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魔獣狩り編
Lv.112 捕食者はどちらか
しおりを挟む「普段は憲兵隊の騎士として主に見回りや監視を行っているのですが、魔物相手の戦闘訓練は一通りこなしていますので問題なく対処出来るかと」
「それは頼もしいな。私は魔術師協会所属の魔術師だが、要請を受けて調査に当たるのは今回が初めてでね。色々と学ばせてもらうよ」
「初仕事がこれですか。それにしては、戸惑っていませんね」
「これでも驚いているんだけれど。既に知っているかもしれないが、一応自己紹介をしておこうかな。私はテベネスティ。ここを終えたら貴方の職場を案内して欲しい」
「監獄塔に興味がおありで?」
「大いに」
テベネスティが懐に仕舞い込んでいる書状を示すと騎士は「ああ」と頷いた。最近よく見る印が意味するところは即座にわかる。
「許可が出ているわけですか。このところ魔術師が頻繁に訪れますし、まるで観光地ですね」
「悪趣味な展覧会を催す観光地か。檻の中を鑑賞などまるで見世物だ」
「入る側にはくれぐれもなりませんように」
「心得ているよ」
偽の魔除け回収を一通り終え、テベネスティはファルデルトからつけられた騎士と東へ向かっていた。イヴァラディジが打ち立てた方針通り、東の結界へ穴を開ける為である。
染料に染められた結界を馬上から見上げ、中々良い色が出ているじゃないかとテベネスティはご満悦だ。
二人の操る馬は騎乗用として育てられていたわけではない。そのため走りは弱いが、ないよりはマシである。後ろからは魔除けや素材となる荷物を積んだ馬車が追いかけていた。
「魔物に対し有効な魔導具を作成出来ればこの上なく素晴らしいんだけれどね」
「ははは、この状況を実験に結びつけようとは。見た目に似合わず豪快なお方だ」
「男児たるもの、正面から苦難を退けなければ。だろう?」
「違いない」
快活に笑い前を駆ける二人を見ながら、すぐ後ろを走っている馬車の御者とその隣に座る役人は遠い目をしていた。聞いている側からすれば互いに嫌味とも取れる際どいやり取りを始め、そうと思えば次の瞬間わっはっはと二人で笑い始めたのだ。意味がわからない。
御者と役人たちは一抹の不安を覚えた。魔除けを偽物と見抜いた魔術師とは聞かされたものの、どうも変わった男にしか見えないのだ。
結界があるとはいえ魔獣が覆う空、昼前だというのに町は薄暗い。そんな状況にあって役人や民たちは怯え震えているというのに、騎士も魔術師・テベネスティもまるで周囲の光景が見えていないかのような振る舞いだ。
どころか、魔獣との対面が楽しみだと取れる発言もしている。薄ら寒さを感じる者や妙な苛立ちを覚える者など反応は様々だった。
「ところで、魔術師協会から派遣されたのはテベネスティ殿だけではないのでしょう? 他の方々はどちらに」
「そういえば聞いていなかった」
ゆっくりと速度を落とすと、テベネスティは御者の横に座っている役人へ大声で疑問を投げかけた。
「他の魔術師たちはどうしている?」
「町の外へ調査に出たと思いますが、異変を知らせたのが彼らであれば関所に居るでしょう」
「居るとすれば関所だそうだ、騎士殿!」
やはり大声を張り上げ騎士へ伝えてから速度を上げる。騎士の隣まで戻ると、何やら考えているらしい顔を見て訝しんだ。
「西にはあのお方が向かわれたでしょう。こちらは神官に加え、魔導具所持の魔術師が同行しているのでまだわかるのですが、あちらには戦力が足りているのでしょうか。南や北にも手の者が居ると仰られていましたが」
「若様に勝算が無ければ西へ向かったりしないだろう。南はわからないが、北は大丈夫だ」
「と、言いますと?」
「北にはファリオンという男が居る」
テベネスティは前の晩、重夜の出来事を思い返した。
◇
「ああ、ちょうど良かった。見回りの兵士さんかな?」
「こちらから叫び声が聞こえたのだが」
「私の用件もちょうどそれでね。こっちへ来てくれるかな、怪我人が居る」
「まさかとは思うが、獣でも出たのか?」
