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5.裏切りの魔女
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日が落ちる頃、闇の魔物は温かい食事を持って、闇に紛れながら石の塔へと向かっていた。
人の気配を感じ身を潜めると、王宮勤めの従者達が通りかかり、なにやら噂話が聞こえてくる。
「聞いた聞いた? 大陸一の美姫と名高い辺境国の王女が、国王陛下に謁見されるんですって」
「きっと、お美しく偉大な国王陛下に輿入れされるんだわ。大陸一の美男美女だなんて、さぞかしお似合いでしょうね」
「お二人が結ばれて辺境国が傘下に入れば、ついに国王陛下が大陸全土を支配することになるのね。おめでたい――わっ! 何か黒いの通らなかった!?」
その話を聞き、闇の魔物は悠長にしていられる時間はもうないと察し、急いで令嬢の元へと向かっていった。
◆
一方、王宮の周りでは衛兵隊が無駄話をしながら巡回していた。
「そう言えば、あの聖女どうなったんだ?」
「一向に花を差し出さないから、飯の回数を減らしていって、そのまま忘れていたな」
「おいおい、お前も忘れていたのか。さすがに何日も飲まず食わずじゃ、死んでいるんじゃないか?」
「まぁでも、国王陛下も花を差し出さない聖女に興味はないようだし、死んでも大した問題にはならんだろう」
「たしかに幽閉塔に閉じこめた時点で、いつ死んでもおかしくはないからな。くはは」
衛兵達が嗤っていると、王宮務めの従者から気味の悪い魔物を見たと報告が届く。
「最近、幽閉塔の近くで魔物を見かける者が多いが、死んだ聖女の血肉でも漁ってるんじゃないだろうな?」
「それはさすがにまずい。魔物の住処にでもなっていたらたまったもんじゃない。仕方ない、様子でも見に行くか」
衛兵達もまた、令嬢の幽閉される石の塔へと向かっていったのだった。
◆
闇の魔物が暗闇の中から姿を現せば、令嬢は嬉しそうに微笑む。
「こんばんは、ナイト」
「………………」
「ナイト?」
令嬢はいつもと違う様子の闇の魔物を見て首を傾げる。
やっと元気になってきていた令嬢を見つめながら、闇の魔物は考えていた。
令嬢の想い人である王と辺境国の王女が結ばれてしまったら、きっと取り返しがつかなくなるだろう。
欲にまみれた王が大陸全土を支配してしまったら、さらに欲深さは増長され、王が令嬢の愛に気づくことは困難になる。
それに、わずかな希望すらも断たれ、愛する人への想いまでも失ってしまったら、今度こそ令嬢の心は壊れてしまう。
闇の魔物はそう危惧していたのだ。
無理強いはしたくなかったが、意を決して闇の魔物は言う。
「リリス、祝福の花を咲かせよう」
「……え? ……急に、どうしたの?」
それまで、魔物達に祝福の花を要求されることのなかった令嬢は困惑する。
「もう一度、愛する人を想って花を咲かせて、リリスの愛の花を必ず届けるから」
「それは……でも、祝福の花はもう……」
王が変わってしまった記憶が思い起こされ、怖くなった令嬢の身体は震えだす。
「祝福の花は怖ろしいものじゃない。大丈夫だから、怯えないで」
夢を見てきた闇の魔物には、令嬢の怯える気持ちがよく分かる。
人々を変えてしまった『祝福の花』が、令嬢は怖ろしくて仕方ないのだ。
けれど、人々を救い支えてきたのもまた、令嬢の咲かせた『祝福の花』なのだ。
「どんな良薬も摂りすぎれば毒薬になる。祝福の力は使い方さえ間違えなければ、必ず良い結果を生みだす愛の力だ。これまで、リリスの愛はたくさんの人を救ってきた。祝福することを怖れないで」
闇の魔物の言葉に励まされ、令嬢の心は揺れ動く。
「人は愛なしでは生きられない。だから、愛してあげよう、信じてあげよう。リリスの愛だけが、愛する人を真の幸福に導ける救いなんだ。皆、幸せになれる――リリスの夢は叶うから。必ずリリスの愛を届けてみせるから」
力強い闇の魔物の説得に、令嬢は勇気づけられる。
