ロルスの鍵

ふゆのこみち

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盗賊の街編

Lv.128 売られたからには

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 チチチ。小鳥の声を聞いたプレニは窓際へ走り寄った。

「一体どうしたの?」
「チチ、ピピピピ」

 ひくりとプレニの鼻が僅かに動く。
素早く机の上にパン屑を撒くと、複数の小鳥たちが一斉に飛び込んできた。
ピピピ、ピチチと鳴きながら食事を始めたのを見つめ、続きを促す。

「ピピ」
「チチチチチチ」
「それ、確かなの?」
「ピチチ」

 満足した小鳥たちは伝えるべきことを伝え終えると窓から飛び出した。
最後の一羽だけが窓の傍に留まり、翼を上下させながら「またね」と楽し気に鳴く。
プレニもそれまでの深刻な表情を崩し手を振った。

「ありがとう。このことはあたしから伝えておくね」

 目立たない路地、酒場の二階にプレニは暮らしていた。
ジェテレッサから一室を与えられ、兄のプラックは隣の部屋で寝起きしている。
 かつて貴族に囲われ地下牢に繋がれていた兄妹を連れ出したのがジェテレッサとガッタルだった。
だからこそ最も信頼し、身を寄せている。すぐに二人の正体を知ったが、それでも離れがたかった。

 自ら自分たちの有用性を訴えかけ、泣き縋り、どうか捨てないで欲しいと懇願した過去がある。
こうして動物から情報を得るのがプレニの役割なのだが、これもようやく勝ち取ったものだ。
本当はもっと色々なことが出来るのだと手伝いを申し出ても、ジェテレッサやガッタルのみならず仲間たち全員が頑なに受け入れてくれない。
それが少しだけ、プレニには不満であったりする。

 ウサギの半成であるため、プレニ達兄妹は揃って身軽で動きが素早い。プラックはそんな身体能力を生かし下見や侵入経路の確認などを行っている。
誰よりも足が速く、普通の人間では到底追いつけないのだが、兄はジェテレッサから逃走用魔導具をそうとは知らずに持たされていた。

「お兄ちゃんばっかりズルい」

 プラックは自分より皆と長く一緒に居る。自分はいつもお留守番だ。
兄は勿論だが、ジェテレッサやガッタルたちとも離れたくないのに、誰もそれを許してくれない。

 気分が沈みそうになったプレニは、今回の情報はきっと喜ばれるはずだと思い直した。
小鳥たちの情報では、今この街には魔女が居る。それから、川の上流には……。
 せっかく窓を開けたのだからとそのまま外を眺めた。
もしかしたら皆が帰って来る姿が見えるかも。そんなことを考えて。


 窓際に立つプレニの姿を認め、でっぷりとした腹を撫で擦り男が笑う。指を持ち上げ「あれだ」と周りへ示した。
男たちはニヤニヤと笑みを浮かべると、一人が手に持っていた鳥の首に力を込める。

 哀れに上がる鳴き声に、プレニはバッと顔を向けた。しかし彼女の位置から男たちの姿は見えない。
助けを求める声がして、意識は窓の外へ引きずり出された。

「ジェティ」

 その日は偶然、仲間たちが出払っていた。普段ならば一人は必ずプレニから離れないのだが、ゲンデンのことで充分な人員を確保出来ていない。
肝心のお留守番要員はプレニが今回も留守番だと落ち込んでいるのを見かね、大好きな菓子を買ってくると約束していた。

 一人で外に出たらいけないよ。
それが常に言い聞かせられているお決まりの言葉。

 プレニの頭の中は真っ白になった。
怪我をしたのか痛みに震える声は、しきりにタスケテと繰り返している。
あの日兄と発した「助けて」は、ジェテレッサが聞いてくれた。手を握り返してくれて、抱きしめてくれた。
ギュッと締め付けられる胸を押さえて窓から身を乗り出す。

 少しだけ、ちょっとの距離だ。拾い上げてさっさと持ち帰り、怪我の具合を見てあげればいい。
悲痛な声が過去と重なって行く。見捨てることなど最初から頭になかった。
このまま窓を閉めて、聞かなかったことにしてしまったら、見も知らぬ鳥は二度と羽ばたけないかもしれない。

