105 / 127
本編
103.悪魔に魅入られし暗黒の愛し子
しおりを挟む
只々怯える獣人達の姿を目にして、黒狼王子は歩んでいた足を止める。
『――ああ、可哀そうに――』
黒狼王子にしか聞こえない声が耳元で囁いている。
それは黒狼王子の身体と精神に纏わりつく、影に潜む暗黒の悪魔の声だ。
悪魔の声は男であったり、女であったり、幼子であったり、老人であったり。
絶えず変わる独特な響きで、黒狼王子の心を暗黒色に染めようと惑わし続けている。
『――見てごらん、あの怯えた目を――彼等から向けられる純粋な恐怖を――君が望んだその力はあまりにも強大過ぎて――彼等にとっては恐怖の対象でしかないんだよ――』
身体を這い回る暗黒の影が、黒狼王子に怯える者達を嗤い、揶揄する。
『――君がその身を犠牲にして、その命を削り続けてまで、手に入れた暗黒の力――けれど、その力を使えば使う程に君は彼等から畏怖され、忌避され、拒絶されてしまうんだ――彼等を守る為に手に入れた力だというのにね――』
悪魔の能力で強制的に黒狼王子の感覚が研ぎ澄まされ、獣人兵や騎士達から向けられる恐怖の感情がまざまざと感じられる。
(……怖い、怖い……恐ろしい……嫌だ、嫌だ……逃げたい……死にたくない……)
黒狼王子は暗黒色の獣姿から恐れられ忌避されてきた過去の記憶が思い起こされ、いずれ全ての者達から拒絶されるであろう未来が想像させられた。
(……死神だ! 嫌だ、殺さないで!! ……恐ろしい、悍ましい、化け物が! ……来ないで! 呪われた悪魔め!! ……早く消えて、死んでくれ!! ……)
黒狼王子の胸元を、傷心を、心臓を、撫でるように這い回り、影は甘く囁く。
『――ああ、哀れで愛しい暗黒の御子――君は孤独だ――そんな君を理解できるのは僕だけだよ――僕だけが君を真に理解できる――君の全てを受け止め、愛してあげられる――君を愛せるのは、僕だけなんだから――』
影は憐れみ慈しむ声音で囁き、黒狼王子の心の傷口から入り込み、じわりじわりと浸蝕しようとする。
『――この世の全ての者が君を拒絶したとしても、僕だけは君を見捨てたりしない――唯一無二の美しい暗黒色――その色は全てを受け止め包み込む色なんだ――尊い暗黒色でこの世の全てを塗り替えてしまおう――悲哀に満ちたこの世界を、慈愛に溢れた暗黒色で染め上げるんだ――』
暗黒色を尊崇する影はうっとりと笑い、黒狼王子はうんざりとして言葉を返す。
「うるさい、黙れ」
わずらわしそうにする黒狼王子にも構わず、影は笑いながら続ける。
『――ふふふ。そう簡単に染まってくれないのは分かっているさ――でも、僕はいつだって君の側にいる――誰よりも君の気持ちを理解しているんだよ――いくら取り繕ってみても、感情までは嘘をつけない――君ですらまだ気付いていない、嫉妬や憤怒や憎悪の感情だって――』
影の言葉を遮り、黒狼王子は明確な意思で断言する。
「いくらお前が喚き続けようが、俺は惑わされない」
黒狼王子は白豚王子と満月に誓った真意を思い出し、影の声を思考から追い出す。
『――――――』
白豚王子のひたむきな真意を、難民達の明るく前向きな笑顔を、黒狼王子は思い出していた。
傷心していた過去の記憶や暗い未来の想像は搔き消され、皆の幸福を一心に願う白豚王子の甘く優しい真意が黒狼王子の心を癒す。
青褪め恐怖に震える仲間達の姿を見て、安易に近付く事は憚られて足を止めてしまっていたが、黒狼王子は決心して前へと歩みだす。
「………………」
皆が恐怖で竦み上がり黒狼王子に注目する中、黒狼王子は声の届く距離まで近付くと、周囲を見回して騎士団長に声をかける。