令嬢は闇の魔物に見せられてきた夢から、人々の生きる美しさを、直向きな希望を、穏やかな幸せを知った。
「……分かった。やってみる……」
恐怖心を振り払い、令嬢は祝福の花を咲かせようと決心した。
深呼吸して気持ちを落ちつかせ、令嬢は静かに手を組んだ。
『――彼の者に祝福を――』
拭いきれない恐怖心に抗いつつも、令嬢は愛する人の幸福を願い、人々の穏やかな幸せを願い、懸命に祈りを捧げた。
――………………ォ――
令嬢の想いに共鳴が起きる。
祈りは形をなして、小さな小さな若葉を芽吹かせた。
――……ォォ……ォォォォ……――
固い石床の溝から芽吹いた小さな若葉は、少しずつ少しずつ成長していく。
「葉が大きくなってきた。もう少しだ」
「……はぁ、はぁ……もう少し……」
息を切らせながらも、令嬢が必死に祈りを捧げれば、共鳴はしだいに強くなっていく。
――ォォォォ……ォォォォオオオオ――
若葉は背を伸ばし、たくさんの葉を広げ、中心に小さな蕾をつける。
「蕾ができた。あと少し、あと少しだ」
「……はぁっ、はぁっ……あと、少し……」
蕾が大きく膨らみ、花開こうとした、その時――
ガシャガシャ、ガシャンッ
――鉄扉から衛兵達が雪崩こんできて、怒声が響く。
「聖女よ! 魔物に取り憑かれ、魔女に落ちたか!?」
「人を惑わす邪悪な魔物め! 成敗してくれる!!」
「「!!?」」
令嬢が怒鳴り声に動転していると、衛兵が棍棒を振り上げ、闇の魔物に襲いかかる。
闇の魔物はとっさに踏み潰されそうになった祝福の花を庇い、咲きかけていた蕾に覆いかぶさった。
「ぐ、ぁっ」
殴りつけられる鈍い音と、闇の魔物の呻き声がもれる。
「いやぁ!? やめて! やめてぇ!!」
「大人しくしていろ! 裏切り者の魔女が!!」
令嬢は衛兵達を止めようと必死に藻掻くが、乱暴に床に捻じ伏せられ、悲鳴を上げることしかできない。
花を守ろうとする闇の魔物は、抵抗することも逃げることもせず、衛兵達にされるがまま殴られ蹴られ痛めつけられていく。
「か、はっ……ぐっ……う゛、ぁ……」
「お願い、やめて! もうやめてぇ! ナイトが、ナイトが死んじゃう!!」
「気味の悪い醜い化物め! さっさとくたばりやがれ!!」
令嬢が懇願しても暴力は止まず、伸ばした令嬢の手は宙を掻くばかりで、闇の魔物には届かない。
何度も殴られる闇の魔物の身体はひしゃげていき、黒い血が壁や床に飛び散り、血溜まりができていく。
「ナイト、逃げて! お願い、逃げてぇ!!」
どんどん弱っていく闇の魔物の姿を見て、令嬢は泣き叫んだ。
闇の魔物は耐え切れなくなり、とうとうその場に崩れ落ち、祝福の花もろともぐちゃぐちゃに踏みつけられる。
「あ゛、ぁ……リリスの、花……う゛っ、ぐはっ……」
「花なんていい、もういいから! 死なないで! ナイト、死なないでぇ!!」
「…………リ、リ……ス…………」
令嬢の悲痛な叫びを聞いて、闇の魔物は最後の力を振り絞り、闇の中へと溶けるように姿を消す。
闇の魔物に逃げられた衛兵は辺りを見回し、悪態を吐く。
「ちっ、すばしっこい魔物め! 見つけだしてぶっ殺してやる!!」
「まぁ、あれだけ打ちのめしてやれば長くは持つまい。どうせ、そこら辺で野垂れ死んでるさ」
大怪我を負い大量の血を失ってしまった闇の魔物は、すぐに治癒しなければ命取りになってしまうだろう。
それなのに、衛兵に拘束される令嬢には、治癒の花を咲かせられるだけの力も時間も残されていないのだ。
闇の魔物を助けたいといくら願っても、何もしてやることができない。
己の無力さに絶望する令嬢の目からはポロポロと涙がこぼれる。
「……あぁ、ナイト……ナイト……ナイト……」
泣き崩れる令嬢を見下ろしながら、衛兵達は互いに話している。
「それより、聖女……いや、魔女の処遇をどうするかだ」
「魔物なんぞに花を与えて、しぶとく生き長らえていたようだな」
「魔物になんの花を与えたのか取り調べ、国王陛下に報告するぞ」
