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番外編(ノア)
しおりを挟むノア
僕は、5歳になりました。
アキもです。
今は、お勉強や剣術を頑張っています。
剣術は、父様に教えてもらってます。
父様ってね、すっごく強いんだ。
僕が父様を凄い!って思ったのはね、3歳の時の観覧試合を見に行った時だよ。
その日は、すっごく大きい所で、人もいっぱいいて、ビックリした。
じいじと、ばぁばと、アキで見に行ったんだ。
母様は、お腹に赤ちゃんがいるから、お家でお留守番です。
それでね、父様がいつ出て来るか、ワクワクして待ってたんだけど、なかなか出て来ないから、じいじに聞いたんだ。
「父様は?いつ出るの?」
「まだだ。1番最後の試合だからな。ノア剣術を学びたいなら、今、試合をしてる人達をしっかりと見ておきなさい。きっとノアの為になるからな。」
「うん、わかった。」
僕は、じいじに言われたように、父様が出て来るまで、色んな人の試合を見たんだ。
アキは、全く興味はないみたいで、エヴァンと、遊んでる。
でも、エヴァンはヴィーお姉ちゃんに、怒られてる。
母様に、
「エヴァンのお母様は、皇妃様って呼ばないと、いけないのでしょう?」
「そうだね。でもね、皇妃様がねぇ、(ヴィーお姉ちゃん)って呼んで欲しいんだって。だから、子供の間はそう呼んであげてね。」
「わかった。」
だから、僕達は、エヴァンのお母様の事は、ヴィーお姉ちゃんって呼ぶんだよ。
あ!父様の話ねっ!
最後の最後で、父様が出て来た!
父様、凄くカッコいい!
いつもは、母様にデレデレな父様。
でもね、剣術を教えてもらう時は、キリッとしてカッコイイんだよ。
父様は、強いから1番になった人と、試合するんだよ。
あっ!騎士団の人だ。
父様は、あの人と試合するんだ。
さぁ!どうなるのかなっ!
凄いよ!
父様、その場から全然動かずに相手の人の剣を受けてる。
えっ!
どうしたの?
相手の人が、両手を上げてる。
「じいじ!どうして?」
僕は何があったのかわからなかったから、じいじに聞く。
「あぁ、相手が父様に勝てないと降参したんだ。」
「えぇぇ~!そうなの?」
「そうだな。まぁ、今日は相手をした方じゃないかな。」
「えっ?どう言う事?」
「はははっ!あのなノア、ノアの母様が初めて父様の試合を見た時にな?もう、母様は楽しみにしてて、それなのに、父様は母様が瞬きしてる間に試合を終わらせて母様がプンプン怒ってたんだよ。その時の母様の可愛い事!だから、今回はいつもよりは長かった。きっとノアの為に早く終わらせないように我慢したんだろうな。」
「ふぇぇー!そうなんだね?そんなに父様は強いんだ。じいじ!父様凄いね!」
僕は父様は、凄い!と思ったんだ。
それからは、父様に剣術を指南してもらったり、騎士団に行って団員さんに練習に付き合って貰ったんだ。
エヴァンも一緒にしたんだよ。
エヴァンは
「アキを守るため。」
って言った。
なんかね、エヴァンとアキは、僕の父様と母様みたいなんだ。
番って言ってたけど、僕はまだよくわからない。
だから、仲良しでいいね。
そう思うだけ。
そんな事は、どうでも良くて。
今、僕は、妹のキラに夢中だ。
もの凄く可愛い!!
天使みたいで、ふわふわしてて、キラキラしてる。
凄く不思議な目をしてるんだ。
髪色は、僕と同じ銀髪なんだ。
目の色がね?
違うんだよ。
左右色が違うんだ!
凄いでしょう!
片目は、紫色
片目は、黒色
父様と母様の色を両方持ってるんだ。
顔は、もう言う事なく可愛らしい。
父様にも、母様にも似ている。
もう、会う人会う人、キラを見ると、メロメロになってしまう。
母様がキラの顔を見ながら
「キラを気持ち悪いって言う人が居なくて良かった。」
と、少し涙が出てたから、僕は、母様の涙を拭きながら、
「どうして?」
「ん?母様のいた世界にはね、人と違ったり、キラのように目の色が違ったりするとね、良くは思わない人がいたりするんだよね。この世界は、キラを皆可愛いって言ってくれるでしょう?母様はそれが嬉しくてね。皆、優しいよね?ノアも優しい子で母様は嬉しい。」
母様は、僕を抱きしめる。
「母様?僕は、キラ大好きだよ。可愛いしキラの目凄く綺麗!そうだよね!父様!」
母様の後ろに来た父様に聞く。
「あぁ、そうだよ。キラはなんて可愛いんだろうな。なっ?ハル?」
「うん。ノアもジークもありがとう。」
父様は、母様を抱きしめて頭に何度もチュッチュしてる。
僕は、キラを抱き上げる。
うぅ~ん!可愛い可愛い!
キラは、僕を見てニコニコ笑ってる。
キラ、僕は父様みたいに強くなるからね。
キラを守るために。
僕は、キラの柔らかい頬にキスをした。
大好きな僕の家族。
大切で大事な愛する家族。
僕は強くなる。
皆を守るために。
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