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その日の夜。
初めて2人は、深く結ばれた。
朝。
俺の腕の中で、すやすやと寝息を立てて寝ている蓮が、愛しくて愛しくて……
どうしてこんなに可愛いのか?
蓮の髪を指に巻き付けて、遊ぶ。
もう、髪の毛一本までが愛しい。
起きてる時も可愛いが、寝てる時も最強に可愛い!
ずっと見てられる。
愛しい愛しい俺の奥さん。
ん?奥さんでもないな?何て言えばいいんだ?
んーーー?
あっ!伴侶!
そう!そうだ!伴侶だ!
ん~いい響きだ。
さてさて、結婚式は、まぁ、海外だな。
ふむ、調べておくか。
後は、叔父さんに報告に行かないとな。
まぁ、問題はないだろう。
後、両親も昨日の様子だと、喜んでくれるだろうな。
それと、会社と、当麻だな。
当麻には、連絡しておくか。
そんなこんなで、あれからは順調に蓮とは愛を育んでいる。
案の定、両親は大喜びで、頻繁に蓮に会いに来ては、楽しそうに過ごしている。
叔父さんも喜んでくれた。
叔父さんは安心したのか、少し店を休み、海外へと、旅行に行ってしまった。
その事に関して蓮は、
「叔父さんは、僕の為にずっと店にいてくれたんだ。だから、これからは、叔父さんには、好きな事をやって欲しいな。」
まだまだ若いしね!
と、蓮は嬉しそうだったから、よしとしようか。
で、当麻に連絡を入れるとすぐに、会社にやって来た。
「おめでとう!良かったなぁ、、、本当にな!お前が幸せそうでなによりだ!」
「ありがとう。当麻には世話になったな!色々相談に乗ってくれて。」
「いや、気にすんな。はぁぁ、やっと落ち着いてくれて、良かったぁぁ!マジで!」
「ん?何?」
「いやな、お前が中々結婚相手を決めないから、やれ、紹介しろだの、会わせろだのな、断るのが面倒だったんだ。」
「あぁ、それは悪かったな。」
「いいよ。お前が幸せなら。」
「ん、ありがとう。次はお前だな?」
「いや、俺はまだいい。まだ遊び足りないし、一人に縛られのは嫌だ。」
「そうか。まぁ、何かあれば相談に乗るからな。」
「あぁ、ありがとう。その時は、頼むな」
「了解」
当麻とは、そんな奴だ。
だが、俺の1番の親友だ。
そして、会社だが。
秘書の橘が、父さんに蓮の事を話していたみたいだった。
父さんが、俺に内緒で蓮に会いに行ってたみたいだ。
橘曰く。
「蓮君、蓮君と。仕事にならないから、仕方ありません。会長の耳に社長が仕事をしない。と、申し上げただけです。何故かと理由を聞かれたので、お応えしたまでですが。いけませんでしたか?まぁ、私は蓮君の味方ですから、悪いようにはならないと思っていました。」
と、まぁ、いけしゃぁしゃぁと、ぬかしやがった。
確かに?結果オーライになった訳だけども
蓮を両親が好きになるのに、時間はかからなかった。
当然だ。
蓮は、誰からも愛される存在だ。
容姿はもとより、心が綺麗なんだ。
あんな目に合わせた、父親を憎む事もしない。
今は、病院に入っているが、蓮はもう何度も見舞いに行っている。
蓮の父親は、アルコール依存症になっていて、もうかなり悪いようだ。
蓮の事も分からなくなっているし、会話も出来ないみたいだ。
「僕が行くと、僕をお母さんの名前で呼ぶんだよ。話は、出来ないけど、笑顔になるんだよ。だから、今、お父さんは、お母さんと一緒に生きているんだよ。それでいいんだ。心穏やかに過ごしていればね。」
なんて、強くて、優しい子なんだろう。
蓮は、誰よりも幸せにならないといけない
切にそう願った。
今、蓮は、俺の母さんの進めで、フラワーアレンジメントの資格を取る為に頑張っている。
将来的には、自分の教室を持ちたいそうだ。
蓮なら、大丈夫。
きっと上手く行くと信じてる。
頑張れ、蓮。
俺も、ちゃんと仕事はしている。
しかし、海外の方の会社に行かなきゃいけないみたいだ。
最近は、パソコンさえあれば、大抵の場合そこに行かなくとも、なんとかなるのだが
今回ばかりは、俺が行かなきゃ事が済みそうにない。
「なぁ、橘。やっぱり行かないとダメなのか?他の者でも、いいんじゃないか?」
「駄目ですよ!社長じゃないと、進むものも、進みませんよ!もう、いい加減腹括ってください。」
と、ピシャリと言われてしまう。
「はぁぁぁ~」
深く溜め息が出る。
俺が海外に行けば、蓮と離れ離れになるじゃないか!
蓮を連れて行ければ良いんだが。
もう、連れて行こうか?
多分断られるだろうがな。
まぁ、蓮に聞いてみるか。
仕事が終わり、いつものように蓮に連絡を入れて、家に帰る。
「蓮。ただいま!」
と、出迎えてくれた蓮を抱きしめる。
「要さん。おかえりなさい。」
と、抱きしめ返してくれる。
これだけで、一日の疲れが癒される。
「ご飯用意出来てるよ。」
「ありがとう。」
軽くキスを交わしながら、部屋へと移動する。
蓮が作ってくれた、美味しい食事を2人で食べる。
その後、2人でゆっくり至福の時間だ。
隣に座っている蓮を、ひょいっと俺の膝の上に乗せ、ぎゅっと抱きしめる。
蓮も、俺の首に腕を巻き付け、頬と頬をスリスリする。
その仕草が、毎回可愛くて、愛しさが溢れる。
俺は、蓮の前髪を上げて、おでこにチュッとキスをする。
「なぁ、蓮。今、会社が忙しいって、知ってるよね?それで、俺が近いうちに海外に出張しなければならないと、いけないんだけど、、、行きたくはないんだけど、今回ばかりはそうは言ってられないんだ。だから、蓮。一緒に行きたいんだ。けど、蓮はどう思うかな?」
蓮は、にっこり笑顔で、
「お仕事の事は、橘さんから聞いてたから知ってるよ。要さんが海外に行かないといけない事も。その話を聞いた時にね、寂しかった。要さんと離れ離れになるのが。でもね。僕は、待ってる。要さんと僕の、この家で。それで、花の勉強を頑張るから要さんも、頑張ってお仕事して来て?」
「蓮………ごめんなぁ、寂しい想いをさせて……なるべく早く仕事終わらせて帰って来るからな。待っててくれ。」
「うん。待ってるね。」
「あぁ、愛してるよ蓮。」
「僕も、愛してるよ。要さん。」
その夜は、淋しさを埋めるように、愛し合う2人だった。
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