衛兵達は打ちひしがれる令嬢を引きずり、幽閉塔から連れ出していった。
◆
人の気配を感じ身を潜めると、王宮勤めの従者達が通りかかり、なにやら噂話が聞こえてくる。
「聞いた聞いた? 大陸一の美姫と名高い辺境国の王女が、国王陛下に謁見されるんですって」
「きっと、お美しく偉大な国王陛下に輿入れされるんだわ。大陸一の美男美女だなんて、さぞかしお似合いでしょうね」
「お二人が結ばれて辺境国が傘下に入れば、ついに国王陛下が大陸全土を支配することになるのね。おめでたい――わっ! 何か黒いの通らなかった!?」
その話を聞き、闇の魔物は悠長にしていられる時間はもうないと察し、急いで令嬢の元へと向かっていった。
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一方、王宮の周りでは衛兵隊が無駄話をしながら巡回していた。
「そう言えば、あの聖女どうなったんだ?」
「一向に花を差し出さないから、飯の回数を減らしていって、そのまま忘れていたな」
「おいおい、お前も忘れていたのか。さすがに何日も飲まず食わずじゃ、死んでいるんじゃないか?」
「まぁでも、国王陛下も花を差し出さない聖女に興味はないようだし、死んでも大した問題にはならんだろう」
「たしかに幽閉塔に閉じこめた時点で、いつ死んでもおかしくはないからな。くはは」
衛兵達が嗤っていると、王宮務めの従者から気味の悪い魔物を見たと報告が届く。
「最近、幽閉塔の近くで魔物を見かける者が多いが、死んだ聖女の血肉でも漁ってるんじゃないだろうな?」
「それはさすがにまずい。魔物の住処にでもなっていたらたまったもんじゃない。仕方ない、様子でも見に行くか」
衛兵達もまた、令嬢の幽閉される石の塔へと向かっていったのだった。
◆
闇の魔物が暗闇の中から姿を現せば、令嬢は嬉しそうに微笑む。
「こんばんは、ナイト」
「………………」
「ナイト?」
令嬢はいつもと違う様子の闇の魔物を見て首を傾げる。
やっと元気になってきていた令嬢を見つめながら、闇の魔物は考えていた。
令嬢の想い人である王と辺境国の王女が結ばれてしまったら、きっと取り返しがつかなくなるだろう。
欲にまみれた王が大陸全土を支配してしまったら、さらに欲深さは増長され、王が令嬢の愛に気づくことは困難になる。
それに、わずかな希望すらも断たれ、愛する人への想いまでも失ってしまったら、今度こそ令嬢の心は壊れてしまう。
闇の魔物はそう危惧していたのだ。
無理強いはしたくなかったが、意を決して闇の魔物は言う。
「リリス、祝福の花を咲かせよう」
「……え? ……急に、どうしたの?」
それまで、魔物達に祝福の花を要求されることのなかった令嬢は困惑する。
「もう一度、愛する人を想って花を咲かせて、リリスの愛の花を必ず届けるから」
「それは……でも、祝福の花はもう……」
王が変わってしまった記憶が思い起こされ、怖くなった令嬢の身体は震えだす。
「祝福の花は怖ろしいものじゃない。大丈夫だから、怯えないで」
夢を見てきた闇の魔物には、令嬢の怯える気持ちがよく分かる。
人々を変えてしまった『祝福の花』が、令嬢は怖ろしくて仕方ないのだ。
けれど、人々を救い支えてきたのもまた、令嬢の咲かせた『祝福の花』なのだ。
「どんな良薬も摂りすぎれば毒薬になる。祝福の力は使い方さえ間違えなければ、必ず良い結果を生みだす愛の力だ。これまで、リリスの愛はたくさんの人を救ってきた。祝福することを怖れないで」
闇の魔物の言葉に励まされ、令嬢の心は揺れ動く。
「人は愛なしでは生きられない。だから、愛してあげよう、信じてあげよう。リリスの愛だけが、愛する人を真の幸福に導ける救いなんだ。皆、幸せになれる――リリスの夢は叶うから。必ずリリスの愛を届けてみせるから」
力強い闇の魔物の説得に、令嬢は勇気づけられる。
令嬢は闇の魔物に見せられてきた夢から、人々の生きる美しさを、直向きな希望を、穏やかな幸せを知った。
「……分かった。やってみる……」
