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僕の試験までの毎日は、勉強をし医師棟に通い、たまに城下の診療所や孤児院に行きかなり、体力的にも不安が無くなって来たと思う。
少し疲れたな。って思うくらいで寝込む事も熱を出す事もなくなった。
だから、食事も今までよりも随分と食べれようになり、体重も増えてきた。
アンナ先生に教わって、筋肉が付くように腕立てや腹筋運動も頑張っている。
外に出る事が多くなったので、少し日焼けしたみたい。
兄様に
「おっ?少し男らしくなったな!」
と、言われて僕は、凄く嬉しかった。
今までの僕は、白くてひょろっとしてて、男らしいなんて言われた事ないし、どっちかと言うと、女の子っぽいって思ってたから。

最近、全然会えていないライは、今の僕を見てどう思うかな?
いつも、「可愛いな。」って言ってくれてたけど・・・・
なんでも、ライは僕の試験に付き合ってくれる為に、仕事が大変みたい。
申し訳ない。
始め付いて来るって言われた時は、ビックリしたけど、やっぱりライが居てくれると安心するから、付いて来てもらいたい。
ごめんね。ライ。

試験の日まで、なかなか会えないけど、僕頑張るね。


試験の日に合わせて出発する時がやって来た。
帝国まで、丸々2日かかるので、余裕を持って出発する事になった。

出発する日の朝には、家族や王室の方々など、沢山の人が見送りに来てくれた。
王子の2人が、僕から離れなくて大変だったけど、「すぐに帰って来るから。」そう言えば、泣きながらでも笑顔でいてくれたから、僕の方が泣きそうになったのは、秘密だ。

久しぶりに会うライは、やっぱりカッコいい。
「ルー。元気そうだ。良かった。」
と、僕の頭を撫でてくれるから、
「ちょっとは、男らしくなったでしょ?」
ライは、破顔しながら
「そうだな。だが、ルーが可愛いのは変わらない。」
「えー!僕、カッコイイって言われたいなぁ!」
「あぁ、カッコいいぞ!」
って、冗談っぽい感じで言うから、そりゃライのようにはカッコ良くないかもだけどね。
もう!と、少し拗ねていると、ライは
「ルー。それで試験の方は大丈夫か?」
「うん。僕に出来る事はしたつもり。後は本番で緊張しない事かな?」
「そうか。俺がいる。大丈夫。ルーなら出来るよ。」

なんて、心強い言葉だろうか。
ライがいれば、僕は本当に安心出来るし、強くいられる。
よし、頑張ろう!

そう気合いを入れて、ライと共に帝国へ出発した。


馬車は5台になり、その周りには護衛官が馬に乗り、付き添っている。
先頭は、アンナ先生と我が国の医師達。
次に、僕とライ。
後の3台は、僕と一緒に試験を受ける人達と、帝国で僕達の世話をしてくれる侍従が乗っている。

今回、僕と一緒に試験を受ける人は、僕を含めて4人だ。
僕以外の3人は、医師棟で手伝いをしている人達だ。
僕が医師棟に行くようになってから、知り合いになり、ここの所よく一緒に勉強している。
3人共いい人ばかりだったので、安心して勉強が出来たんだ。
僕より皆歳上だけど、爵位は僕の方が上だから、始めはぎこちなかったんだけど、僕が

「爵位は気にしないで下さい。僕は、教えを乞う立場ですので、ビシバシご指導下さい。お願いします!」

その言葉に、3人は快く応えてくれたのだ
それからは、色々な事も教えてもらったりなんだかんだで優しくしてくれたんだ。
1番歳上の伯爵家の次男で、ニコラスさんは、次男だから、何か手に職をつけたいと色々やってたみたいだけど、医師棟で手伝いをするうちに、医師になりたいと思ったそうだ。
次の歳上が、子爵家の三男でイザックさん
イザックさんは、初めから医師になりたくて、医師棟で勉強しながらお手伝いをしていたそうだ。
そして、僕の一つ歳上の、ケビンさん。
ケビンさんも、伯爵家の人だ。
ケビンさんの父親が、医師なのだそうだ。
そう言われて、思い当たる人がいた。
医師棟で、たまに会う医師に似てる。
そう言えば、「似てる?」
と、「父さんは、僕の憧れなんだ。僕も父さんみたいな医師になりたいんだ。」
そう、恥ずかしそうに話すケビンさん。
だから、一緒に頑張ろう!
と、僕に握手を求めて来たので、僕も
「はい!頑張りましょう!」
力強く握手に応じたんだ。

皆、本当に医師になろうと頑張っている。
僕も負けないように頑張る。

そんな人達との、帝国までの道のりは楽しくて、もちろんライとの時間も楽しかったから、あっと言う間に帝国に着いた。

初めて見る帝国は、僕の想像の何倍も素晴らしい国だった。

ミリアリア国より、少し国土は小さいものの、医療大国として発展しており、見渡す限り大きな建物が隙間なくあり、とにかく圧倒される。

帝国の皇帝がいる王宮に近い場所にある、宿泊施設に入る。
すぐに、ライが
「王宮に行ってくる。」
と、出て行く。
すっかり忘れてたけど、ライは王弟殿下だ
挨拶に行かないとね。
僕は、笑顔でライを見送る。
「いってらっしゃい。部屋で待ってるね」
ライは、僕を見て
「待っててね。」
と、僕の頭を撫でてくれる。
・・・やっぱり僕は、いつまでも子供扱いなんだな。
そう思いながら、ライの背中を見送った。
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