9 / 11
気持ちの整理
しおりを挟む
あの綺麗な女性は誰なんだろ…
仕事関係の人かな…それとも…
私は駅まで戻る。
喉が乾いていた様な気がしたけど、もういいや…
駅の噴水まで戻ると、昨日彼とあった緑のベンチは幸せそうなカップルがイチャイチャしていた。
仕方なく、噴水前にしゃがみこむ。
あーあ、あの2人の中に入り込んで聞けば良かったな…
そこまで聞く勇気は私にはなかったけど…
スマホを取り出し、時間を見る。
5分前…か…
長いなぁ…
けど、なんとなく会いたくない気もする…
ウキウキしてた気分はめちゃくちゃになってるし…
こんな自分が嫌だ。
膝に顔を埋める。
少し涙が出てきた…
雅「深雪ちゃん!」
足音がこちらに走ってきてる。
雅人来ちゃったか…
膝で無理やり涙を拭き取り、顔を上げる
雪「雅人…」
雅「ごめん、お待たせ……って何かあったの?」
私の顔を見て言う…
なんで分かったの?
雪「なんでもないよ…?」
私は苦し紛れに言う
雅「なんでもなくないよ、そんな顔して…近くのカフェにとりあえず行こうよ。」
彼は私の手を引き歩き出す。
少し落ち着いた雰囲気のレトロっぽいカフェというより、喫茶店に近いお店に入る。
雅「マスター、奥の部屋空いてる?」
店主は頷く。
ここの常連さんなのかな…?
雅「深雪、こっち」
私の肩を抱き後ろから押してくれる。
通されたのは奥まっていて、周りの視線が全くない所。
彼は椅子を引き、私を座らせる。
対面に彼は座ると、さっきの店主がこちらに水とおしぼりを持って来た
主「多山さん、今日は?」
雅「あぁ、この子は僕の彼女だよ。仕事でって訳じゃないから、安心して。」
主「なるほど、ではご注文を」
雅「じゃあ僕はいつものでお願いするよ。深雪はどうする?」
雪「あ、わ、私は…ホットティーをお願いします」
主「かしこまりました。少々お時間を下さい。」
店主はお辞儀をし、離れていく。
雅「安心して、ここは仕事の関係でよくお世話になっている所だから。他の人に声も聞こえない様になってるから…」
そう言って、私の顔を覗く
そんなに私の顔…酷いことになってるのかな…
雅「んで、深雪…どうしたの?ゆっくりでいいから話してよ。」
彼の低い穏やかな声が私を動かす
雪「…雅人…さっきコンビニの前で話してた女の人は…」
お願い…
雅「ぁぁ、コンビニの方まで来てたんだね…」
雅「あの人はね、俺の仕事のお客さんなんだ。たまたま、あのコンビニで会ってね。この後の予定を聞かれたけど、用事があるんでって俺は走って深雪の所まで来たんだけど…」
雪「そ、そうなんだ…」
とりあえず…安堵はした。
そんな関係ではないんだなって
雅「その事を心配してたの…?」
雪「…う、うん…」
彼は微笑み、立ち上がって私の方まで来て
後ろから抱きしめ耳元で
雅「俺は深雪以外を愛せなくなっちゃったんだ。責任取ってくれよな?」
言い方は変だけど…少し嬉しかった。
主「お待た……失礼しました」
店主は顔を背けながら、机にホットティーとホットコーヒー、そして少し厚めのパンを2枚、ゆで卵を2個置いて、
主「ごゆっくりどうぞ。」
こちらを見ること無く、去っていった。
雅「ははは、後でマスターには謝っとかなきゃな」
笑いながら私を離し、彼は席に戻る。
雅「ほら、まだ朝ごはんも食べてないし食べよ」
こちらにパンと卵を差し出す。
彼は1枚そのパンを咥え
サクッという音が聞こえた。
雪「うん、頂きます。」
ゆっくりと口に入れる。
サクッと音がしその後にふわとした食感、パンの香ばしい香りが膨らむ。
口にはパンのしっかりした味が広がる。
なんとなく、このパンは彼に似ているなと思う。
雅「美味しいでしょ、ここのパン…さっきのマスターが作って焼き上げてるからね。」
雪「うん、美味しい。」
素直に思う。
雅「これね、俺の仕事に関わってるんだ。」
初めて聞く。
雪「え?どゆこと?」
雅「ここのパンを焼き上げる機械、俺の会社が作ってるんだよ。パンだけじゃないけどね。」
だから詳しかったのか…とゆう事は…
雪「昨日のレストランも…」
雅「あぁ、よく分かったね。そうだよ、あそこの調理器具も1部ウチの会社で作ったものだよ」
だから、色んなお店を知ってたんだ…
雪「じゃあさっきの女性も」
雅「そうそう、彼女のお店はケーキが美味しいからね、後で行ってみるかい?」
にこやかに言う
雪「ケーキ…食べたいっ」
少し前のめりに私は答える。
雅「ははは、いいね、その反応。可愛いよ」
ちょっと…恥ずかしい…
雅「さて、何かもう一個、悩んでる事あるでしょ…?」
彼はゆで卵を剥きながら言う
なんで分かるの…?