 たん、と窓から飛び降りたプレニは、声のする方に走った。
無性に泣きたい気分になる。こんな悲しい声は、二度と聞きたくない。

「おかえり、子ウサギ」

 ニタァ、と男が笑った。







 貴族が尊ばれるのには理由がある。
シュヒはそう言っていた。
特権階級に値するのは、ごく一部だとも。

「近いうちに招待状をお出しします。ぜひ遊びにいらしてくださいね」

 シャムル様が帰った後、僕とタスラは食堂で地図を広げた。
お屋敷の場所を確認するためなのだが、予想が正しければコルテフェルト公爵家別邸はジェティさんが決して近寄るなと言った区画に位置している。

「ああ、やっぱりそうだ」
「結構広い範囲なんだね。お屋敷ってこんなに大きいんだ」
「シュヒの住んでいたお屋敷には庭があったんだよ、庭師とかも雇われててさ。そんな感じじゃないかな」
「庭って考えても広すぎない?」
「神官の宿舎にさえ厩舎があるくらいだし、貴族となると必要な建物が多いのかも」

 どうしても維持費を考えてしまうが、貴族の財力など僕らの稼ぎでは足元にも及ばないのだから考えるだけ無駄かもしれない。
上位貴族が下位貴族にお屋敷を任せるというのは珍しくないのだそうだ。

 爵位が上の貴族ともなると、王都他都市部に幾つか別邸を所有するのが常識らしい。
本邸は勿論それぞれの領地内に所有。必要があるからこそ別邸を構えているのだが、年中そこに滞在しているわけではない。そのため下位貴族に不在期間の屋敷を任せるのだ。
条件は領地を持たない貴族であること。

 管理方法は様々だが、大抵の場合主人が滞在していない期間中に限り、屋敷の主として振る舞うことが許される。
基本的に住み込みなので家を継ぐ立場でない者(主に次男や嫁ぐ先が決まっている令嬢など)が担うらしい。シャムル様もその口だ。

 そう考えるとシュヒはモンドレフト伯爵からシャムル様と同じ役割を与えられていたのかもしれない。

 シャムル様の家系は領地を持たないため条件に合致。元々コルテフェルト公爵家に仕えていたこともあってこの土地のお屋敷を任された、と。

「シュヒはまだここに居ると思う?」
「どうだろう。身を隠す術は知っているわけだし、見つかっても平然と過ごしてそう」
「目に浮かぶなぁ」
「僕はわざと姿を見せたんじゃないかくらいに思ってるよ。キサラに気付いて欲しくてさ」

 そう言われるとそんな気がしてきた。場所が悪すぎるけど。

「でもどうしてコルテフェルト公爵家の別邸に?」
「キサラは直接話をしたんでしょ? なんて言ってたの」
「いや、詳しいことは何も教えてくれなくて」
「わざわざ公爵家所有のお屋敷を選んだのって何か理由があるのかな」

 そう、わざわざ、だ。
街には宿もあるし、シュヒがこの街に潜伏し始めた時期を考えると人はそれほど多くなかったはず。
増してや魔獣が増加し、新たにやってくる人たちも少ないのだから宿くらいはすんなり取れただろう。
 旅の間の経費はモンドレフト伯爵が持つことになっていて、宿代をシュヒが気にする必要はない。
充分な働きで返すと言っていたし、何の問題もないはずだ。

「常夜の空間に乗り込もうとした直後、お屋敷に向かったってことはないかな」

 タスラの言葉に固まった。
考えもしなかった可能性に身震いする。

「魔木をなぎ倒して暴れた後、屋敷にも入らず突然この街を目指したなんてことある? 僕やシーラが囚われていたのを知っていて、放置してまでこんな距離を移動するかな」
「ちょ、ちょっと待って、それじゃあこの街に何かあるみたいだ」
「行方不明扱いのままにさせたんだよね、僕らと連絡が取れるのに。それも『探させておきなさい』ってだけ言ってたんでしょ」
「うん。ファリオンさんは別のモノを見つけて欲しそうだって、言ってたような」

 騎士団に見つけて欲しいものが、別邸に?
確かにマズいものを見つけたから僕らのもとへ来れないとは言っていたけど、まさかそんなところにあるなんて思っていなかった。

「面白くなってきたじゃねぇか」
「何が、どこが」
「魔女から見てもマズいってんなら相当だろ。そのなんだかって公爵の屋敷が関係してのは間違いねぇな」
「途端に行きたくなくなった」

 最早これは幽霊退治でもシュヒとの感動の再会でもなんでもない。
ジェティさんは正しかった。あの区画は絶対に近寄ってはいけない場所だったんだ、もう逃げられないけど。
 イヴァは楽しそうに喉を鳴らしている。
全く他人事だと思って。