「魔法騎士団、負傷者の手当てを頼みたい」
「は、はい! 団員、負傷者の確認と手当てを急げ!」
硬直していた騎士団長がハッと我に返り指示を出すと、団員達もバタバタと動き出し獣人達の手当てに取りかかる。
動き出した騎士達を見て、黒狼王子は獣人兵の指揮官にも話しかける。
「敵対国の主力であろう大軍を壊滅させた。また軍勢を揃えるにも相当な時間と資金が必要になるだろう。当分は敵対国から仕掛けてくる事は無いと考えていい――」
黒狼王子は疲弊しきり弱っている獣人兵達を見やり告げる。
「――故に、獣人部隊は十分な治療を受け体勢を整えてから王城へ戻るといい。俺は一足先に王城へ戻り報告する。この後は任せる」
「……は、はい!」
指揮官の返事を聞くや否や、黒狼王子は早々に騎乗し、王城へと向かい駿馬を走らせる。
一人で行ってしまう黒狼王子を見て、我に返った御共達も慌てて後を追いかける。
残された者達は絶対的な脅威が立ち去った事で、恐怖から解放されやっと息が吐ける心地がした。
だがしかし、それと同時に獣人兵達はひどい後悔と罪悪感に苛まれてもいた。
王国と自分達獣人の未来を救ってくれた英雄に対し、感謝よりも恐怖が先に立ってしまい、あまりに無礼で恥知らずな態度をとってしまったのだから。
獣人兵達は遠く離れていく黒狼王子の姿を心苦しい思いで見送り、次こそは恐怖心を乗り越え、我らが英雄を称えるのだと強く決意したのだった。
◆
敵の大軍勢を壊滅させた黒狼王子は、王国の危機を救った英雄として讃えられた。
だがやはり、その脅威的な力から黒狼王子は人々から畏怖され、遠巻きにされるようになっていた。
身体を這い回る影を隠す漆黒の衣装や外套、口元から漏れ出る毒素を抑える獣面のハーフマスク、闇を纏い死神を思わせるその姿形は更に恐怖心を煽り、人々の目には不気味に映る。
黒狼王子は王城の中心部へと向かい回廊を歩いていく。
「ひっ!」
不意に黒狼王子と遭遇したのであろう者達の小さな悲鳴が聞こえた。
城内を歩けば、どこへ行っても人が捌けていき、瞬く間に人の気配はなくなる。
英雄であろうとも好き好んで脅威に近付こうとする者はいない――本来ならば、その筈だった。
「……殿下」
遠巻きにされた方が黒狼王子にとっても都合が良かった――のだが、それでも危険を冒して近付いてくる者達もいた。
その筆頭が、黒狼王子に長年仕えている腹心の御供達だった。
「殿下、お待ちください」
一人で行動しようとする黒狼王子に、御供達は必死に付いて来ようとする。
黒狼王子は後を追ってくる御供達に手を翳して制止する。
「近付くな」
黒狼王子は腹心の御供達ですら、忠実な御供達だからこそ、その力の特性故に遠ざけるしか方法が無かった。
「……それ以上は近付くな。闇に呪われる」
「ガトー殿下、どちらに行かれるのですか?」
「ガトー殿下、我々もお供します……」
「来るな!!」
近付こうとする御供達に黒狼王子の怒声が飛び、御供達はビクリと身体を跳ねさせて立ち止まり、耳と尻尾を垂らす。
「俺は地下霊堂に潜る。お前達はそこで待て」
そう言い残すと黒狼王子は御供達に振り向きもせず、王城の中心部へと向かう。
地下霊堂へと続く幾重にも施錠のされた重い扉を開き、黒狼王子は暗い闇の中へ入っていく。
『――ああ、可哀そうに――』
黒狼王子にしか聞こえない声が耳元で囁いている。
それは黒狼王子の身体と精神に纏わりつく、影に潜む暗黒の悪魔の声だ。
悪魔の声は男であったり、女であったり、幼子であったり、老人であったり。
絶えず変わる独特な響きで、黒狼王子の心を暗黒色に染めようと惑わし続けている。