恐怖心を振り払い、令嬢は祝福の花を咲かせようと決心した。
深呼吸して気持ちを落ちつかせ、令嬢は静かに手を組んだ。
『――彼の者に祝福を――』
拭いきれない恐怖心に抗いつつも、令嬢は愛する人の幸福を願い、人々の穏やかな幸せを願い、懸命に祈りを捧げた。
――………………ォ――
令嬢の想いに共鳴が起きる。
祈りは形をなして、小さな小さな若葉を芽吹かせた。
――……ォォ……ォォォォ……――
固い石床の溝から芽吹いた小さな若葉は、少しずつ少しずつ成長していく。
「葉が大きくなってきた。もう少しだ」
「……はぁ、はぁ……もう少し……」
息を切らせながらも、令嬢が必死に祈りを捧げれば、共鳴はしだいに強くなっていく。
――ォォォォ……ォォォォオオオオ――
若葉は背を伸ばし、たくさんの葉を広げ、中心に小さな蕾をつける。
「蕾ができた。あと少し、あと少しだ」
「……はぁっ、はぁっ……あと、少し……」
蕾が大きく膨らみ、花開こうとした、その時――
ガシャガシャ、ガシャンッ
――鉄扉から衛兵達が雪崩こんできて、怒声が響く。
「聖女よ! 魔物に取り憑かれ、魔女に落ちたか!?」
「人を惑わす邪悪な魔物め! 成敗してくれる!!」
「「!!?」」
令嬢が怒鳴り声に動転していると、衛兵が棍棒を振り上げ、闇の魔物に襲いかかる。
闇の魔物はとっさに踏み潰されそうになった祝福の花を庇い、咲きかけていた蕾に覆いかぶさった。
「ぐ、ぁっ」
殴りつけられる鈍い音と、闇の魔物の呻き声がもれる。
「いやぁ!? やめて! やめてぇ!!」
「大人しくしていろ! 裏切り者の魔女が!!」
令嬢は衛兵達を止めようと必死に藻掻くが、乱暴に床に捻じ伏せられ、悲鳴を上げることしかできない。
花を守ろうとする闇の魔物は、抵抗することも逃げることもせず、衛兵達にされるがまま殴られ蹴られ痛めつけられていく。
「か、はっ……ぐっ……う゛、ぁ……」
「お願い、やめて! もうやめてぇ! ナイトが、ナイトが死んじゃう!!」
「気味の悪い醜い化物め! さっさとくたばりやがれ!!」
令嬢が懇願しても暴力は止まず、伸ばした令嬢の手は宙を掻くばかりで、闇の魔物には届かない。
何度も殴られる闇の魔物の身体はひしゃげていき、黒い血が壁や床に飛び散り、血溜まりができていく。
「ナイト、逃げて! お願い、逃げてぇ!!」
どんどん弱っていく闇の魔物の姿を見て、令嬢は泣き叫んだ。
闇の魔物は耐え切れなくなり、とうとうその場に崩れ落ち、祝福の花もろともぐちゃぐちゃに踏みつけられる。
「あ゛、ぁ……リリスの、花……う゛っ、ぐはっ……」
「花なんていい、もういいから! 死なないで! ナイト、死なないでぇ!!」
「…………リ、リ……ス…………」
令嬢の悲痛な叫びを聞いて、闇の魔物は最後の力を振り絞り、闇の中へと溶けるように姿を消す。
闇の魔物に逃げられた衛兵は辺りを見回し、悪態を吐く。
「ちっ、すばしっこい魔物め! 見つけだしてぶっ殺してやる!!」
「まぁ、あれだけ打ちのめしてやれば長くは持つまい。どうせ、そこら辺で野垂れ死んでるさ」
大怪我を負い大量の血を失ってしまった闇の魔物は、すぐに治癒しなければ命取りになってしまうだろう。
それなのに、衛兵に拘束される令嬢には、治癒の花を咲かせられるだけの力も時間も残されていないのだ。
闇の魔物を助けたいといくら願っても、何もしてやることができない。
己の無力さに絶望する令嬢の目からはポロポロと涙がこぼれる。
「……あぁ、ナイト……ナイト……ナイト……」
泣き崩れる令嬢を見下ろしながら、衛兵達は互いに話している。
「それより、聖女……いや、魔女の処遇をどうするかだ」
「魔物なんぞに花を与えて、しぶとく生き長らえていたようだな」
「魔物になんの花を与えたのか取り調べ、国王陛下に報告するぞ」
衛兵達は打ちひしがれる令嬢を引きずり、幽閉塔から連れ出していった。
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