「いいや、それなら私がこれだけ落ち着いていられるわけがないだろう? あんまり長く閉じこもっていたせいで気が触れたらしくてね。私を見るなり魔獣だと騒がれたよ」
「……ご苦労だったな、医者に見せよう」
「それは助かる。ちょっと足をかけたら派手に転んでしまったんだよ。どうやら夫婦みたいなんだが、奥さんは旦那の有り様に動揺している。丁重に扱って欲しい」
「待て、そもそもお前はどうしてこんな夜中に出歩いているんだ」
テベネスティは巡回の兵士二人に睨まれ気まずそうに肩を竦めた。目を逸らして小さく「あまり褒められた話ではないのだけど」と切り出す。
「ここらの商会に雇われているんだ。ほら、西側に居ると巡回の方もお見えにならないだろう? それだとどうにも安心出来ない。雇い主に最もらしい理由をつけて店に泊めさせてもらっていたんだ。こんな時間だ、外から音がすれば様子を窺いたくもなるだろう。そのせいで酷い目にあったわけだが」
「今回だけは見逃してやる。これに懲りたら夜、外を出歩くな」
「ああ、もう散々だ」
「その夫婦のところへ案内しろ、引き取ってやる」
気を失い伸びている男と、それを介抱する女を兵に引き合わせたテベネスティは、礼と労いの言葉をかけ歩き出した。こんな時間に「徘徊してしまった男」は兵士に保護され、女は事情を聞くため関所に連れて行かれる。
テベネスティは女に「盗みのことは黙っておこう。その代わり、言う通りの証言をして欲しい」と掛け合っていた。
女の力では男を止めることが出来ず、こんなところまで来てしまった。近くに居た人間を魔獣だと思い込んで襲い掛かった。そう口裏を合わさせている。これならば男が目覚めてすぐ何を言っても兵たちは取り合わないだろう。
そう例えば、「魔獣に魔除けが効かなかった」など。
[北、ファリオンです。神官を取り逃がしました]
[東、了解した。騎士でもない人間が悪魔堕ちを退治出来るとは思っていない。少し休め]
[ありがたい話ですが、そのような時間はないかと。次の目的や向かった先がわかりません]
[……各位通達、魔獣憑きの神官が北から逃亡、動向及び所在は不明。周囲に警戒を。緊急時の対処は各自判断に任せるが、該当の対象もしくは関連すると思われる個体を発見した場合、現状を放棄して構わない。健闘を祈る]
魔導具から漏れ聞こえて来た会話に耳を傾けながら、テベネスティは走った。ファリオンは平時のように冷静な報告を上げてはいるが、背後から魔物の唸り声が拾えたのだ。神官・ウィップの離脱があっても戦闘行為自体は終了していないと確信している。
一度通りの角で足を止め魔獣が居た辺りを覗き込むと、案の定ファリオンと魔物の戦闘は続いていた。ファリオンが数体の魔獣を相手取り、防戦一方になっている。
テベネスティの存在に気が付いたらしい魔物が威嚇すると、それを追って到着を知ったファリオンが顎で結界装置を示す。持っていけと言うのだ。
「ここは引き受けますのでお早く」
「でも」
「設置出来なければ町全体が危険に晒されます。迷う必要はありません」
睨まれたわけではない。けれど強い眼差しでファリオンがテベネスティを見た。ほんの僅かな間合っていた視線をテベネスティが外し、ファリオンの横へ駆け寄り結界装置を攫う。
脇に結界装置を抱え込んだテベネスティは魔物たちの横を走り抜け、そのまま振り返ることなく駆けて行った。背後から追う気配も叫びすら聞こえない。ファリオンは本当に足止めを成功させたのだ。
「北、テベネスティ。設置に適した場所を発見。若様指示を」
普段から魔導具の扱いに長けているテベネスティは素早く設置を終えた。魔物の気を逸らせそうな魔導具を手持ちに確認し、急いでファリオンの元へ駆け戻る。
が。
「居ない……?」
ファリオンが平然と立っている前に、魔物たちの姿はなかった。魔物たちから逃げることを覚悟し走って来たテベネスティは肩で息をしながら呆然とファリオンを見つめる。確か三体は居たはずだ。それがこの短時間で倒されるなど、あるだろうか。
「魔物たちにも逃げられてしまいました」
「……よく、無事で」
「運が良かったです。例の魔獣にでも呼び戻されたのではないでしょうか。一瞬で影になって去って行きましたよ」