『――見てごらん、あの怯えた目を――彼等から向けられる純粋な恐怖を――君が望んだその力はあまりにも強大過ぎて――彼等にとっては恐怖の対象でしかないんだよ――』
身体を這い回る暗黒の影が、黒狼王子に怯える者達を嗤い、揶揄する。
『――君がその身を犠牲にして、その命を削り続けてまで、手に入れた暗黒の力――けれど、その力を使えば使う程に君は彼等から畏怖され、忌避され、拒絶されてしまうんだ――彼等を守る為に手に入れた力だというのにね――』
悪魔の能力で強制的に黒狼王子の感覚が研ぎ澄まされ、獣人兵や騎士達から向けられる恐怖の感情がまざまざと感じられる。
(……怖い、怖い……恐ろしい……嫌だ、嫌だ……逃げたい……死にたくない……)
黒狼王子は暗黒色の獣姿から恐れられ忌避されてきた過去の記憶が思い起こされ、いずれ全ての者達から拒絶されるであろう未来が想像させられた。
(……死神だ! 嫌だ、殺さないで!! ……恐ろしい、悍ましい、化け物が! ……来ないで! 呪われた悪魔め!! ……早く消えて、死んでくれ!! ……)
黒狼王子の胸元を、傷心を、心臓を、撫でるように這い回り、影は甘く囁く。
『――ああ、哀れで愛しい暗黒の御子――君は孤独だ――そんな君を理解できるのは僕だけだよ――僕だけが君を真に理解できる――君の全てを受け止め、愛してあげられる――君を愛せるのは、僕だけなんだから――』
影は憐れみ慈しむ声音で囁き、黒狼王子の心の傷口から入り込み、じわりじわりと浸蝕しようとする。
『――この世の全ての者が君を拒絶したとしても、僕だけは君を見捨てたりしない――唯一無二の美しい暗黒色――その色は全てを受け止め包み込む色なんだ――尊い暗黒色でこの世の全てを塗り替えてしまおう――悲哀に満ちたこの世界を、慈愛に溢れた暗黒色で染め上げるんだ――』
暗黒色を尊崇する影はうっとりと笑い、黒狼王子はうんざりとして言葉を返す。
「うるさい、黙れ」
わずらわしそうにする黒狼王子にも構わず、影は笑いながら続ける。
『――ふふふ。そう簡単に染まってくれないのは分かっているさ――でも、僕はいつだって君の側にいる――誰よりも君の気持ちを理解しているんだよ――いくら取り繕ってみても、感情までは嘘をつけない――君ですらまだ気付いていない、嫉妬や憤怒や憎悪の感情だって――』
影の言葉を遮り、黒狼王子は明確な意思で断言する。
「いくらお前が喚き続けようが、俺は惑わされない」
黒狼王子は白豚王子と満月に誓った真意を思い出し、影の声を思考から追い出す。
『――――――』
白豚王子のひたむきな真意を、難民達の明るく前向きな笑顔を、黒狼王子は思い出していた。
傷心していた過去の記憶や暗い未来の想像は搔き消され、皆の幸福を一心に願う白豚王子の甘く優しい真意が黒狼王子の心を癒す。
青褪め恐怖に震える仲間達の姿を見て、安易に近付く事は憚られて足を止めてしまっていたが、黒狼王子は決心して前へと歩みだす。
「………………」
皆が恐怖で竦み上がり黒狼王子に注目する中、黒狼王子は声の届く距離まで近付くと、周囲を見回して騎士団長に声をかける。
「魔法騎士団、負傷者の手当てを頼みたい」
「は、はい! 団員、負傷者の確認と手当てを急げ!」
硬直していた騎士団長がハッと我に返り指示を出すと、団員達もバタバタと動き出し獣人達の手当てに取りかかる。
動き出した騎士達を見て、黒狼王子は獣人兵の指揮官にも話しかける。
「敵対国の主力であろう大軍を壊滅させた。また軍勢を揃えるにも相当な時間と資金が必要になるだろう。当分は敵対国から仕掛けてくる事は無いと考えていい――」
