31 / 37
31.使い魔との新しい関係 ※R18エロ
しおりを挟む
ノヴァを心配して、混ざり者達がすぐさま駆けつけてくる。
「大丈夫か、ノヴァ! しっかりするんだ!」
「あらあら、大変。魔力切れかしらね?」
「ノヴァ、ぎゅうしてあげるー」
混ざり者達がノヴァに触れようと手を伸ばした。すると――
バチバチッ! バチッ! バチーンッ!
――鋭い破裂音と黒い火花が散り、混ざり者達は吹き飛ばされてしまった。
「うわぁーん!」
「あらあら、大変。弾き飛ばされちゃったわ」
「なんと! これは魔力過剰の拒絶反応か!?」
混ざり者達は何故か弾かれて、ノヴァに近づくことができないようなのだ。
「これはいったい、何がどうなってるの?」
ノヴァを抱きとめたまま、僕が困惑していると、イブが見かねて説明してくれる。
「あれだけの膨大な魔力を無理やり体内に抑え込んだのですから、魔力過剰反応で他の魔力を弾くのは当然でしょう。余剰分の魔力を発散しないかぎり、魔力を持つ者は触れることすらできませんよ」
「えっ、そうなの?!」
びっくりしながらノヴァを窺えば、朦朧とした様子で眉を寄せ、苦しそうに呻いている。
「うぅ……うっ、ぐ……」
「こんなに辛そうなのに、なんとかできないの?」
僕がイブを見上げて訊けば、やれやれといった感じで教えてくれる。
「使い魔のあなたなら触れても問題はありません。早々に発散させてあげるのがよろしいでしょうね……早く手を打たないと、体内の魔力が暴走して、精神にまで影響が及びかねませんから」
イブの声音が僅かに暗くなる。
「あれだけの膨大な魔力です……最悪の場合、魔力暴走による自我崩壊の危険性も……」
「そ、そんな! じゃあ、早くどうにかしないと!!」
僕は必死に解決策を考える。
(魔力を発散させる方法か……接触や吸血でエナジー・ドレインする方法しか知らないや。えっと、大きな魔法を使った戦闘とか? いやいや、意識がはっきりしてないこの状態じゃ危険すぎる。ブラック・ホールを無理やり抑え込んだのだから……)
考えあぐねて、そろりとイブを窺いながら訊いてみる。
「発散ってどうしたらいいの? ブラック・ホールを出して、どこかにぶつけるわけにもいかないよね?」
具体的にどうすればいいのかわからなくて、僕は音を上げる。
「あら、あなた達はどこまで…………いえ、無粋ですね」
イブは言い淀み、少し考えてから僕を手招きする。
「マナト、耳をお貸しなさい」
「なに?」
なんだろうと思いつつ、耳をイブの方に傾ける。
ごにょごにょごにょと耳元で囁かれる内容は、僕の想像しえない発散方法だった。
「ふぇっ!!?」
僕が赤面してあわあわと狼狽えていると、イブは追い打ちをかけるように言う。
「大切な半身なのでしょう? ならば、使い魔であるあなたが、なんとかしなければなりませんね」
そんなことを言って、イブは悪戯っぽく微笑んだのだった。
◆
スラムの新築した部屋へとなんとか連れ帰り、僕はノヴァをベッドへと横たえさせる。
苦しげに眉を寄せて息を吐くノヴァは、熱っぽく全身を火照らせ、ひどくぐったりとしていた。
「体が熱いね……今、水持ってくるから待ってて」
「いい、行くな。くっついている方が楽になるから、このまま…………離れたくない」