ファリオンは無傷にも関わらず、辺りには血の匂いが漂っている。不審に思うなというのは無理な話だろう。
しかし言外に追及するなと釘を刺されたテベネスティは相槌を打つことしか出来なかった。好奇心の赴くまま奔放に振る舞うのが彼女の常とはいえ、時と場所や相手くらいは選ぶ。
「足跡を追ってもいいだろうか」
「必要ありません」
「……そのようだ」
気が付いていない風を装って探りを入れれば、思っていた通りの返答だった。わずかに細められた眼差しにどのような意味が込められているのか、真意を推し量ることは出来ないが、これは相手にしてはいけない。深追いはしないに限る。
テベネスティは手にかけていた測定器をそのまま仕舞い込んだ。
「わざとらしく伺いを立てれば、相手に意図を悟らせますよ」
魔術師として振る舞っている以上、貴族社会から離別しているつもりなのでしょうけれど。そう続けられたテベネスティは、ファリオンが何もかも見破っていることを悟り、息を飲んだ。
◇
「足跡を追っていいだろうか」という問いだが、ああいった場面で伺いを立てるのは「足跡を追えば貴方に辿り付くが、良いだろうか」と聞いたも同然だった。
本当に魔獣の元へ撤退したのであれば、魔獣の居場所が特定出来る。所在の把握が優先事項でありながら必要ないと断じたということは、不可能だと知っていたのだ。
彼が既に魔物を倒してしまったのだから。
「北へ現れる魔獣たちが気の毒だな」
「それほどお強いのですか」
「強い……というよりは単純に底知れない男だ。不用意に触れない方がいい。絡め獲られて喰われる」
「なんだか蜘蛛のような男ですね」
「蜘蛛か」
確かにな、とテベネスティは苦く笑った。
魔獣はファリオンの目の前で召喚術を扱ったが、テベネスティにはどうにも彼が意図的にそれを見逃したように思えてならない。
考え過ぎかもしれないが、ファリオンであれば神官が魔獣騒動の中心人物だとわかった時点で次に打つ手を警戒していても良いような気がしたのだ。
あの短時間で三体以上の魔物を倒したくらいだ、確かな腕があるのだろう。しかしそれを隠している意図だけが読めない。「自分にはそれ程の力はない」という演出の為に彼は大規模召喚を見逃したのだろうか?
「恐ろしいよ、私にはね」
テベネスティからすれば豹変した神官やそれに憑りつく魔獣よりもファリオンの方が余程得体が知れない存在のように思える。ぶるりと震えながら手綱を取り、一層早く東の結界装置前へ向かった。
「もっとかかるかと思っていたのに。アナタが魔術師のテベネスティさん?」
「貴女がケネレアですね」
「ええ、ケナーでいいわ」
「では私もテネスと」
「そちらは?」
「南西地区カレディナ監獄塔・憲兵隊騎士所属のレバッシュです。レバッシュ・バンロッタ」
「よろしく、レバッシュ騎士。貴方の他に、騎士は?」
「西に向かいましたが、クラウセッテ・シェルバメントが居ます」
当然のように家名があることから騎士たちは貴族だとわかる。家から孤立していたテベネスティは通常施されるはずの教育が足りていなかったため、家名だけではどこの領地出身でどの派閥に身を置く家なのかわからない。
「騎士は二人だけってことね」
「そうなります。何せ今回要人を迎えるだけのつもりでしたので」
「うーん、憲兵隊騎士が戦うのはあまり想像出来ない……」
「内部事情になりますが、実は憲兵隊騎士というのは見張りだけが仕事ではないのです。どんな状況にも対応しうる技能が求められますので」
「その割には花形ではないような」
「正直にものを言う方ですね」
役人たちから言わせればケネレアも「神官らしく」なく、この場に居ること自体疑問である。訝しむ視線に怯むことなくケネレアは馬車へ寄り、ひょいと中を覗き込むと偽の魔除けを摘まみ上げた。
「へー、ガワだけはちゃんとした素材使ってる。これじゃ一見して偽物なんてわからないわけね」
「何が本物と違うんですか」
「魔除けはその名の通り、魔を跳ね除けるというか、魔の方が避けるというか。魔物とかが嫌がる要素が組み込まれているんだけれど、これは逆ね。これじゃ目印というか……人間が持ってたら『しっかり味付けしました』ってお皿に盛られた状態に見えるかな、魔物には。好物が大声で『ここに獲物居るよ』って自分から言ってたらそりゃ大喜びよ」
