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        ハル

 
 領地に来てからの僕は、すこぶる体調がいい!
 暑さも丁度いい。
 朝晩は少し寒いくらいだ。
 
 そして、ここでも、皆とても良くしてくれる。
 でね、すっごくビックリした事があったんだ。
 皆んなで部屋でゆっくりしてた時に、セバスさんが来たの。
 で、僕がビックリして
 「セバスさん!お留守番じゃなかったのぉぉ?」
 て、言ったら、なんと、なんと!
 セバスさん、双子だったんだよ!
 ビックリだよね!
 名前は、バレリさん。
 本当に、同じ顔なんだよ?
 どこで見分けるんですかってきいたら、額の所、眉毛の上のところに黒子があるんですよ。って教えてくれた。
 良く見ると、本当にあった!
 やっぱりバレリさんもセバスさんと同じく有能な人だった。

 
 ここには、10日ぐらいしか滞在出来ないみたい。
 ジークのお仕事もあるし、僕のチャリティーの準備もあるからね。
 だから、思いっきり遊ぶの!!
 あんまり、はしゃいで皆に迷惑かけないようにしなくちゃ!
 ジークに、屋敷内を案内して貰ったり、
近くに湖があるって聞いて、見に行ったんだけど、もう凄く綺麗。
 湖がね、凄く透き通ってて、鏡みたいに空とか、木、山が映ってて、あまりの感動にその場から動けなかった。
 ジークは、黙って僕を抱きしめ、一緒にその光景を目に焼け付けた。

 今度は、領内で1番の街に連れて行ってくれるって!
 もうもう楽しみでしょうがない。
 みんなに、お土産買わなくちゃ!
 ジークの腕の中で、お土産何がいいかなぁとか、どんな物があるの?とか、はしゃいでたら、早く寝ないと、明日連れて行けないぞ。って言われても、楽しみなんだもん!
 そしたら、ジークにキスされた。
 しかも、深いの!!
 もう、これされると、何も考えられないクラクラして、凄く気持ちがいい。
 お腹の奥が、キュンとなって、ふわふわして、ジークの匂いに包まれて、そのまま寝てしまう。
 ジーク、、、何回か、これで寝させるよね。
 うぅぅ~ん、いいのか、悪いのか。。。
 僕からも匂いがしてるのかな?
 自分では、わからないけど、ジークの匂いは凄く好きないい匂い。
 ジークがよく、僕の首元の匂いを嗅いでるけど、匂うのかな?
 ヒートになれば匂いも濃くなるって言ってたから、そろそろなのかな?
 不安だけど、ジークがいれば大丈夫。
 だよね?
 でもね、ジークって、凄く大きいじゃない?身長も体格も。
 そうなると、ねぇ、、、?
 僕、ちゃんと出来るのかな?
 学校で教えてもらったけど、
 [性交中に、オメガのうなじに、アルファが噛み付く事で、番が成立する。オメガは、番以外を受け付けない体質になる。]
 だったよね?
 ジークと、そうなる事は嬉しいし、待ち遠しく思う。
 ただ、別にヒートじゃなくても、あれは出来るんだけど、ジークはしたくないのかな?
 僕が小さいから、出来ないって思ってるのかな?
 それとも、我慢してる?
 うーん、まぁ、僕一人で考えたって、しょうがないよね。
 よし!ジークに聞いてみよう!
  まずは、明日を楽しもう!


 朝、起きたらジークは、真っ先に僕の体調を心配する。
 大丈夫だよ。と笑顔で答えると、笑顔でキスして、抱きしめてくれる。
 良かった。の言葉と、共に。

 セシルに着替えさせて貰って、髪型も整えてもらう。
 さぁ!出発だ!
 もう、ウキウキで、お父様お母様に抱きしめて貰って、気をつけて行っておいで。
と、ジークと馬車に乗る。
 この前、通った時には、もう夕方で街並みが、良く見えなかったけど、今日は、いいお天気だから、街並みが良く見える。
 凄く可愛い。色とりどりの家が並んでてお店も可愛い。
 バルみたい。小さいお店がズラーと並んでる。
 中央には、噴水があって子供達が遊んでるのが、見える。
 馬車を預かる所に着いたので、ジークに抱えられて降りる。
 すぐに下ろしてもらう。

 うわーうわー!!!
 もう、興奮する!
 思わずぴょんぴょん跳ねる。
 ジークに、落ち着いて。と言われて、ジークに手を繋がれる。
 「ハル、ゆっくり見よう。」
 「うん!ゆっくりね。」
 と、はしゃいでた事に少し反省。

 それから、お店を見て回ったよ。
 野菜、肉、果物、その他色々あって、見てるだけで楽しい!
 お店の人も、笑顔で色々と教えてくれる
 なんで皆さん優しいんだろう。
 僕は、きっと目立つと思うんだけど、お店の人も、通りすがりの人も、笑顔で挨拶してくれる。
 ジークと一緒だからかな?
 ジークに、どうして皆さん優しいの?
 て、聞いたら
 「ん?俺に番が見つかった事が嬉しいんだ。両親が、街の人達に言って回ったみたいだ。だから、皆、ハルを歓迎してるんだろう。」
 そうなんだ。
 嬉しいなっ。
 僕をジークの番だって認めてくれてるって事だよね。
 僕も、この領内で何か出来る事があればいいな。

 それから、街並みを堪能して、あっ!皆へのお土産はちゃんと買ったよ!
 次に、ジークが連れて行ってくれた所は
教会だった。
 この世界にも、ステンドグラスってあるんだなぁーって。
 綺麗な教会だ。
 中に入ると、そこには、笑顔の神父さんがいた。
 とても優しそうなお爺さんだ。

 「ジークバルト様、ようこそおいでくださいました。」
 「あぁ、久しいな。息災だったか?」
 「はい。おかげさまで、ピンピンしております。」
 「そうか、今日は、私の番のハルを連れて来た。これからよろしく頼む。」
 「ほほほ、よろしゅう御座いましたなハル様、初めまして、ここの教会の神父をしております。よろしくお願いします。」
 と、手を出して来たので、僕も、両手で
その手を取り、
「初めまして、ハルと申します。こちらこそよろしくお願いします。」
 笑顔で答える。
 「なんと、まぁ可愛らしい。ジークバルト様、良い方と、巡り逢われましたな。」
 「えぇ、神に感謝致します。」
 「あの、神父様、お祈りさせてもらってもいいですか?」
 「えぇえぇ、是非」
 「ありがとうございます。」

 僕は、ジークの手を引いて、祭壇の前に立つ。
 「ジーク、僕達が出逢えた事に、神様とね、僕の両親にお礼を言おう。」
 「そうだな。ハルに出逢えた事に」
 2人で、膝をつき、両手を合わせて祈る
 
  ありがとう。幸せになります。
     お父さんお母さん。
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