[完結][番外編更新中]氷の騎士は、異世界から来た運命の番を溺愛する。

りさあゆ

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 ジークバルト

 漆黒の眼の中に、ジークバルトの紫の眼が映った瞬間、ジークバルトの眼から、涙が流れていた。

「見つけた!俺の運命。番だ!!」
嬉しくて、嬉しくて、ただただこの腕の中にいる番が愛しくて。抱きしめる腕に力を込めて、でも潰さないように、大事に大事に抱き込む。

その場に立ちすくむジークバルトをヴォルフが頭でつつく。

「ジークバルト様!どうなさいましたか?」
と、雨の中立ちつくすジークバルトに執事長のセバスが声を掛けた。
その声にハッとなったジークバルトは、急いで、セバスに

「番だ!!急いで侍医を呼んでくれ!後、着替えも、俺は湯殿に向かう!頼んだぞ!」
そう伝言して、急いで屋敷に入っていった。

服を着たまま、温度の低い湯にそのままゆっくりと、お湯につかる。
顔に付いた泥を優しく撫でるように綺麗にしてゆく。
現れたのは、真っ白い肌に漆黒の長いまつ毛に、小さく整った鼻に、形の良い唇が少し開き白い歯が覗いている。
思わずジークバルトは、見惚れてしまう。

「ーーーっ!!なんて可愛いい……っっ!」
 ジークバルトは、目が離せない。

「ーーっ!いやいや、早く服も脱がさないと……」

 急ぎたいが、見慣れない服に悪戦苦闘しながら、とりあえず脱がしたが、下半身を見ないようにするのが大変だったが、タオルを巻き付けて、風呂から出ると、セバスが用意してくれた、柔らかな夜着を着せると、セバスから、

「モーリス様がお越しくださってます。」
と、侍医のモーリスが来てくれた事に感謝しながら、

「ありがとう。急いで向かう。」
そのまま番を大事に抱きしめて部屋に向かうジークバルトをセバスは、少し瞳を潤ませながら、微笑みながら後を着いて行った。
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