「うん?」

 すん、とイヴァが鼻を鳴らした。
まさかまだ見習い服から匂いがするのかと身構えたが、そうではないらしい。
ぐいぐいと服を引っ張り窓へ向かえと促される。

「窓開けろ、匂いがよくわからねぇ」
「ねぇ、ウサギってそんなに鼻がいいの?」
「さぁ知らねぇな。俺の体は聖獣パルダラを模して造られてんだ、アイツの性能だろ」

 聖獣パルダラは匂いに敏感な鼻をしているのかもしれない。
窓を開けイヴァを持ち上げると、思う存分鼻で息を吸い始めた。
 ふすふす、ふすふすふす。
見た目は本当にウサギみたいなんだけどなぁ。

「血の匂いがするぜ、それも良くねぇ方角からだ」

 タスラと僕はすぐに身支度を整えた。
念のためコルラスを介してファリオンさんにも連絡を入れる。

〔ゲンデンですか?〕
「わかりません。様子を見に行きます」
〔何かあればバゲル騎士に頼ってください。気を付けて〕
「はい。そちらも気を付けて」

 イヴァの道案内に従って路地を抜ける。
走り続けて気が付いたのだが、この方角は。

「ジェティさんの酒場」

 知らず肩が強張った。


「キサラ、あそこ!」

 酒場の扉から足が出ている。駆け寄ろうとして、道端に何かが落ちていることに気が付いた。
そこには、小さな鳥の

「見るな」

 イヴァが魔法で僕を浮かせ酒場の前まで飛ばした。
ここからは店内が見える。
 足を投げ出した男性はボロボロで、床には何かが散らばっていた。
甘い匂いに、それがパトレーネであることを悟る。人によく好まれる菓子が、無残にも踏み荒らされていた。
 棚に置いてあった酒瓶は床に数本転がったものを残しごっそりとなくなっている。
明らかに異常な光景を前にして、血の気が引いていくのを感じた。

「大丈夫ですか、聞こえますか」

 倒れ込んでいる男性を抱き起すと、酷く殴られたようで顔が腫れあがり、口から血が出ている。
うめき声を上げながら、うわ言のように何かを繰り返していた。

「……に、……ぷれ、に」

 プレニ。
ほとんど悲鳴のような声でタスラを呼んだ。
プレニ、プレニを探して欲しい。女の子が、女の子がいるはずなんだ。

「何があったんですか、しっかりしてください」

 返事は全くない。プレニを呼ぶ声すらなくなり、ぐったりと脱力してしまった。
声をかけ続けている間にタスラが戻る。上の階には誰も居なかったと零した。

「あれ、キサラどうしたんだ? まだ開店する時間じゃ……」

 プラックだ。倒れ込んでいる男性と、それを抱き起し顔を歪める僕を見て声を失くす。
そろりと目を向けた先、床に落ちている菓子の残骸を見てそれが誰の好物か悟ったようだった。
瞬時にくしゃりと顔が歪む。泣いているようにも見えた。

「た、だいま、プレニ」

 扉に手をかけ、頭だけ店の中に入れると弱々しく声を出した。
手も喉も震えている。それでもただいまと繰り返した。

「いつもなら、いつもならこれで聞こえるんだ。おかえりって、おかえりって二階から降りて来て」

 不気味な程シンとしている階段を睨みつけながらプラックは言う。
のろのろと頭を動かして、僕を見た。

「俺の妹は」

 首を振るとプラックは走り去ってしまった。
僕とタスラは気絶してしまった男性の血を拭い、手当をする。この人の目が覚めればプレニの居所がわかるかもしれない。

「ボウヤ」

 息を切らしたジェティさんとガッタルさんの後ろに立っているプラックを見て、人を呼びに行ったのだと理解した。
宛てもなく探すよりは余程良い。ガッタルさんが男性を担ぎ上げ二階に上がって行くと、僕らは酒場に入るよう促された。


「何があったんだい?」
「それが、僕が来た時にはもう」

 俯くと血が付いたままの手が見える。
あの人は大丈夫だろうか。酷く弱っているように見えた。

「そっちは見ねぇ顔だな。坊主のツレか?」
「はい」
「タスラです」

 プラックは真っ青な顔で震えていた。
握りしめた拳は力が入りすぎて変色してしまっている。

「心当りはあるんですか」
「あるには、あるね」
「一体どんな」
「俺とプレニは、身の上が複雑なんだ。知ればキサラだって嫌になる」

 ギュッと唇を噛みしめて項垂れたプラックに向けて静かに声をかけた。

「半成、だよね」

 派手な音を立てて立ち上がったガッタルさんが、背後に回って腕を首に押し付けて来た。息が苦しい。
ジェティさんは座ったままだが、プラックは身構えている。それが戦闘態勢であることは僕にもわかった。