「なるほど、肉が塩を振られた状態かつ程よい焼き加減で置いてあると」
「そんな感じ」
「奪い合いになりますね」
「でしょ」
レバッシュ騎士とケネレアの会話を聞きながら役人たちは顔を青ざめさせた。そんなものが大量にあれば、真っ先にここへ魔獣が雪崩れ込んで来るのではないだろうか。
「これを実験に使いたいのだけれど、神官としてはどうなのかな」
「むしろ証拠隠滅の勢いで使ってくれて構わないけど」
「ありがたい。じゃあ早速結界に穴を開けようか」
「な、これに穴を開けるっていうのか?!」
ついて来た役人二人と御者がギョッとして非難する。頭がおかしいだの報告を上げるだのと言い出したが、テベネスティは冷静だった。
「何をしに来たつもりでいるのか知らないが、これも王子の指示だからね。反逆罪に問われたければどうぞご随意に」
「そんな、馬鹿な」
「馬鹿でもなんでも、生き残りたいならやるしかないんだよ」
「死んでしまうだろう! 魔獣が入って来るんだぞ」
「このまま結界が永遠に存在しているとでも?」
テベネスティの言葉に役人たちがハッとしたように固まった。そこまで頭が回っていなかったのである。大群で現れた魔獣に偽の神官、魔除け、王族の登場。
怒涛の勢いで目まぐるしく起こる事態に彼らの思考は追い付いていなかった。結界の向こう側でひしめき合う魔獣。王子が直々に指揮を執っていることで「助かった」と錯覚していた状況が、危うい一枚岩であることにようやく気が付いた瞬間だった。
「魔獣が結界内へ侵入した際は私が足止めをしますので」
「正気か!? 相手は魔獣だぞ! 一人で何とか出来るわけないだろ、こんな数!」
「確かに無謀ではありますが。私は死にたくないので、それなりに足掻くつもりですよ」
「だからって、」
「みっともないことを言って恥ずかしくないのか!」
「自分が死にたくないから戦う。行動に結果さえ伴えば恰好のつかない理由でいいんです。一体誰に見せつけるんですか、ここには誰も居ないのに」
役人も御者も口を閉ざしレバッシュ騎士を見る。先程連れて来られたばかりで、巻き込まれた立場だ。どうしてこの状況を受け入れようというのか。
「何もないんですか? 今の貴方たちの中には。食べられたくない、死にたくない。町は、家は、知人は、友人は、家族は、守りたくないですか?」
ケネレアは何も言わずにレバッシュ騎士や役人たちを見ていた。対してテベネスティは黙々と準備を進めている。結界の一部だけを壊すというのは実に繊細で難しい作業だ。下手をしたら亀裂が走りあっという間に結界自体が破綻してしまうことも考えられる。
手際よく準備を進める彼女の目には、最早迷いや戸惑いを抱く人々など映っていなかった。
「この町に何の義理も思い入れもない他所の人間に、俺たちの命を預けられるもんか」
一人の男が吐き捨てるように言った。震えを帯びた体に、目尻からは涙が溢れている。拳を握りしめ前を向き、魔獣を睨んだ。
「関所はずっと俺たちが管理して、盗賊や野盗の侵入を防いできたんだ。俺たちには町を出入りする相手を見極める義務がある。だからこそ言うが、今回の団体さんはお断りだ」
そう言うと眉間に皺を寄せ、怒り顔のまま今度はレバッシュ騎士を睨んだ。
「アンタに一応、任せることもあるがな。よそ者に好き勝手やられちゃ困るんだよ。魔獣にも、アンタらにも。だから教えてくれ、俺は一体何をしたら丸ごと追い返せるんだ」
バシン、と大きく音を立てレバッシュ騎士が男の背中を叩くと、二カッと笑った。
「貴方がかっこつけたらまぁ、私たちくらいは見ててあげますよ」
一人の役人は逃げるように走り去ってしまったが、その場に残った全員が自分たちも手伝いをすると申し出た。見渡した男たちの指先に震えを見て、レバッシュ騎士は言い放つ。
「俺もな、こう見えてすごく怖い」
だから勝利の暁には歓迎してくださいよと剣を握りしめ、結界を見つめた。テベネスティは結界へ向かい、魔導具を展開する。
東、結界に穴が開いた。
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