雪「え?なんで?」
雅「なんでって、まだ深雪の顔が晴れてないからさ。」
私、そんなに顔に出るの?
岡田さんも言ってたし…
雪「えっと、さっき電車で来る時に…会社の人に会ったんだ」
雅「あー…御局様って言ってた人かな?」
やっぱり、彼は私の事なんでも分かってくれる…
雪「そう…」
雅「深雪…今の仕事は辞める気はないの?」
辞める気…とゆうかなんで今の仕事を始めたんだっけ…
雪「辞めたい…」
私は蚊の鳴くような声で答える
雅「新しい仕事…どんなのがしたいとかってあるの?」
特に私は昔から目標なんてなかったと思う。
父がこの仕事にした方がいいって言われて、今の仕事に就いたんだ…
雪「ない…」
雅「そう…じゃあ…ウチの会社に来る?」
仕事関係の人かな…それとも…
私は駅まで戻る。
喉が乾いていた様な気がしたけど、もういいや…
駅の噴水まで戻ると、昨日彼とあった緑のベンチは幸せそうなカップルがイチャイチャしていた。
仕方なく、噴水前にしゃがみこむ。
あーあ、あの2人の中に入り込んで聞けば良かったな…
そこまで聞く勇気は私にはなかったけど…
スマホを取り出し、時間を見る。
5分前…か…
長いなぁ…
けど、なんとなく会いたくない気もする…
ウキウキしてた気分はめちゃくちゃになってるし…
こんな自分が嫌だ。
膝に顔を埋める。
少し涙が出てきた…
雅「深雪ちゃん!」
足音がこちらに走ってきてる。
雅人来ちゃったか…
膝で無理やり涙を拭き取り、顔を上げる
雪「雅人…」
雅「ごめん、お待たせ……って何かあったの?」
私の顔を見て言う…
なんで分かったの?
雪「なんでもないよ…?」
私は苦し紛れに言う
雅「なんでもなくないよ、そんな顔して…近くのカフェにとりあえず行こうよ。」
彼は私の手を引き歩き出す。
少し落ち着いた雰囲気のレトロっぽいカフェというより、喫茶店に近いお店に入る。
雅「マスター、奥の部屋空いてる?」
店主は頷く。
ここの常連さんなのかな…?
