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本編
16.ケモケモ・モフモフ・フワフワ
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一方、少し遡り白豚王子に視点を戻す。
メイド長の後に続いて歩き出し、前方からの視線に気付いて僕は顔を上げた。
そして、僕の目に飛び込んできたのは、モフモフとした獣人達の姿だった。
(うわあぁー!? 獣人だ! 獣人がいる!! ケモ耳尻尾だー!!!)
僕は感動の余り、暗黒微笑を抑えるのも忘れて、ニッコニコに微笑んでしまった。
(だって、獣人だよ獣人! カッコよくて可愛くて愛らしいケモケモ・モフモフ・フワフワ・ワンダフォー・フォーエバー・ラブ!!)
僕のニッコリ暗黒微笑に吃驚して、毛を逆立ててしまっているのが申し訳ないとは思うものの、余計にモッフモフになっていて可愛く見えてしまう。
(毛を逆立てて威嚇してる仔猫とかって、傍から見ると可愛く見えちゃうよね? この人達は犬系の獣人なのかな? それぞれ、明るい茶色に、濃い茶色に、真っ黒の毛色だ)
獣人達の出現のおかげで、先程までのドン底だった僕の気持ちは、嘘のように何処かに吹っ飛んでしまった。
ケモケモはやっぱり尊い、モフモフの力は偉大だなと、当然の事ながら僕は改めて実感したのだ。
(特に一番小さい子は対比で耳尻尾が大きく見えるから、余計に可愛く見える。ふわふわ柔らかそうな毛並み、触ってみたいなぁ……あれ? どこかで見た事あるような?)
そんな事を考えながら獣人達の横を通り過ぎて、僕はメイド長と距離が空いてしまっている事に気付き、慌てて後を追いかける。
(そう言えば、隣国は獣人の国、ショコラ・ランド王国だったな。……そうだ! そこには僕の最推しがいるんだ! めちゃくちゃカッコよくてクールなダークヒーロー!!)
僕はゲームに登場していた大好きな獣人のキャラクターに思いを馳せる。
最初は悪役ポジションかと思われていたキャラクターで、その実、闇に潜み悪を挫くダークヒーローなのだ。
特殊な能力故に余り表舞台に出てくる事は無いのだが、メインキャラクター達が善故に倒せない悪とも戦い殲滅していく。
孤高の狼のようで気高く気品のある出で立ち、獣面のハーフマスクから覗く陰のある眼差し、守るべく者達の為にその身を犠牲にする悲劇のダークヒーロー。
その名も『ダーク・フェイス』、その素顔を見た者は誰も生きながらえる事はできないとされる恐怖の象徴、絶対的強者。
中二病疾患者の僕には生唾垂れ流しものの大変美味しい設定なのだ。
とにもかくにも、めちゃくちゃカッコよくて、僕の大好きなキャラクターなのだ。
(さっきのあの子も褐色の肌で色味が似ていたけど、隣国の王族の血縁者かな? 確か、ショコラ・ランド王国の王族は褐色の肌が特徴だった気がする。……という事は、やっぱり前世で考察されてたように、最推しも隣国の王族の血縁者なのかな?)
僕が考えながら歩いていると、いつの間にか国王誕生祭の会場入口前へと到着していた。
扉の前に立つと、大きく聳える扉が開かれていく。
◆
メイド長の後に続いて歩き出し、前方からの視線に気付いて僕は顔を上げた。
そして、僕の目に飛び込んできたのは、モフモフとした獣人達の姿だった。
(うわあぁー!? 獣人だ! 獣人がいる!! ケモ耳尻尾だー!!!)
僕は感動の余り、暗黒微笑を抑えるのも忘れて、ニッコニコに微笑んでしまった。
(だって、獣人だよ獣人! カッコよくて可愛くて愛らしいケモケモ・モフモフ・フワフワ・ワンダフォー・フォーエバー・ラブ!!)
僕のニッコリ暗黒微笑に吃驚して、毛を逆立ててしまっているのが申し訳ないとは思うものの、余計にモッフモフになっていて可愛く見えてしまう。
(毛を逆立てて威嚇してる仔猫とかって、傍から見ると可愛く見えちゃうよね? この人達は犬系の獣人なのかな? それぞれ、明るい茶色に、濃い茶色に、真っ黒の毛色だ)
獣人達の出現のおかげで、先程までのドン底だった僕の気持ちは、嘘のように何処かに吹っ飛んでしまった。
ケモケモはやっぱり尊い、モフモフの力は偉大だなと、当然の事ながら僕は改めて実感したのだ。
(特に一番小さい子は対比で耳尻尾が大きく見えるから、余計に可愛く見える。ふわふわ柔らかそうな毛並み、触ってみたいなぁ……あれ? どこかで見た事あるような?)
そんな事を考えながら獣人達の横を通り過ぎて、僕はメイド長と距離が空いてしまっている事に気付き、慌てて後を追いかける。
(そう言えば、隣国は獣人の国、ショコラ・ランド王国だったな。……そうだ! そこには僕の最推しがいるんだ! めちゃくちゃカッコよくてクールなダークヒーロー!!)
僕はゲームに登場していた大好きな獣人のキャラクターに思いを馳せる。
最初は悪役ポジションかと思われていたキャラクターで、その実、闇に潜み悪を挫くダークヒーローなのだ。
特殊な能力故に余り表舞台に出てくる事は無いのだが、メインキャラクター達が善故に倒せない悪とも戦い殲滅していく。
孤高の狼のようで気高く気品のある出で立ち、獣面のハーフマスクから覗く陰のある眼差し、守るべく者達の為にその身を犠牲にする悲劇のダークヒーロー。
その名も『ダーク・フェイス』、その素顔を見た者は誰も生きながらえる事はできないとされる恐怖の象徴、絶対的強者。
中二病疾患者の僕には生唾垂れ流しものの大変美味しい設定なのだ。
とにもかくにも、めちゃくちゃカッコよくて、僕の大好きなキャラクターなのだ。
(さっきのあの子も褐色の肌で色味が似ていたけど、隣国の王族の血縁者かな? 確か、ショコラ・ランド王国の王族は褐色の肌が特徴だった気がする。……という事は、やっぱり前世で考察されてたように、最推しも隣国の王族の血縁者なのかな?)
僕が考えながら歩いていると、いつの間にか国王誕生祭の会場入口前へと到着していた。
扉の前に立つと、大きく聳える扉が開かれていく。
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