いつもは凛々しいノヴァが、気弱になり僕を頼る姿を見ると、何がなんでも守ってあげなきゃいけないと強く思う。
「辛いよね、ノヴァ……今、楽にしてあげるから」
「……マナト?」
ノヴァの露出している首元に手を当てれば、すごく熱くなっているのがわかる。
「はぁ……はぁ……う……っ……」
体内の魔力を持て余し、熱っぽい息を吐き続けるノヴァ。
なんとも艶めかしい姿に、これからのことを考えると、僕はドキドキしてしまう。
ノヴァの素肌に直接手を這わせ、接触面を増やしてみるけど、それじゃあまだまだ足りない。
僕はノヴァの衣服の前を開いてはだけさせ、僕も同様に上着を脱いで服の前を開いていく。
「はぁ……はぁ……何、してるんだ?」
「魔力の発散方法、イブに教えてもらったから……ノヴァはそのままでいいよ」
仰向けに寝そべるノヴァの上に乗って、肌と肌が触れ合うように抱きしめる。
「マナトっ……なんで……やめ、ろ……って……」
困惑するノヴァが焦った顔をして僕の肩を掴み、離そうとするが、力が弱すぎて引き離せない。
「精気を魔力に変換できるのと同じく、魔力も精気に変換できるって教えてもらったんだ。それから、精気は性行為で大量に放出するから、膨大な魔力も発散できるだろうって……今は使い魔の僕しかノヴァには触れられないし……だから、僕で我慢して」
ノヴァは荒い息を吐きつつ、力の入らない体で僕を止めようともがく。
「はぁ……そんな……ダメ、だ…………」
「このままノヴァが辛そうにしてるのも、魔力暴走して自我崩壊なんてことも、絶対に嫌だよ……お願い、ノヴァ。僕として」
涙を浮かべて必死に頼み込めば、ノヴァは息を呑む。
「っ……マナト」
「ノヴァ……」
ノヴァを見つめ、緊張に少し震えながら、僕は薄く開いた口を近づけていく。
唇が触れ合いそうになる、その瞬間――
「――おい、やめろって言ってるだろうが!」
「むがっ?!」
怒ったノヴァに僕の顔面は鷲掴みにされ、制止させられてしまった。
極めて不服そうな表情で、わなわなと震えながらノヴァが喚く。
「そういうことは、本当に愛し合う者同士ですることだ!!」
真剣な顔のノヴァに両手で顔を挟まれ、僕はお説教されてしまう。
「使い魔だからって、無理にそんなことさせられない。本当に好きな相手とするべきだ。仕方ないという理由で、お前とそんな関係を結ぶのは嫌だ!!」
フーフー威嚇する猫みたいに怒っているノヴァ。
愛し愛されたいのだと訴えるその姿が、どうしようもなく愛おしい。
僕は魔力暴走の危機を恐れるあまり、ノヴァの気持ちを置いてけぼりにしていたなと、猛反省する。
「たしかに、それもそうだね」
「ふぅ……」
これで僕の暴走が収まると思ったのか、ノヴァはホッとした様子で息を吐く。
僕は一度体を離してノヴァの前に正座し、気を取り直してノヴァの気持ちの確認をする。
「それじゃあ、改めて言うね。僕はノヴァが好きだよ。ノヴァの使い魔で、相棒で、恋人になりたい。他の誰かがノヴァの相手するなんて嫌だよ。誰よりもノヴァと深い関係になりたいと思ってる。ノヴァはどうかな? 僕のこと、そんな風に見れない?」
ノヴァは起き上がり、突然の僕の告白を聞いて呆気に取られる。
「は…………本気で言っているのか?」
「もちろん」
迷いなく真剣な顔で頷いて見せると、ノヴァは戸惑いつつも、答えようとしてくれる。