黒狼王子は疲弊しきり弱っている獣人兵達を見やり告げる。
「――故に、獣人部隊は十分な治療を受け体勢を整えてから王城へ戻るといい。俺は一足先に王城へ戻り報告する。この後は任せる」
「……は、はい!」
指揮官の返事を聞くや否や、黒狼王子は早々に騎乗し、王城へと向かい駿馬を走らせる。
一人で行ってしまう黒狼王子を見て、我に返った御共達も慌てて後を追いかける。
残された者達は絶対的な脅威が立ち去った事で、恐怖から解放されやっと息が吐ける心地がした。
だがしかし、それと同時に獣人兵達はひどい後悔と罪悪感に苛まれてもいた。
王国と自分達獣人の未来を救ってくれた英雄に対し、感謝よりも恐怖が先に立ってしまい、あまりに無礼で恥知らずな態度をとってしまったのだから。
獣人兵達は遠く離れていく黒狼王子の姿を心苦しい思いで見送り、次こそは恐怖心を乗り越え、我らが英雄を称えるのだと強く決意したのだった。
◆
敵の大軍勢を壊滅させた黒狼王子は、王国の危機を救った英雄として讃えられた。
だがやはり、その脅威的な力から黒狼王子は人々から畏怖され、遠巻きにされるようになっていた。
身体を這い回る影を隠す漆黒の衣装や外套、口元から漏れ出る毒素を抑える獣面のハーフマスク、闇を纏い死神を思わせるその姿形は更に恐怖心を煽り、人々の目には不気味に映る。
黒狼王子は王城の中心部へと向かい回廊を歩いていく。
「ひっ!」
不意に黒狼王子と遭遇したのであろう者達の小さな悲鳴が聞こえた。
城内を歩けば、どこへ行っても人が捌けていき、瞬く間に人の気配はなくなる。
英雄であろうとも好き好んで脅威に近付こうとする者はいない――本来ならば、その筈だった。
「……殿下」
遠巻きにされた方が黒狼王子にとっても都合が良かった――のだが、それでも危険を冒して近付いてくる者達もいた。
その筆頭が、黒狼王子に長年仕えている腹心の御供達だった。
「殿下、お待ちください」
一人で行動しようとする黒狼王子に、御供達は必死に付いて来ようとする。
黒狼王子は後を追ってくる御供達に手を翳して制止する。
「近付くな」
黒狼王子は腹心の御供達ですら、忠実な御供達だからこそ、その力の特性故に遠ざけるしか方法が無かった。
「……それ以上は近付くな。闇に呪われる」
「ガトー殿下、どちらに行かれるのですか?」
「ガトー殿下、我々もお供します……」
「来るな!!」
近付こうとする御供達に黒狼王子の怒声が飛び、御供達はビクリと身体を跳ねさせて立ち止まり、耳と尻尾を垂らす。
「俺は地下霊堂に潜る。お前達はそこで待て」
そう言い残すと黒狼王子は御供達に振り向きもせず、王城の中心部へと向かう。
地下霊堂へと続く幾重にも施錠のされた重い扉を開き、黒狼王子は暗い闇の中へ入っていく。
26
お気に入りに追加
1,276
あなたにおすすめの小説
【完結】糸と会う〜異世界転移したら獣人に溺愛された俺のお話
匠野ワカ
BL
日本画家を目指していた清野優希はある冬の日、海に身を投じた。
目覚めた時は見知らぬ砂漠。――異世界だった。
獣人、魔法使い、魔人、精霊、あらゆる種類の生き物がアーキュス神の慈悲のもと暮らすオアシス。
年間10人ほどの地球人がこぼれ落ちてくるらしい。
親切な獣人に助けられ、連れて行かれた地球人保護施設で渡されたのは、いまいち使えない魔法の本で――!?
言葉の通じない異世界で、本と赤ペンを握りしめ、二度目の人生を始めます。
入水自殺スタートですが、異世界で大切にされて愛されて、いっぱい幸せになるお話です。
胸キュン、ちょっと泣けて、ハッピーエンド。
本編、完結しました!!
小話番外編を投稿しました!
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。
篠崎笙
BL
保育園の調理師だった凛太郎は、ある日事故死する。しかしそれは神界のアクシデントだった。神様がお詫びに好きな加護を与えた上で異世界に転生させてくれるというので、定年後にやってみたいと憧れていたスローライフを送ることを願ったが……。
異世界に転生したらめちゃくちゃ嫌われてたけどMなので毎日楽しい
やこにく
BL
「穢らわしい!」「近づくな、この野郎!」「気持ち悪い」
異世界に転生したら、忌み人といわれて毎日罵られる有野 郁 (ありの ゆう)。
しかし、Mだから心無い言葉に興奮している!
(美形に罵られるの・・・良い!)
美形だらけの異世界で忌み人として罵られ、冷たく扱われても逆に嬉しい主人公の話。騎士団が(嫌々)引き取
ることになるが、そこでも嫌われを悦ぶ。
主人公受け。攻めはちゃんとでてきます。(固定CPです)
ドMな嫌われ異世界人受け×冷酷な副騎士団長攻めです。
初心者ですが、暖かく応援していただけると嬉しいです。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
転生したらBLゲーの負け犬ライバルでしたが現代社会に疲れ果てた陰キャオタクの俺はこの際男相手でもいいからとにかくチヤホヤされたいっ!
スイセイ
BL
夜勤バイト明けに倒れ込んだベッドの上で、スマホ片手に過労死した俺こと煤ヶ谷鍮太郎は、気がつけばきらびやかな七人の騎士サマたちが居並ぶ広間で立ちすくんでいた。
どうやらここは、死ぬ直前にコラボ報酬目当てでダウンロードしたBL恋愛ソーシャルゲーム『宝石の騎士と七つの耀燈(ランプ)』の世界のようだ。俺の立ち位置はどうやら主人公に対する悪役ライバル、しかも不人気ゆえ途中でフェードアウトするキャラらしい。
だが、俺は知ってしまった。最初のチュートリアルバトルにて、イケメンに守られチヤホヤされて、優しい言葉をかけてもらえる喜びを。
こんなやさしい世界を目の前にして、前世みたいに隅っこで丸まってるだけのダンゴムシとして生きてくなんてできっこない。過去の陰縁焼き捨てて、コンプラ無視のキラキラ王子を傍らに、同じく転生者の廃課金主人公とバチバチしつつ、俺は俺だけが全力でチヤホヤされる世界を目指す!
※頭の悪いギャグ・ソシャゲあるあると・メタネタ多めです。
※逆ハー要素もありますがカップリングは固定です。
※R18は最後にあります。
※愛され→嫌われ→愛されの要素がちょっとだけ入ります。
※表紙の背景は祭屋暦様よりお借りしております。
https://www.pixiv.net/artworks/54224680
どうも、ヤンデレ乙女ゲームの攻略対象1になりました…?
スポンジケーキ
BL
顔はイケメン、性格は優しい完璧超人な男子高校生、紅葉葵(もみじ あおい)は姉におすすめされたヤンデレ乙女ゲーム「薔薇の花束に救済を」にハマる、そんな中ある帰り道、通り魔に刺されてしまう……絶望の中、目を開けるとなんと赤ん坊になっていた!?ここの世界が「薔薇の花束に救済を」の世界だと気づき、なんと自分は攻略対象1のイキシア・ウィンターだということがわかった、それから、なんだかんだあって他の攻略対象たちと関係を気づいていくが……
俺じゃなくてヒロインに救ってもらって!そんなこと言いながら、なんだかんだいって流されるチョロい系完璧超人主人公のヤンデレたちを救う物語
ーーーーーーーーーーーー
最初の方は恋愛要素はあんまりないかも……総受けからの固定になっていきます、ヤンデレ書きたい!と壊れながら書いているので誤字がひどいです、温かく見守ってください
コメントやお気に入り登録をしてくださったら励みになります!良かったらお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる