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盗賊の街編
Lv.134 裏切りの匂い
しおりを挟む「そんな、どうして」
驚きに固まる僕たちの目の前には、盗賊団ゲンデンと思われる男たちを引き連れたバゲル騎士が居た。
申し訳ないとでも言いたげな表情のままこちらへ真っ直ぐやって来る。
そして。
僕らの横を駆け抜けて行った。
「どうしてあんなに連れて来たんですかっ!?」
コルテフェルト公爵家別邸。森とも言える広大な敷地で僕の絶叫が響いた。
急いでバゲル騎士の背中を追いかける。
「ま、待ってください! お屋敷に戻って私兵たちに捕えさせますからっ」
「それは承諾しかねます。セリネトゥア嬢、聞けば姉君からお屋敷を引き継いだばかりだとか。使用人は全て把握しておいでか」
「それは、いいえ。お姉様からの引継ぎ時に一部使用人の入れ替えが行われましたので、まだ全てを把握しているわけではないのです」
「入れ替え範囲に兵士も含まれていたのでは?」
「ええ、その通りです」
「では単刀直入に申し上げる、私兵は彼らの手引きをしていた。勿論全てではないだろうが、敵味方を見極めている余裕をあちらが残しておくとは到底、思えない」
窓が割れ、バゲル騎士は様子を窺いに外へ出た。それに続いた私兵は二人。
軽く見て回ると人が居た痕跡がまるでないことにバゲル騎士は首を傾げた。精霊魔法によるものなので当然なのだが、この時点では原因もわからないので不思議に映ったのだろう。
バゲル騎士が調査の為庭、というよりほとんど森だが、案内を頼んだ。
私兵は最初、おかしなところはなかったらしい。
けれど僕らと物置き前で鉢合わせしたゲンデンたちは、外へ逃れたと考え私兵と合流してしまった。バゲル騎士がその場に居るとも知らずに。
「私兵とゲンデンが繋がっていたということですか」
「兵士をどのようにして雇い入れたのかは存じ上げ無いが、恐らくは」
「ドッシュバル男爵やデンバリッテ子爵にコルテフェルト公爵が繋がっているとすれば、入れ替わりが行われたという一部を疑うべきか元々居た人間を疑うべきかわかりませんね。私も屋敷に戻らない方が良いかと」
「ダルコスタ殿、それは一体どういう意味か」
「ゆっくり説明して差し上げたいのは山々ですが、後程お時間をいただければ。彼ら、思っていた以上に動きが良いようですし」
「確かに今日初めて訪れたという様子ではないな。セリネトゥア嬢にはお辛い話だろうが、内部を疑った方が良い」
バゲル騎士はなんといっても騎士だ。
喋りながら走るだけの余裕があっても頷ける。それにシャムル様はダルコスタさんに抱えられているため、息を上げて喋れない僕と違い会話に応じられるのも、そうおかしいことじゃない。
それよりもダルコスタさんだ。
第五王子殿下の側近、補佐官のような役職だと言っていた気がするのだが、もしや近衛兵まで兼ねているのだろうか。
〔魔力的な要素は感じねぇな。身体に直接的な補助を行ってる様子はねぇ。仕掛けがあるとすれば服の方だが、織り込んであるとしたら触れねぇと読めねぇな〕
(なんだか不思議な人だよね。敬語を使ってはいるけど、へりくだってる感じはないというか、言葉だけ、って感じがする。横柄な態度ではないんだけど、なんだろう……違和感があるような)
〔発音的な問題か? あるだろ、地方ごとに癖が〕
(うーん、発音より所作、かな。言葉だけなんだよ、なんか)
〔なんだそりゃ〕
ゼェハァ息が上がっているのは僕だけだ。
身長差からしてまず足の長さが違うので一歩の距離が大きく出る。
タスラは脚力があるので足の長さなど問題ない。一見すると少し独特な走り方だが、人間として無理のない範囲に収まっている。
跳ねるように走るのだな、程度だ。
イヴァを抱えながら走るのは、僕からすれば難易度が高い。
ロッドさんは小柄とはいえよく人一人を抱えて走れたものだ。頭をそこら中にぶつけられたけど。
そういえばハドロニア様にも担がれたなぁ、などと息を切らしながら考えていると、バゲル騎士が方向を転換し走っている僕をそのままの勢いで抱え上げた。
「うわっ!?」