「やめな。ボウヤ、知ってたのかい?」

 ジェティさんの制止のおかげですぐに解放され、咳き込む程度で済んだ。
タスラやイヴァは助けに動かなかったが、半成やその周囲の人間が素性を隠すため過剰な反応を示すのは珍しくないためそれが正解だろう。

「仕草でなんとなく。恐らくは動物種の半成ですよね、違いますか」
「驚いたね、半成なんて滅多にお目にかからないのにさ。どうやって知ったんだい」
「僕がそうだから」

 頭に巻き付けていた布を外しタスラが耳を晒すと、彼らは目を丸くしてその姿を見た。
パドギリア子爵邸で麻痺してしまったが、通常半成とは珍しい存在なのだ。
 プラックはタスラを見て意を決したように帽子を取った。
中から現れたのは長い耳。ウサギのようだ。

「動物種。俺たち兄妹はキサラの言う通り、半成だ」
「それを知っている人は?」
「仲間たちは皆知ってる。でも言いふらしたりはしない」

 戸惑いながらプラックは答えてくれた。
ジェティさんは僕らの様子を横目で見てからガッタルさんに指示を出す。
自分たちの持てる情報力でプレニを探そうとしているようだ。素早く開いた地図を指で叩きながら忙しなく目を動かしている。

「血はまだ乾いてませんでした。関所は抜けていないと思います」
「ただでさえ人の出入りが多くなるからね、今の時期は北門が閉じられるんだ。通過するなら南、東、西門のどれかだ。どこへ向かったかなんてわかりゃしないよ」
「それなら全ての門へ通達を」
「……馬鹿言うんじゃないよ、たかだか庶民の娘が一人誘拐されただけだ。誰も動きゃしない」
「いいえ」
「随分強気じゃないか」

 僕は懐へ手を入れ、常に持ち運んでいる書状を机に開いた。
ガッタルさんもジェティさんも怪訝な顔をしている。字は読めないらしい。
それならば読み上げるまでだ。

「これはとある令嬢を探すようにという貴族様からの命が認められた書状です」
「なんたってそんなものを持ってるんだい、ボウヤ」
「何故持っているかではなく、どう使うかですよ。タスラ、行って」

 僕の意図を察したタスラが頷き、素早く耳を隠して酒場を出る。
貴族と聞いて三人とも嫌悪の色を滲ませていた。しかし今はそんなことどうでも良い。

「行方不明の令嬢を探して僕はここに来ました」

 イヴァを肩に乗せた僕は大袈裟に声を上げた。
若干棒読みなのは許して欲しい。演技力など持ち合わせてはいないのだ。

「『ああ、なんということだ。この街にお嬢様が居るという有益な情報を得て足を運んだと言うのに、それらしき少女が連れ攫われたではないか!』」

 ジェティさんは目を見開いた。

「『確認しなければ、もしも攫われたのがお嬢様だったら、大変だ』」
「残念だね。目撃したのは今、意識が無いよ」
「『ならば話は後で聞かせてもらおうか』」

 良かった。ジェティさんは僕の言いたいことがわかったらしい。
プラックだけ突然芝居がかった口調と仕草で語り出した僕を見て困惑している。これは恥ずかしい。

「貴族様のお命じなら、仕方がない」
「個人的な協力者も居ますが、この件はご内密に」
「言う通りにするよ」

 仕方がないと言いつつ笑みが隠せていない。
ガッタルさんは必死に眉をしかめているが緩く口角が上がっている。

「どうすりゃいいんで」
「書状を元に通達を出します。身を隠しやすい場所を教えてください」
「わかりやした。俺たちも勝手に動きやすが、いいですかい」
「勿論です。場合によっては指示に従ってもらいますが」
「ボウヤの指揮下に入れって?」
「いいえ、僕ではなく」

 示し合わせたかのように酒場の扉が開いた。
丁度良かったと微笑むと、あちらもにこやかに応えてくれる。

「憲兵隊騎士、バゲルだ」

 お呼びと聞いたのでねと不敵に笑うバゲル騎士を前に、ガッタルさんは天を仰いだ。
呻きのように何者なんだよ坊主と零されるが、まぁ僕自身は何者でもない。

 さて、相手はわからないがプレニに手を出したこと、後悔させてやる。


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