「お、俺は……俺もお前が……」
目を泳がせ少し考え込んでから、意を決した表情で僕を見つめ、ノヴァは言う。
「マナトが好きだ。誰にも渡したくない。俺だけのマナトでいて欲しい」
真っ直ぐに僕を見つめる真紅の瞳には、頬を染めて目を煌めかせる僕の姿が映っていた。
胸がギュッとして、心がじんと熱くなり、幸せな気持ちで満たされていく。
「僕達、両思いだね」
なんだか、気恥ずかしくて、えへへとはにかんでしまう。
ノヴァもそんな僕に釣られてはにかむ。それから、少し心配そうに言う。
「ただ、こういったことは不慣れで……経験がないから、どうすればいいのかよくわからないんだ」
「えぇ! ノヴァ、カワイイ♡ 全部、お兄さんの僕に任せて♡ ……と言いたいところなんだけど、僕も初めてなんだよね。でも、愛があればなんとかなるから、大丈夫大丈夫」
「なんだそれ…………ふ」
呆れた顔をしたノヴァは、次いで小さく笑った。
緊張が解れた様子で両手を伸ばし、僕を抱きしめる。
「マナトが苦しくなるようにはしたくない……魔力が暴走しないよう、ゆっくりしよう」
「うん、ゆっくり少しずつね」
僕もぎゅっと抱きしめ返し、ノヴァの顔中に啄むようなキスの雨を降らせる。
ノヴァはくすぐったそうに笑って、お返しだと言わんばかりにバードキスし、キスの合間に甘く囁く。
「ふふ……マナト、好きだ……好き……好き……好き……」
「うん。僕も好きだよ。ノヴァ、大好き……好きだよ……好き……」
じっと見つめ合い、互いの唇がようやく触れ合う。刹那――
「っ!」
――魔力が一気に溢れてくるような、全身を痺れるような快感が駆け抜けた。
僕はこの感覚を知っている。吸血された時に感じた、酩酊しておかしくなってしまいそうな、どうしようもなく甘い快楽。
これが、魔力を精気として発散している感覚なんだろうか、気を抜いたらどこまでも溺れてしまいそうだ。
「……んっ……ふぅ……ん、ちゅっ……ちゅう……」
柔らかく触れ合う唇から伝わる温もりが、抑えきれない甘い衝動に変わっていく。
軽く触れるだけだったキスは、お互いの気持ちを確かめるように、少しずつ深く深く、甘く痺れる舌を絡め合うようなものに変わっていった。
「……はぁ、ん……ちゅ、ちゅっ……あ、は……ちゅぷ……」
いつしか、僕の下腹部にノヴァの熱くそそり立った硬いものが押し当たり、そこから張り詰めた欲望が伝わってくる。
僕はそれに応えるように、服の上からそっと指を滑らせ、硬いものを優しく撫であげた。
「は、あっ……ふぅ……ん……」
ノヴァは息を詰め、上気した顔で眉を寄せ、艶めかしい流し目を送ってくる。
その表情に、抑えられないほどの愛欲を感じ、僕の心臓はさらに高鳴っていく。
唇を離せば銀糸が引き、どちらのものともわからない唾を飲み込んで、僕はノヴァを見つめ尋ねる。
「気持ち、いい?」
「ああ……気持ちいい」
吐息混じりの掠れた返事が、僕の胸を甘く痺れさせる。
切なげな瞳で見つめてくるノヴァが、たまらなく愛おしい。
「じゃあ、もっと気持ち良くしてあげるね……」
「大丈夫か、ノヴァ! しっかりするんだ!」
「あらあら、大変。魔力切れかしらね?」
「ノヴァ、ぎゅうしてあげるー」
混ざり者達がノヴァに触れようと手を伸ばした。すると――
バチバチッ! バチッ! バチーンッ!