雅「深雪、こっち」
私の肩を抱き後ろから押してくれる。
通されたのは奥まっていて、周りの視線が全くない所。
彼は椅子を引き、私を座らせる。
対面に彼は座ると、さっきの店主がこちらに水とおしぼりを持って来た
主「多山さん、今日は?」
雅「あぁ、この子は僕の彼女だよ。仕事でって訳じゃないから、安心して。」
主「なるほど、ではご注文を」
雅「じゃあ僕はいつものでお願いするよ。深雪はどうする?」
雪「あ、わ、私は…ホットティーをお願いします」
主「かしこまりました。少々お時間を下さい。」
店主はお辞儀をし、離れていく。
雅「安心して、ここは仕事の関係でよくお世話になっている所だから。他の人に声も聞こえない様になってるから…」
そう言って、私の顔を覗く
そんなに私の顔…酷いことになってるのかな…
雅「んで、深雪…どうしたの?ゆっくりでいいから話してよ。」
彼の低い穏やかな声が私を動かす
雪「…雅人…さっきコンビニの前で話してた女の人は…」
お願い…
雅「ぁぁ、コンビニの方まで来てたんだね…」
雅「あの人はね、俺の仕事のお客さんなんだ。たまたま、あのコンビニで会ってね。この後の予定を聞かれたけど、用事があるんでって俺は走って深雪の所まで来たんだけど…」
雪「そ、そうなんだ…」
とりあえず…安堵はした。
そんな関係ではないんだなって
雅「その事を心配してたの…?」
雪「…う、うん…」
彼は微笑み、立ち上がって私の方まで来て
後ろから抱きしめ耳元で
雅「俺は深雪以外を愛せなくなっちゃったんだ。責任取ってくれよな?」
言い方は変だけど…少し嬉しかった。
主「お待た……失礼しました」
店主は顔を背けながら、机にホットティーとホットコーヒー、そして少し厚めのパンを2枚、ゆで卵を2個置いて、
主「ごゆっくりどうぞ。」
こちらを見ること無く、去っていった。
雅「ははは、後でマスターには謝っとかなきゃな」
笑いながら私を離し、彼は席に戻る。
雅「ほら、まだ朝ごはんも食べてないし食べよ」
こちらにパンと卵を差し出す。
彼は1枚そのパンを咥え
サクッという音が聞こえた。
雪「うん、頂きます。」
ゆっくりと口に入れる。
サクッと音がしその後にふわとした食感、パンの香ばしい香りが膨らむ。
口にはパンのしっかりした味が広がる。
なんとなく、このパンは彼に似ているなと思う。
雅「美味しいでしょ、ここのパン…さっきのマスターが作って焼き上げてるからね。」
雪「うん、美味しい。」
素直に思う。
雅「これね、俺の仕事に関わってるんだ。」
初めて聞く。
雪「え?どゆこと?」
雅「ここのパンを焼き上げる機械、俺の会社が作ってるんだよ。パンだけじゃないけどね。」
だから詳しかったのか…とゆう事は…
雪「昨日のレストランも…」
雅「あぁ、よく分かったね。そうだよ、あそこの調理器具も1部ウチの会社で作ったものだよ」
だから、色んなお店を知ってたんだ…
雪「じゃあさっきの女性も」
雅「そうそう、彼女のお店はケーキが美味しいからね、後で行ってみるかい?」
にこやかに言う
雪「ケーキ…食べたいっ」
少し前のめりに私は答える。
雅「ははは、いいね、その反応。可愛いよ」
ちょっと…恥ずかしい…
雅「さて、何かもう一個、悩んでる事あるでしょ…?」
彼はゆで卵を剥きながら言う
なんで分かるの…?
雪「え?なんで?」
雅「なんでって、まだ深雪の顔が晴れてないからさ。」
私、そんなに顔に出るの?
岡田さんも言ってたし…
雪「えっと、さっき電車で来る時に…会社の人に会ったんだ」
雅「あー…御局様って言ってた人かな?」
やっぱり、彼は私の事なんでも分かってくれる…
雪「そう…」
雅「深雪…今の仕事は辞める気はないの?」
辞める気…とゆうかなんで今の仕事を始めたんだっけ…
雪「辞めたい…」
私は蚊の鳴くような声で答える
雅「新しい仕事…どんなのがしたいとかってあるの?」
特に私は昔から目標なんてなかったと思う。
父がこの仕事にした方がいいって言われて、今の仕事に就いたんだ…
雪「ない…」
雅「そう…じゃあ…ウチの会社に来る?」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる