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      ジークバルト

 ハルが熱を出した。
 心配で心配で、仕事に行きたくない。
 ハルに何度も、大丈夫だから、仕事に行ってと言われて、渋々仕事に来たが全く仕事が手につかない。
 昨夜、指輪のあれこれで、ハルに何か負担になったのではなかろうか、だから、朝熱が出たのだろうか?
 でも、ハルは嬉しいって泣くほど、喜んでたし、あっ、働きたいとか、、、
 そんな事はさせられない。
 ハルの考えは、わからん事もないが。
 うーむ、どうしたものか、、、

 仕事せずに、目を閉じて考えている。
 
 レオと宰相がどんな顔をして見ていたかなんか知らずに、

 「ジーク、何か難しい問題でもあるのか?」

 「ん?いや特には。」
 「そうか、で、何があった?ハルが絡んでそうだな。」
 「朝、ハルが熱を出した。」
 「はっ?大丈夫なのか?」
 「あー多分?心配ではあるが、ハルは元気そうだ。」
 「あぁ、ならいいが、今日は早めに帰っていいぞ。」
 「あぁ、とりあえず、ここにある分は片付ける。終わったら帰る。」
 「はいはい、陛下もジークもさっさと仕事して下さい!」
 
 仕事に取り掛かろうとした途端、
 「あぁ、ジーク、覚えているか?」
 「ん?」
 何かあっただろうか?
 「一週間後にある、舞踏会。」
 宰相に言われて、あっ!思い出す。
 「出ないといけないか?」
 「お前わぁぁぁ!」
 怒る宰相。
 「まぁまぁ、マルクス、いつもの事だからな。ジーク、ハルの御披露目も兼ねて出席しろよ。」
 「嫌だな。ハルは踊れないぞ。教えてもないからな。」
 「いやぁ、別に踊らなくてもいいんじゃないか?なぁ、マルクス。」
 「ええ、踊らなくても構いません。今回は、ジークの観覧試合の優勝のお祝いとハル殿の陛下の謁見も兼ねてありますからね
あぁ、ハル殿には、そのままで出席して下さい。と伝えて下さい」
  「そのままとは?」
 「黒髪、黒目ですよ。鬘など被せて、誤魔化さないで下さいね。わかりましたねジーク。」
 「はぁ、わかった。」
 
 面倒臭い。何故ハルを人目に晒さないといけないのか。
 しょうがない、さっさと済ませて帰ればいい。うん、そうしよう。
 
 早く仕事を終わらせて、ハルの所に帰ろう。早く会いたい。




 仕事を済ませて、屋敷に戻り、ハルを素早く抱き込む。
 両親が領地に帰る事を聞いたのだろう。
 寂しいと言って俺に抱きつく。
 そんなに寂しがらなくても、一日あれば着く距離だよ。
 そう聞いて、ホッとしたのだろう、俺の腕の中で眠ってしまう。
 可愛いな。寝てるハルの顔中にキスする
柔らかな肌が気持ちいい。
 形のいい唇に指で触る。
 親指の先を唇の隙間に入れる。
 はむって、咥えられて、胸がドクンと跳ねる。
 慌てて指を引き抜く。
 多分、俺は真っ赤になっているだろう。
 誰も見てないが、コホンッと咳払いをする。
 ベッドへ運ぶ為に立ち上がり、ゆっくりハルを寝させた。
 ハルの柔らかな唇にキスして、そのまま風呂に直行した。
 いつまで俺は耐えれるのか。
 いやいや、耐えろ、俺!
 
 ハルを抱きしめ、一緒に眠る。
 今は、それだけで幸せだ。
 朝、起きたら可愛い笑顔を見せてくれ。
 おやすみ。。。


 あっ?舞踏会の事、言うの忘れてた。

 ま、いっか。





 朝、俺の腕中で目覚めたハル。
 体調を確認する。
 今日は、大丈夫そうだな。
 朝から可愛い。愛しいな。
 
 さて、今日は、両親が領地に帰る日だ。
 ハルは、泣きながらだが、2人で遊びに行くからねっ!と言って笑顔で、両親の乗る馬車が見えなくなるまで、手を振っていた。
 俺にも、ちゃんと見送りをしてくれた。

 あっ!また伝えるの忘れた。

 まぁ、セバスが把握してるだろう。
 多分、、、服は、大丈夫だろう。
 うん、今日は帰って伝えよう。





~~~~~~~~~~~~

  ジークは忘れっぽいです。
 ハルの事ばかり考えているからね。
そして、いつまで耐えられるのか。
爆発しなければいいですが・・・
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