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本編
39.謎の強制力が邪魔をする
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少し遡り、白豚王子に視点を戻す。
翌日、僕が訓練場に到着すると、騎士団長は僕に木剣を手渡してくれた。
僕の為に用意してくれていた、子供用の少し小さいやつだ。
そして、僕を思ってかけてくれた激励の言葉はとても心強くて、僕は感激して泣きそうになり、うるうるしながら木剣を強く強く握りしめた。
「何にも勝る力は己の確固たる信念です! 己を信じ、その信念を貫いてください!!」
「……は、はいっ! ……」
訓練内容は最初、初心者向けの易しいものから始まり、慣れてくればどんどん難しいものになっていった。
やればやるだけできるようになり、身に付いていくのが面白かった。
求めれば求めるだけ教えてくれる、嬉しくてもっともっとと教えを請う。
僕は嘗て無いくらい真面目に、これ以上ないくらい真剣に打ち込んだ。
「ここまでできるとは思いませんでした。ならば次の段階に進みましょう」
「……はい! ……が、頑張ります!! ……」
僕の頑張りを見てくれる人がいる、僕を認めてくれる人がいるのだと、嬉しくて仕方なかった。
嬉し過ぎて笑ってしまいそうになる、出てしまいそうになる暗黒微笑を、僕は死ぬ気で押し殺した。
「第一王子、見直しました。見様見真似の鍛錬でここまでできるようになっていたんですね」
「途中で投げ出してしまうんじゃないかと思っていましたが、よく頑張っていますね。第一王子、偉いです」
「初めてでここまでできるとは、本当に筋が良い」
「覇気が凄い……これは将来大物になるかもしれませんね」
僕からはズモモモモと異様なオーラが溢れ出ていて、それに気付いた騎士が何故か感心していた。
僕を見つめる騎士達の視線が優しく温かいと感じる。
こんなに温かい視線を感じたのも、こんなに居心地が良いと思ったのも、今世で初めてだ。
これから、僕は皆の期待に応えられるように、頑張っていこうと思えた。
「よし、本日の訓練はここまで! 各自休憩」
終始和やかな雰囲気で、僕は無事に訓練を終える事ができた。
「第一王子もお疲れ様でした。よく頑張りました。明日からも励みましょう」
「……はい! お願いします!!」
訓練が終わり、僕はホッと一安心して、心地よい疲労感と充足感にうっとりしながら休憩していた。
(……誰かと一緒に何かするの、すごく楽しいな……頑張って動いたせいか、何だかお腹も減ってきた……)
普段よりも激しく身体を動かしたせいもあって、空腹を感じ始めた頃、どこからか甘い香りが漂ってきた。
(……あ……甘い匂い……美味しそうなスイーツの匂いがする……)
僕はくんくんと美味しそうな香りに鼻を鳴らした。
香りに誘われるまま、僕はフラフラと歩いてしまう。
前にもこんな事があったなと、僕は意識の片隅で思うのだけど、自分の身体が抑えられなくて勝手に動き、香りを辿って行ってしまう。
(……待って、待って……ダメだよ! ……そっちに行っちゃ、ダメだって!! ……)
そして、どこかの部屋に辿り着き、(いけない、いけない)と思いつつも僕は扉を開けてしまう。
そこにあったのは、やはりキラキラと光り輝くような甘くて美味しそうなスイーツだった。
(……美味しそうなスイーツ……すごく、美味しそう……食べたい……すごく、食べたい……)
キラキラと光り輝くスイーツを見てしまえば、僕の思考はもうスイーツの事しか考えられなくなり、衝動が抑えられなくて、ただひたすら貪り食べてしまう。
(……ああ、美味しい……美味しいスイーツ、甘くて美味しい……もっと、もっと食べたい……全部、食べ尽くしたい……)
◆
翌日、僕が訓練場に到着すると、騎士団長は僕に木剣を手渡してくれた。
僕の為に用意してくれていた、子供用の少し小さいやつだ。
そして、僕を思ってかけてくれた激励の言葉はとても心強くて、僕は感激して泣きそうになり、うるうるしながら木剣を強く強く握りしめた。
「何にも勝る力は己の確固たる信念です! 己を信じ、その信念を貫いてください!!」
「……は、はいっ! ……」
訓練内容は最初、初心者向けの易しいものから始まり、慣れてくればどんどん難しいものになっていった。
やればやるだけできるようになり、身に付いていくのが面白かった。
求めれば求めるだけ教えてくれる、嬉しくてもっともっとと教えを請う。
僕は嘗て無いくらい真面目に、これ以上ないくらい真剣に打ち込んだ。
「ここまでできるとは思いませんでした。ならば次の段階に進みましょう」
「……はい! ……が、頑張ります!! ……」
僕の頑張りを見てくれる人がいる、僕を認めてくれる人がいるのだと、嬉しくて仕方なかった。
嬉し過ぎて笑ってしまいそうになる、出てしまいそうになる暗黒微笑を、僕は死ぬ気で押し殺した。
「第一王子、見直しました。見様見真似の鍛錬でここまでできるようになっていたんですね」
「途中で投げ出してしまうんじゃないかと思っていましたが、よく頑張っていますね。第一王子、偉いです」
「初めてでここまでできるとは、本当に筋が良い」
「覇気が凄い……これは将来大物になるかもしれませんね」
僕からはズモモモモと異様なオーラが溢れ出ていて、それに気付いた騎士が何故か感心していた。
僕を見つめる騎士達の視線が優しく温かいと感じる。
こんなに温かい視線を感じたのも、こんなに居心地が良いと思ったのも、今世で初めてだ。
これから、僕は皆の期待に応えられるように、頑張っていこうと思えた。
「よし、本日の訓練はここまで! 各自休憩」
終始和やかな雰囲気で、僕は無事に訓練を終える事ができた。
「第一王子もお疲れ様でした。よく頑張りました。明日からも励みましょう」
「……はい! お願いします!!」
訓練が終わり、僕はホッと一安心して、心地よい疲労感と充足感にうっとりしながら休憩していた。
(……誰かと一緒に何かするの、すごく楽しいな……頑張って動いたせいか、何だかお腹も減ってきた……)
普段よりも激しく身体を動かしたせいもあって、空腹を感じ始めた頃、どこからか甘い香りが漂ってきた。
(……あ……甘い匂い……美味しそうなスイーツの匂いがする……)
僕はくんくんと美味しそうな香りに鼻を鳴らした。
香りに誘われるまま、僕はフラフラと歩いてしまう。
前にもこんな事があったなと、僕は意識の片隅で思うのだけど、自分の身体が抑えられなくて勝手に動き、香りを辿って行ってしまう。
(……待って、待って……ダメだよ! ……そっちに行っちゃ、ダメだって!! ……)
そして、どこかの部屋に辿り着き、(いけない、いけない)と思いつつも僕は扉を開けてしまう。
そこにあったのは、やはりキラキラと光り輝くような甘くて美味しそうなスイーツだった。
(……美味しそうなスイーツ……すごく、美味しそう……食べたい……すごく、食べたい……)
キラキラと光り輝くスイーツを見てしまえば、僕の思考はもうスイーツの事しか考えられなくなり、衝動が抑えられなくて、ただひたすら貪り食べてしまう。
(……ああ、美味しい……美味しいスイーツ、甘くて美味しい……もっと、もっと食べたい……全部、食べ尽くしたい……)
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