「このままでは追いつかれる。二手に別れよう」
「かしこまりました。キサラ様をよろしくお願いします」
「頼まれた」
ザッと示し合わせたように真逆の方向へバゲル騎士とダルコスタさんが分かれる。
追っ手は戸惑ったように一旦足を止め、あっちだこっちだと言いながらバラバラと二手に別れた。
「あちらはセリネトゥア嬢の先導で楽に出られるはずだ。問題はこちらだが……」
「僕が案内しようか、キサラ」
「出来るの?」
「これだけ木が居るから簡単だよ。道を聞けばいい」
「木々の声が聞こえるのか!?」
タスラがニヤリと笑ってバゲル騎士を見た。
バゲル騎士は気の抜けたように息を一つ吐くと、タスラに続く。
ただのお荷物になるわけにはいかないので、後ろは僕が監視していよう。幸い後ろが見やすい担がれ方だ。
「ほとんどあちらへ行ったみたいです。大丈夫でしょうか」
「別邸の管理者に見られたのだ、何がなんでも捕まえようとしているのだろう。貴族の居住区画から抜ければ酒場の男たちが足止めなりなんなりする。我々は屋敷の処理だ」
「あれっ、これってお屋敷に向かってるんですか」
「そうだよ。お嬢様を逃がして、別邸の制圧……じゃないの?」
「それで間違いない。使用人に逃げられては困る」
「えええええ」
タスラの物わかりが良すぎるのも問題だ。
侵入経路、というよりはほとんど物置きの調査だが、そちらもこなそうと説得された。
さっきと言ってることが違う!
「少し待ちたまえ」
バゲル騎士はタスラに声をかけると僕をその場に降ろし、剣を構えた。
「数が減ったのはありがたい。単独での制圧が可能になった」
木々の間に立って剣が振り回せるのだろうか。
後から聞いた話では、脱走者が出た場合を想定して森の中での捕縛訓練もしていたらしい。
地面に転がした男たちを次々縛り上げて行くバゲル騎士は、やはり強いのだなと思った。
「さすがに数が増えれば取りこぼしも起きるからな。仲間を呼ばれては一度捕まえてもすぐに放たれる」
「だから応戦しなかったんですね」
「私はあくまで捕縛のための騎士だからな。第一に考えるのは遂行可能な状況をどう作り上げるか、だ。まぁ、君が現れるまで長らく忘れていた仕事でもあるのだがね」
苦く笑うと木々に括り付けた男たちをそのままに屋敷へ向かう。
今度は走ったりせずに慎重な動きだ。音を立ててはまだ事態を把握していないであろう別邸の人間を刺激するから、と。
「盗賊団ゲンデンの内通者が屋敷内に居るとして、どうして今日僕が来ることを伝えなかったんでしょうか」
「そうか、屋敷の人間が繋がっていればセリネトゥア嬢が君をもてなそうと準備していることも筒抜けだな。……ふぅむ、もしや君を攫いに来たのかもしれぬな」
「僕を、ですか?」
怪訝な顔をした僕にフッと笑うとバゲル騎士は服を示す様に胸をとん、と指で弾いた。
「記憶が正しければこれは、神官見習いの服だと思ったがね」
「あ」
「君を餌に本命を釣り上げる。早い話が、ファリオン殿だ」
「神官役をしているからですか?」
「憶測でしかないがね。君たちが演じているのはただの神官ではない。儀式を遂行する特別な人間だ」
ファリオンさんの言葉が蘇る。
預言者の弟子と同じ立場。権力に偏りを生む存在ではないかという予想が現実味を帯びてきた。
「特別な神官を獲得し、何をしたいのかは不明だが一つだけ確かなことがある。この時期に神官を失えば儀式は遂行されず、この地方は冬に閉ざされる。それを恐れず、厭わない者の仕業だ」
ごくり、と喉が鳴った。
冬迎えの儀式。春の訪れを告げる儀式。
二つの儀式は起点と終点、始まりの儀式と終わりの儀式でもある。
冬は全てを閉じ、眠らせ、或いは終わらせる。
春は閉じられたものを開き、目覚めさせ、始まりを与える。
閉じる冬が始まり。これに行われるものを起点の儀式。
開かれる春が終わり。これに催されるものを終点の儀式。
ややこしいことにそう呼ばれている。
冬を迎え、春を告げる。
それが人間の営みだ。妨げてられては生きていけない。
今、ようやく気が付いた。
当たり前だと思っていた儀式。そしてそれを行う「特別な」神官に対する認識が変わっていく。
この街に到着してバゲル騎士と再会し、図書館へ神話を調べに行った。
何故冬が起点で春が終点と呼ばれるのか。考察やそれに絡めた神話の引用なども見た。
「雪だ」
僕らの知っている雪と神話に登場する雪は全く違う性質を持っている。
儀式が確立する前の雪は、ただ白く冷たく、時に降り積もるものではない。最早災害だ。
人は生きていけず、植物は呼吸が出来ないまま、動物は眠り続けるしかない。
儀式が行われないとなると、この地方に訪れる冬はただの経過として訪れる季節ではなくなってしまう。
形の無い、「死」だ。
(神官ウィップが魔獣に憑りつかれたのって、偶然じゃない、のかな)
〔確かにな。アイツは儀式に参加するはずだった〕
(そうだ、おかしいよ。因縁のある魔獣が死霊になって、どうして憑りつく先がウィップだったんだろう。魔獣が死んだときに立ち会っていたならその時点で復讐は終わったって思うはずなのに)
〔魔獣側が探したんじゃねぇのか。なんだ、執念ってやつだ。死霊が長く移動して存在し続けられるとも思えねぇからな……幾つか媒体を経由して、最終的に憑りついたんじゃねぇか?〕
(神官になってさぁこれから慰問を始めるってときに現れたと思う?)
〔そりゃあねぇな。あんだけの魔除けに細工して、別のもんに作り変えてやがったんだ。準備期間はどうしたって長くなる。考えられるとすりゃぁ出来上がりと時機を待って実行に移した、ってとこだろ。その方が確実だしな〕
ウィップの体内に長く潜伏していたのは間違いない。
死霊がじわじわと侵食して体を蝕み、自分の魂を馴染ませなければ体が自由に動かないからだ。
しかしそれでは、馴染ませてから行動するまでの時間が長い。
準備期間を待つだけの忍耐が、あの魔獣にあるだろうか。
(人間の思考を誘導したりって出来る?)
〔そうだな。憑りついてからが長けりゃ思考の主導権ぐらい握れるだろ。あたかも自分の考えであるかのように装うんだ〕
(そしたらさ、魔獣に引っ張られるんじゃない? 考え方とか、価値観とか)
〔まぁな。でなけりゃあんな大それたことを人族がするとは思えねぇ。それがどうかしたか?〕
(イヴァ、魔獣の件はまだ終わってないのかもしれない)
〔何言ってんだ。お前が魔獣の魂を、なんだ、GAに渡したろ。あれで終わりだ〕
(違う。魔獣だったんだよ、イヴァ。魔獣は魔導具を使わない)
〔そりゃ、そうだろ。獣の形をしてたらどうしたって道具になんざ頼れ、ねぇ〕
気付いたらしい。
魔獣は魔導具を使わない。それは前にも聞いたから知っている。
けれど神官ウィップは魔除けを改造し、罠として使用した。
魔獣は道具に頼ったりしないのに。
(ウィップの知識があったとして、それを使う可能性はある?)
〔ねぇな。そもそもが罠って発想を持たねぇ。あったとして地形を利用する、身体的な能力を活かす。その程度だ。……つーことはなんだ、協力者がいたってのか〕
神官ウィップに魔除けの知識があっても、それを転用するところまで考えが及ぶ可能性は低い。
何故ならウィップは神官であって、伝統的な作成方法を継承はしても新たな物を考案し制作する職人や魔術師ではないのだ。
(簡単なことを見落としてたよ。魔法陣には文字と図形が要る)
〔ッ! そうか、人の形に憑りついてやがったから失念してたぜ。魔獣が人型を取ったとこで奴らは魔法陣を刻めねぇ。文字を、形を知らねぇからな〕
姿を見せなかった上級魔獣、不可能に近い魔除け改造に、魔獣が刻めないはずの魔法陣。
不意に兄さんとジェリエくんのことを思い出した。
対魔獣戦の最中にきっと、何かがあったはずだ。
シュヒの場合は別邸の遺体を騎士団の人間に発見させるのが目的で姿を隠した。
では、二人は? 一体何から、身を隠しているのだろう。
肩に手を乗せられ、ハッとした。
別邸はいつの間にか目の前にある。考え事をしている間に到着したのだ。
「すみません、少しびっくりしたみたいで」
「確かに、あんな連中に突然追いかけられては驚くだろう。何せここは貴族の居住区画だからな。どのようにして侵入したのか」
「物置きから出てきました。貴族様のお屋敷は、物置きが広いんですか?」
「いや、そんなことはないと思うが。しかし物置きで何を盗むというのだ、金目の物は普通そんな場所には置かないが」
まずは広間に向かう。使用人たちを一か所に集めたのは結果的に良かったかもしれない。
扉には鍵がかかっていたので、コンコンコンと叩いてから中へ声をかける。
騎士を伴って戻って来たことに安心したのか、ホッとしたように肩を下す姿が見えた。
「戻ってくるまでに何か変わったことはありましたか?」
「多くの足音がしました。扉を閉じて鍵をかけてあったので大事には至りませんでしたが、しばらく続いて恐ろしかったです」
「そのうち窓が再び割られて侵入されてしまうかと思いましたが、神官様の結界のおかげでしょうか、大事に至りませんでした」
「外側から押し入ろうというような動きはありましたか?」
「いえ、ご覧のように閉じ切ってありますから、こちらからもあちらからも姿は見えませんので」
また戻って来るんじゃないかと警戒し、声を潜めて教えてくれる。
入ってすぐ扉を閉じて鍵をかけたので、余程のことがなければここは安全だ。
「このお屋敷の方が全員無事か確認を取ります。皆さん役職や分担されている仕事場ごとに集まってください」
大きな声を出したら駄目だと思ったので、こちらも声を小さくして近くの人達に声をかけていく。
そのうち皆動き出し、役割ごとにまとまってくれた。
一つ一つの場所で声をかけ、姿が見えない同僚などは居ないか確認していく。
もしかしたらこの中にゲンデン側の人間がいるかもしれない。
不審に思われない程度に動きや表情を観察し、バゲル騎士と共に壁際へ寄った。
「現在姿が見えないのは数名、下男が一人、下女が二人、それに執事か」
「侍女は全員いますけど、それが逆に不自然に見えて来ましたね」
これだけ大きなお屋敷に、敷地だ。
伝達が行き届かずこの広間に集えなかった人間が居ても不思議はないのだが、全員揃っているのがむしろおかしい。
「侍女たちが屋敷内の仕事だけをしているにしても、全員がこの場に集まれるものでしょうか。広間の近くでしか仕事をしていないことになってしまいます」
「晩餐の準備のためだと言われれば頷けるが、それも全員で当たるようなことではない。家中に仕事があるため朝から晩まで忙しくしているのが侍女であると記憶している。人数が多ければ問題ないが、屋敷の大きさに対して充分な人員が確保されているようには思えない」
「……今夜は仕事をする必要がなかった、ってことですよね」
「窓が割れ、セリネトゥア嬢に命じられたからこそここに居るといったところか。さて不測の事態にどう出るか」
今、コルラスはシーラの下に居る。ファリオンさんを通じて状況を逐一報告し、人を動かすためだ。
僕らは一刻も早くプレニを救出しなけらばならないが、この場に居る内通者から情報を引き出した方が闇雲に探すより早い気がする。
〔あの侍女とあそこの下男、それからこの侍女、酒の匂いがするぜ〕
(え、お酒?)
〔なんつった、料理用の酒だ。あのジェテレッサとかいう女が造ったとかいう〕
(ああ、強めの醸造酒の匂い? あの人達、調理場の人間じゃないのに)
役割ごとに分けて固まってもらったおかげで一目でわかる。
料理に使うためのお酒を運んだとして、料理人たちの方に匂いがしないのはおかしい。
付け加えると、ジェティさんは料理に香りづけが出来ないかと新しい醸造酒を造っていた。朝一で馴染みの店に渡す予定だったので、盗まれてかなり大変だったと愚痴りながら。
その新作と同じ匂いがしているというのであれば。
バゲル騎士に醸造酒の話や、目星をつけた三人を伝える。
チラッとイヴァを見たので頷くと、バゲル騎士は不敵に笑って「ここはもう大丈夫だ」と僕らを送り出した。
「何かを盗もうとして物置きに入ったっていうよりは、物置きから出て来たみたいだったよね」
「大方どっかに繋がってんだろう」
ダルコスタさんが存在を示唆していた脱出経路は、こちらだったのかもしれない。
結局書斎の階段は、行き止まりだったのだから。
物置き部屋の前に座り込んでいた男たちをなんとか昏倒させ、僕らは扉を開けた。
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