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しおりを挟むハル
セバスさんに相談した、次の日。
ジークと一緒に王城に行く。
ジークは仕事に、僕はヴィーちゃんの所へ行く。
「ヴィーちゃん、ちょっと相談があるんだけど、聞いてもらってもいいかな?」
ヴィーちゃんは、目をキラキラさせて
「うんうん、なんでも言って!ハルちゃんの相談!何かしら?」
僕は、ジークから貰った指輪の事や、セバスさんに相談した事を話した。
「ハルちゃんの世界では、そうゆうものなのねー、なるほど。なるほど。あっ!そう言えば、兄様から、聞いてるかしら?」
「ん?何を?」
「あら、聞いてない?舞踏会の事。」
えっ!舞踏会って?ジーク何も言ってなかったよね?初耳なんだけど。
「その様子では、聞いてないみたいね後5日後に、舞踏会があるのよね。その舞踏会って言うのは、今回の観覧試合の優勝した兄様のお祝いと、ハルちゃんの御披露目会よ。だから、兄様とハルちゃんは、欠席できないわ。」
「えーーっ!そうなの?どうしよう。」
「大丈夫よ、公爵家が準備してるだろうし、んー兄様は多分忘れてる。」
「ね、ねぇ、ヴィーちゃん。舞踏会って踊ったりするの?」
「えぇ、踊るわね。あっ!でも、兄様は踊る事はないかな?いえ、待って、いままでは、踊る相手がいなかったから、踊らなかっただけで、、、今は、ハルちゃんが居る。と、なると、踊る?か、も?」
待って、待って!!?
ん?いや?あれ?僕踊れるかも?
向こうの世界で、軽いダンスなら踊った事がある。ただ、こちらのダンスとは、違うかもしれないから、なんとも言えないな
「練習すれば大丈夫かも?」
「えっ!ハルちゃん踊れるの?」
「あ、いや、向こうで少しだけ。こちらの、踊りとは違うかも知れないし。」
「あらあらまあまあ!そう!なの!だったら、これから、見てもらいましょう!」
そう、ヴィーちゃんが言うと、皆さんが動いてくれて、ダンスを練習する部屋へ連れていかれた。
そこには、背がピシッとした、素敵なおじさまとおばさまが笑顔で待っていてくれた。
「お初にお目に掛かります。バードン・アリシュタと申します。以後お見知りおきを。」
と、おじさまの挨拶を受けた。次に
「初めまして。リーリア・アリシュタと申します。よろしくお願いしますね。」
笑顔で挨拶をしてくれた。
僕も
「初めまして、ハル・サクラバと申します。こちらこそよろしくお願いします。」
と、笑顔で挨拶すると
2人がピシッと固まってる。
ん?僕の顔に何か付いてる?
「えっと、あの?」
「んまぁぁぁ!何って可愛らしい!ねぇあなた!」
「落ち着きない。済まないね。あまりにも、君が可愛らしくて、興奮したようだ」
そうですか。。。
「さて、話しは聞いております。まずは私と、妻が見本をみせますね。」
そう言って、ホールの中央に進むと、音楽が流れて来た。
えっどこから聞こえるの?生演奏だよね
ヴィーちゃんに聞くと、指差す方向を見ると、カーテンの後ろに居るみたい。
へぇー感心しながら、バードンさん達の踊りを見る。
音楽を聴くと、ワルツだね。
踊りは、うん、これなら大丈夫。
一曲終わる。
僕は、ヴィーちゃんに踊れるよ。と、話すと、兄様の相手だから、女性の方だけど大丈夫?うん。大丈夫。
僕は、バードンさんに相手をしてもらい踊る。
久しぶりに踊って疲れたけど、皆さんが褒めてくれたので、自信がついた。
バードンさん達に、お礼を言って、部屋に戻った。
そこで、ヴィーちゃんに、
「ハルちゃん、ピアノで報酬って話しだけど、一度楽団の人に会ってみたらいいんじゃないかしら?今さっきの楽団は、この国1番だから、ハルちゃんのピアノを聞いたら、何か、お手伝い出来るかもしれないわ。」
「ありがとう。相談に乗って貰って。そうだね、一度会って、僕のピアノ聞いてもらおうと思う。ヴィーちゃん、協力してもらってもいいかな?」
「もちろん!今度、紹介するわ!それはそうと、ハルちゃん。どうして、ダンス踊れるの?とても上手だったわ!すっごく綺麗で素敵だったわ!ねぇ皆、そう思うでしょう?」
侍女さん達が、うんうん頷いでる。
ありがとう。皆さん優しいね。
「ヴィーちゃん、ありがとう。僕、向こうの世界で、両親に色々な所へ連れて行ってもらってたんだ。両親は人気があってねその所の偉い人によく招待されてたんだ
向こうにも、ダンスはあって、僕も習わされてね、僕は、オメガだから、どうしても女性側をさせられるんだ。でも、それがこちらの世界で通用して、良かった。音楽も似てる所があったから、すぐに覚えられたよ。」
ヴィーちゃんは、不思議そうな顔して、「覚える?」
ん?こてりと首を傾げる。
「えっ!ハルちゃん?先程の曲をおぼえたの?2回しか聞いてないのに?」
「うん、まぁ1回聴けば覚えるよ?あぁそうか、言ってなかったよね。僕は、絶対音感と言って、音が音階で聞こえるんだよたとえば、んーと、これ。」
近くにあった、ティースプーンで、テーブルを1度叩く。
「この音、みんなどう聞こえる?」
「「「「こん」」」」
「そうだよね。普通はそうなんだよ。
でも僕は、この音が、こん、には聞こえない。音階、て、わかる?」
「えぇ、ドレミファソラシドでしょ?」
「そう、この叩く音は、様々な音程が複合されてるんだけどね、なかなか伝わらないんだけど、1回聞けば、頭の中で楽譜ができるんだ。そして、それを忘れない。」
「はぁぁもう、ハルちゃん、凄すぎるわ!天才なのね!」
「いやいや、そんな事ないよ。産まれた頃から、いや、産まれる前から音楽に触れていたからかな?両親から、僕への贈り物なんだよ。唯一残してくれたね。」
「そう、素敵な贈り物ね。とりあえずはそうね、舞踏会からかしら?ハルちゃん楽しみにしてるわね!」
うん、と答えて、少しジークに相手をしてもらおう!
恥はかきたくないからね!
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