――鋭い破裂音と黒い火花が散り、混ざり者達は吹き飛ばされてしまった。
「うわぁーん!」
「あらあら、大変。弾き飛ばされちゃったわ」
「なんと! これは魔力過剰の拒絶反応か!?」
混ざり者達は何故か弾かれて、ノヴァに近づくことができないようなのだ。
「これはいったい、何がどうなってるの?」
ノヴァを抱きとめたまま、僕が困惑していると、イブが見かねて説明してくれる。
「あれだけの膨大な魔力を無理やり体内に抑え込んだのですから、魔力過剰反応で他の魔力を弾くのは当然でしょう。余剰分の魔力を発散しないかぎり、魔力を持つ者は触れることすらできませんよ」
「えっ、そうなの?!」
びっくりしながらノヴァを窺えば、朦朧とした様子で眉を寄せ、苦しそうに呻いている。
「うぅ……うっ、ぐ……」
「こんなに辛そうなのに、なんとかできないの?」
僕がイブを見上げて訊けば、やれやれといった感じで教えてくれる。
「使い魔のあなたなら触れても問題はありません。早々に発散させてあげるのがよろしいでしょうね……早く手を打たないと、体内の魔力が暴走して、精神にまで影響が及びかねませんから」
イブの声音が僅かに暗くなる。
「あれだけの膨大な魔力です……最悪の場合、魔力暴走による自我崩壊の危険性も……」
「そ、そんな! じゃあ、早くどうにかしないと!!」
僕は必死に解決策を考える。
(魔力を発散させる方法か……接触や吸血でエナジー・ドレインする方法しか知らないや。えっと、大きな魔法を使った戦闘とか? いやいや、意識がはっきりしてないこの状態じゃ危険すぎる。ブラック・ホールを無理やり抑え込んだのだから……)
考えあぐねて、そろりとイブを窺いながら訊いてみる。
「発散ってどうしたらいいの? ブラック・ホールを出して、どこかにぶつけるわけにもいかないよね?」
具体的にどうすればいいのかわからなくて、僕は音を上げる。
「あら、あなた達はどこまで…………いえ、無粋ですね」
イブは言い淀み、少し考えてから僕を手招きする。
「マナト、耳をお貸しなさい」
「なに?」
なんだろうと思いつつ、耳をイブの方に傾ける。
ごにょごにょごにょと耳元で囁かれる内容は、僕の想像しえない発散方法だった。
「ふぇっ!!?」
僕が赤面してあわあわと狼狽えていると、イブは追い打ちをかけるように言う。
「大切な半身なのでしょう? ならば、使い魔であるあなたが、なんとかしなければなりませんね」
そんなことを言って、イブは悪戯っぽく微笑んだのだった。
◆
スラムの新築した部屋へとなんとか連れ帰り、僕はノヴァをベッドへと横たえさせる。
苦しげに眉を寄せて息を吐くノヴァは、熱っぽく全身を火照らせ、ひどくぐったりとしていた。
「体が熱いね……今、水持ってくるから待ってて」
「いい、行くな。くっついている方が楽になるから、このまま…………離れたくない」
いつもは凛々しいノヴァが、気弱になり僕を頼る姿を見ると、何がなんでも守ってあげなきゃいけないと強く思う。
「辛いよね、ノヴァ……今、楽にしてあげるから」
「……マナト?」
ノヴァの露出している首元に手を当てれば、すごく熱くなっているのがわかる。
「はぁ……はぁ……う……っ……」
体内の魔力を持て余し、熱っぽい息を吐き続けるノヴァ。
なんとも艶めかしい姿に、これからのことを考えると、僕はドキドキしてしまう。
ノヴァの素肌に直接手を這わせ、接触面を増やしてみるけど、それじゃあまだまだ足りない。
僕はノヴァの衣服の前を開いてはだけさせ、僕も同様に上着を脱いで服の前を開いていく。
「はぁ……はぁ……何、してるんだ?」
「魔力の発散方法、イブに教えてもらったから……ノヴァはそのままでいいよ」
仰向けに寝そべるノヴァの上に乗って、肌と肌が触れ合うように抱きしめる。
「マナトっ……なんで……やめ、ろ……って……」
困惑するノヴァが焦った顔をして僕の肩を掴み、離そうとするが、力が弱すぎて引き離せない。
「精気を魔力に変換できるのと同じく、魔力も精気に変換できるって教えてもらったんだ。それから、精気は性行為で大量に放出するから、膨大な魔力も発散できるだろうって……今は使い魔の僕しかノヴァには触れられないし……だから、僕で我慢して」
ノヴァは荒い息を吐きつつ、力の入らない体で僕を止めようともがく。
「はぁ……そんな……ダメ、だ…………」
「このままノヴァが辛そうにしてるのも、魔力暴走して自我崩壊なんてことも、絶対に嫌だよ……お願い、ノヴァ。僕として」
涙を浮かべて必死に頼み込めば、ノヴァは息を呑む。
「っ……マナト」
「ノヴァ……」
ノヴァを見つめ、緊張に少し震えながら、僕は薄く開いた口を近づけていく。
唇が触れ合いそうになる、その瞬間――
「――おい、やめろって言ってるだろうが!」
「むがっ?!」
怒ったノヴァに僕の顔面は鷲掴みにされ、制止させられてしまった。
極めて不服そうな表情で、わなわなと震えながらノヴァが喚く。
「そういうことは、本当に愛し合う者同士ですることだ!!」
真剣な顔のノヴァに両手で顔を挟まれ、僕はお説教されてしまう。
「使い魔だからって、無理にそんなことさせられない。本当に好きな相手とするべきだ。仕方ないという理由で、お前とそんな関係を結ぶのは嫌だ!!」
フーフー威嚇する猫みたいに怒っているノヴァ。
愛し愛されたいのだと訴えるその姿が、どうしようもなく愛おしい。
僕は魔力暴走の危機を恐れるあまり、ノヴァの気持ちを置いてけぼりにしていたなと、猛反省する。
「たしかに、それもそうだね」
「ふぅ……」
これで僕の暴走が収まると思ったのか、ノヴァはホッとした様子で息を吐く。
僕は一度体を離してノヴァの前に正座し、気を取り直してノヴァの気持ちの確認をする。
「それじゃあ、改めて言うね。僕はノヴァが好きだよ。ノヴァの使い魔で、相棒で、恋人になりたい。他の誰かがノヴァの相手するなんて嫌だよ。誰よりもノヴァと深い関係になりたいと思ってる。ノヴァはどうかな? 僕のこと、そんな風に見れない?」
ノヴァは起き上がり、突然の僕の告白を聞いて呆気に取られる。
「は…………本気で言っているのか?」
「もちろん」
迷いなく真剣な顔で頷いて見せると、ノヴァは戸惑いつつも、答えようとしてくれる。
「お、俺は……俺もお前が……」
目を泳がせ少し考え込んでから、意を決した表情で僕を見つめ、ノヴァは言う。
「マナトが好きだ。誰にも渡したくない。俺だけのマナトでいて欲しい」
真っ直ぐに僕を見つめる真紅の瞳には、頬を染めて目を煌めかせる僕の姿が映っていた。
胸がギュッとして、心がじんと熱くなり、幸せな気持ちで満たされていく。
「僕達、両思いだね」
なんだか、気恥ずかしくて、えへへとはにかんでしまう。
ノヴァもそんな僕に釣られてはにかむ。それから、少し心配そうに言う。
「ただ、こういったことは不慣れで……経験がないから、どうすればいいのかよくわからないんだ」
「えぇ! ノヴァ、カワイイ♡ 全部、お兄さんの僕に任せて♡ ……と言いたいところなんだけど、僕も初めてなんだよね。でも、愛があればなんとかなるから、大丈夫大丈夫」
「なんだそれ…………ふ」
呆れた顔をしたノヴァは、次いで小さく笑った。
緊張が解れた様子で両手を伸ばし、僕を抱きしめる。
「マナトが苦しくなるようにはしたくない……魔力が暴走しないよう、ゆっくりしよう」
「うん、ゆっくり少しずつね」
僕もぎゅっと抱きしめ返し、ノヴァの顔中に啄むようなキスの雨を降らせる。
ノヴァはくすぐったそうに笑って、お返しだと言わんばかりにバードキスし、キスの合間に甘く囁く。
「ふふ……マナト、好きだ……好き……好き……好き……」
「うん。僕も好きだよ。ノヴァ、大好き……好きだよ……好き……」
じっと見つめ合い、互いの唇がようやく触れ合う。刹那――
「っ!」
――魔力が一気に溢れてくるような、全身を痺れるような快感が駆け抜けた。
僕はこの感覚を知っている。吸血された時に感じた、酩酊しておかしくなってしまいそうな、どうしようもなく甘い快楽。
これが、魔力を精気として発散している感覚なんだろうか、気を抜いたらどこまでも溺れてしまいそうだ。
