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しおりを挟むジークバルト
俺の腕の中で、すやすやと眠る、
俺の可愛いい、可愛いい番。
どうしてこんなにも、暖かく幸せな気持ちになるのだろうか。
本当に、半身、唯一無二の存在。
理屈じゃない、魂が叫ぶんだ。
大切に大切に、真綿で包むように大切にしたい。誰からも、何者にも害されないように。
はぁぁもう大好き。愛してる。
しかし、こちらに来る前に何があったのか、辛そうで、見ていた俺が苦しくて悲しくて。そんな顔をさせる何かを、知りたくて、、、
だが、まぁ向こうには帰る事はない。
ここで、俺の側に一生居てくれ。
居てくれないと、俺が生きていけない。
この世界に来てくれてありがとう。
きっと君は、俺の為にこちらの世界に
来てくれたんだ。
ありがとう。ありがとう。
だから、俺は全ての物から、君を守る。
さて、このまま一緒に寝たい所だが、
やることはやらねば。
うーむ、離れがたい、、、
サラサラの黒髪をそっと撫でて、おでこに口付ける。
「早く、君の名前を知りたいな。」
ゆっくりおやすみ、、、
俺は、隣の部屋に移動すると、そこには
執事のセバス、トーマス、マリアンヌ、セシルが、待っていた。
トーマスが
「ジークバルト様、番様はおやすみになられましたか。」
「あぁ、今な。詳しい話は明日することにする。それで、こちらの事はまだ何もわからないから、ゆっくり教えていこうと思う。私もしばらく休みを取るから。で、セシル。」
「はい、旦那様」
セシルはその場でピンと背筋を伸ばして返事をする。
「同じオメガとして、あの子付きにする。何か困った事があれば聞いてやってくれ。」
「はい。かしこまりました。大変光栄です。精一杯使えさせて頂きます。」
「頼んだぞ。」
セシルは、嬉しそうに返事をした。
そこへ、トーマスが
「ジーク、まだ名前聞いてないのか?」
同じ歳で、赤子の頃からずっと一緒だったこいつは、主人である俺には、敬語を使うことはない。まぁ公式の場では、ちゃんと弁えているが、セバスは呆れ顔で見ているが、、、
「あぁ、側に居るだけで幸せだったからな。明日聞くさ。」
俺は、自分では気づかなかったが、笑顔になっていたのだろう。
「おまっ!おい、ジーク笑ってるぞ!!」
ん?見ると、皆目を見開き俺を見ている。
「笑ってたか?ふふっ、あの子の事思うと、知らず笑ってるんだな。」
「まぁ、凄いな番様ってやつは。いい事だがな。可愛いし、いい子そうだし。皆で守ってやらなちゃな。あぁ!そうそう親父、大旦那様には連絡したか?」
セバスは、はぁぁっとため息つきながら、
「お前に言われなくとも、早馬で知らせてあります。多分近いうちに領地からお戻りになるでしょう。」
俺は、あの両親がもの凄い勢いで帰ってくるのがわかって、少しだけため息をついた。
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