。そうそう子供もいるから、まぁ皇子だけどな。」
「うーん。緊張するけど、挨拶出来るなら、させて頂きたいな。」
「よし、今日の午後には合否が分かるよなぁ。だとしたら、明日の朝にしようか。連絡しておくよ。」
「わかった。それが終わったら国に帰れるように準備しなくちゃ。あっ!ライ。試験の結果が、受かってても、落ちていてもアンナ先生には、お礼を言いたいから、後で連れて行って貰ってもいいかな?」
「・・・一緒に行く?」
「いや?」
「い、嫌な事はないけど、俺も一緒に行っていいのか?」
「一緒に行こう?先生には、本当にお世話になったから。あのね・・・・・」
僕は、先生との話をライに話をした。
僕が、先生の弟さんに似てる事や、僕が医師になるきっかけをくれた事。
などなど。
ライは、黙って聞いてくれた。
僕が話終わると、
「そうだったんだな。なぁ、ルー。ルーはその先生の事が好きなのか?」
「はっ?」
「いや、恋愛的な意味で好きなのかと。」
「えっ、えーーー!ない!ないから!先生は、確かに尊敬するし、人として素晴らしい人だと思うけど!それはないよ・・・」
「そうか。良かった。」
「ん?ライ?何が良かったの?」
「~っ、あ、い、いや、んんっ!ルー。俺は・・・ルーに言いたい事があるんだ。」
「何?」
「後で、話す。ルーの試験の結果が出たら俺に時間をくれ。」
「うん?いいよ。今でもいいのに。」
「いや、後でな。」
「わかった。後でね。」
なんだか、モヤモヤした気持ちで試験会場まで、向かう事にした。
そして、合格者が張り出された。
自分の番号を探す。
あ、あった!
良かった。ホッとしてると、ライが僕の顔を見るなり
「合格おめでとう。」
僕の大好きな笑顔で、軽く抱きしめてくれた。
嬉しくて、そっとライの背中に腕を回す。
ライの腕の中で
「ありがとう。ライ。嬉しいよ。」
ライは、優しく僕の背中をポンポンと、叩く。
なんて安心する場所なんだろう。
暖かくて、気持ちいい。
ずっとこうしていれたらいいのに・・・・
ゆっくり離れていくのが、寂しい。
ライから離れて周りを見ると、他の3人も受かってるみたい。
良かった。
ライからも、おめでとうって言われて嬉しそうだ。
これから、アンナ先生の所へ報告と、お礼を言いに行かないと。
ライと、2人でアンナ先生の所へ向かう。
先生は、笑顔でおめでとう!と、喜んでくれた。
けど、これからが大変よ。
と、しっかり釘を刺されました。
頑張ります!
これからも、よろしくお願いします!
そう挨拶をして、その場を後にした。
これから、ライと話をするんだけど、僕の心は不安でしかなかった。
何を言われるのか。
怖くて仕方なかったんだ。
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