「……んっ……ふぅ……ん、ちゅっ……ちゅう……」
柔らかく触れ合う唇から伝わる温もりが、抑えきれない甘い衝動に変わっていく。
軽く触れるだけだったキスは、お互いの気持ちを確かめるように、少しずつ深く深く、甘く痺れる舌を絡め合うようなものに変わっていった。
「……はぁ、ん……ちゅ、ちゅっ……あ、は……ちゅぷ……」
いつしか、僕の下腹部にノヴァの熱くそそり立った硬いものが押し当たり、そこから張り詰めた欲望が伝わってくる。
僕はそれに応えるように、服の上からそっと指を滑らせ、硬いものを優しく撫であげた。
「は、あっ……ふぅ……ん……」
ノヴァは息を詰め、上気した顔で眉を寄せ、艶めかしい流し目を送ってくる。
その表情に、抑えられないほどの愛欲を感じ、僕の心臓はさらに高鳴っていく。
唇を離せば銀糸が引き、どちらのものともわからない唾を飲み込んで、僕はノヴァを見つめ尋ねる。
「気持ち、いい?」
「ああ……気持ちいい」
吐息混じりの掠れた返事が、僕の胸を甘く痺れさせる。
切なげな瞳で見つめてくるノヴァが、たまらなく愛おしい。
「じゃあ、もっと気持ち良くしてあげるね……」
40
第12回BL大賞に参加中! 投票いただけると狂喜乱舞して喜びます!!「面白かった」「楽しかった」「気に入った」と思ってもらえたら、気軽に感想いただけると嬉しいです。
お気に入りに追加
148
あなたにおすすめの小説

龍神様の神使
石動なつめ
BL
顔にある花の痣のせいで、忌み子として疎まれて育った雪花は、ある日父から龍神の生贄となるように命じられる。
しかし当の龍神は雪花を喰らおうとせず「うちで働け」と連れ帰ってくれる事となった。
そこで雪花は彼の神使である蛇の妖・立待と出会う。彼から優しく接される内に雪花の心の傷は癒えて行き、お互いにだんだんと惹かれ合うのだが――。
※少々際どいかな、という内容・描写のある話につきましては、タイトルに「*」をつけております。
悪役令嬢は魔神復活を応援しません!
豆狸
ファンタジー
魔神復活!
滅びるのは世界か、悪役令嬢ラヴァンダか……って!
どっちにしろわたし、大公令嬢ラヴァンダは滅びるじゃないですか。
前世から受け継いだ乙女ゲームの知識を利用して、魔神復活を阻止してみせます。
とはいえ、わたしはまだ六歳児。まずは家庭の平和から──
【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」
まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。
【本日付けで神を辞めることにした】
フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。
国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。
人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
アルファポリスに先行投稿しています。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。

今夜のご飯も一緒に食べよう~ある日突然やってきたヒゲの熊男はまさかのスパダリでした~
松本尚生
BL
瞬は失恋して職と住み処を失い、小さなワンルームから弁当屋のバイトに通っている。
ある日瞬が帰ると、「誠~~~!」と背後からヒゲの熊男が襲いかかる。「誠って誰!?」上がりこんだ熊は大量の食材を持っていた。瞬は困り果てながら調理する。瞬が「『誠さん』って恋人?」と尋ねると、彼はふふっと笑って瞬を抱きしめ――。
恋なんてコリゴリの瞬と、正体不明のスパダリ熊男=伸幸のお部屋グルメの顛末。
伸幸の持ちこむ謎の食材と、それらをテキパキとさばいていく瞬のかけ合いもお楽しみください。
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる