[完結][番外編更新中]氷の騎士は、異世界から来た運命の番を溺愛する。

りさあゆ

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        ハル

 孤児院の事も、お菓子の事も、うまくいって良かった。
 明日には、王都の屋敷に帰るよ。
 ここから離れるのは、正直寂しい。
 でも、ジークの仕事もあるし、僕のチャリティーの件もあるから、帰らなきゃね!
孤児院の子供達には、また遊びに来るからそれまで、僕の事忘れないでね?
 そう言うと、忘れるわけない!ハルちゃんの事、絶対忘れない。
 涙流しながら、言ってくれたんだ。
 僕より、ずっと小さな子達が生きる希望を少しでも与えたかった。
 僕が、生きる希望を見つけたように。


 帰る前の夜には、寂しくてジークの腕の中で泣いちゃった。
 ジークは、そんな僕をただ優しく抱きしめてくれた。
 それが、どんなに嬉しかったか。
 大好きだよ。ジーク。
 これからもずっと一緒にいてね。
 

 帰る日には、涙を見せないように、頑張ったんだけど、お母様に抱きしめられたらもう、ダメだった。
 すぐに会えるからね。
 お父様お母様屋敷の皆、笑顔で見送ってくれて、僕も笑顔でまたね!
 馬車の中から皆が見えなくなるまで、手を振っていた。


 そろそろ屋敷が見えて来たな。
 と、思ったら、ヴォルフが馬車の所まで走って来た。
 僕は嬉しくて、馬車を止めてもらい、ヴォルフを馬車の中に迎え入れた。
 嬉しくて、ヴォルフを撫で回す。
 尻尾が高速でフリフリしてる。
 ヴォルフも嬉しいんだね、ありがと、待っててくれて。
 屋敷に戻ったら沢山遊ぼうね!
 
 ジークは、苦笑しながら、
「ハル、俺は明日から、仕事に行かないといけないけど、ハルはゆっくり身体を休めてね。ヴォルフとは、庭を散歩するくらいにしてね。また、体調崩すといけないから。ね。」
 「うん、分かった。」
 ジークは相変わらず心配性だね。
もう、大分暑さも柔らかく感じるから、大丈夫かなと思うけど、心配かけたくないから、大人しくしていよう。


 それからの日々は、ゆっくりとした・・
日々には、ならなかった。
 
 朝からヴィーちゃんの、突然訪問から始まり、チャリティーの打ち合わせ、お忍びの陛下の訪問。
 とにかく、まぁ、ジークとゆっくりする暇がないから、ジークのストレスが溜まる溜まる。
 どうしたもんかと、チャリティーが終われば、ジークに休みをあげると、宰相さんが言ってくれたので、ジークにお休みの時には、2人きりで過ごそう、と提案した。
 すると、まぁ、コロリと機嫌が良くなりましたとさ。

 ジーク・・・そんなに、2人きりになりたかったんだね。。。
 2人きりで何をしようとしているのですか?君は・・・
 なんて、僕もジークと2人きりで、おもいっきりイチャイチャしたいよぉぉ!
 だってだって、大好きなんだもん。
 最近は、ちょっとだけ進んだんだ。
 ほんの、ちょっとだけだけど。。。
 ジークが僕のうなじをハムハムと、甘噛みするんだけど、それがぞわぞわするけど気持ち良くて、、、
本当に噛まれたら、どうなっちゃうんだろう?
 この前、ヴィーちゃんに、こっそり聞いてみたんだ。
 そしたら、ヴィーちゃんも、まだみたいで、結婚式の日の初夜に噛まれるんだって
言ってた。
 ヴィーちゃんは、産まれた時陛下の番だってわかったから、陛下は16年待ったんだって。陛下って凄いよね。
 それだけヴィーちゃんが大切で大事な存在なんだね。だから、ヴィーちゃんは物心つく頃には、結婚したその日に番うからと言われてたみたい。
 だから、僕より先に、噛まれるヴィーちゃんが、どんな感じなのか、教えるわって言ったんだけど、ヴィーちゃんは、私より先にハルちゃんが噛まれると思うわ。て
ええぇぇぇ!そ、そうなのかな?
「だってハルちゃん、今度の兄様の休みの日には、多分、兄様我慢しないと思う。」
 
 なんて、言われた。
 まぁ、ね。そうかもね。
 僕だって、ジークとそうなりたいし。
 早く繋がりたいと思うもん。
 匂いも少しずつだけど、強くなってるみたいだしね。
 この前、セシルが友達のオメガの子に聞いてくれたんだけど、ヒート中は、何が何だかわからなくなって、相手が誰か分からないくらい、おかしくなる。らしい。
 それって嫌じゃない?
 ちゃんと、相手はジークだって認識出来ないなんて。
 だったら、その前にジークとそうなっていれば、わかるんじゃないんだろうか?
そう思うんだけどな。
 しかも!!ヒートなんてもんは、一週間も続くんだよ?
 一週間!!やりっぱなしなの?
僕、体力持つのかな?ジークは、まぁ、大丈夫そうだけど・・・・ふぅ。
 
 まぁ、なんだかんだ考えたって、なるようにしか、ならないんだから、ドンと構えていよう。

 とりあえず、チャリティーの事、頑張りますか。
 無事終える事が、出来ますように。

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