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5 生贄の夜

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 翌日から、遥奈の生活は一変した。……訳では無かった。
 朝は亜紀とともに家を出て学校へ行き、家に帰ってからは家事をこなす。
 妹の前ではこれまで通りに振る舞い、家にいることを許した義理の父親には愛想笑いを返す。
 普段の遥奈の生活は、母親がいなくなっただけで、これまでとなんら変わることは無かった。
 夜を除いては……。

「お、来たな」

 夜、亜紀が寝付いたのを確認した遥奈は、静かに布団を抜け出して階下へ降りた。明かりの消えたリビングを横に見ながら、遥奈は、今や那津男一人の寝室になった部屋のドアを開ける。ノックは、あえてしなかった。ささやかな反抗心を示すように、無遠慮に義理の父親の部屋へ入る。それは、自分の怖気づきそうな心を鼓舞するためでもあったのだが、部屋へ入るなり見た義父の姿にビクリとしてしまう。
 ベッドに腰かけて待っていた那津男は、すでに全裸であった。しかも、股間の一物は隆々とそそり立っており、まるで獲物である遥奈を威嚇しているようでもある。
 初めの数日は、那津男も普通に部屋着で待ち構えていたのだが、今では当たり前のように一糸まとわぬ姿で義理の娘の訪問を待っている。

「遅いぞ」
「ご、ごめんなさい。今日は、亜紀があんまりすぐに寝なくって……」
「これがお前の仕事なんだ。あんまり俺を待たせると、亜紀が寝る前にお前たちの部屋に行きそうになるな」

 妹の目前で犯されることを想像して、遥奈は身体を震わせた。
 軽く頭を振って、遥奈は震える手で自分のパジャマのボタンに手を掛けた。裸で自分を見つめる男の前で、遥奈も素肌を晒していく。

「どうした? さっさと脱ぐんだ。なんなら無理やり脱がしてもいいんだぞ? お前がそういうのが好きならな」

 遥奈は心が冷えていくのを感じた。それは、義父の変わりようからであった。
 初めて会った頃の那津男は、さすがに遠慮がちに言葉をかけてきていたが、芙由美と結婚した頃にはお互い普通に言葉を交わすようにはなっていた。そして、義理の親子となってからは、ぎこちなくも家族として接してきたのだ。呼び方は最初からずっと変わらず「おじさん」であったが。
 それが、芙由美が失踪してから――つまり、自分を犯したあの夜から、那津男はことさら亜紀のことを口にして、自分を淫らに縛り付けてくる。だから遥奈は、これまでの那津男と今の那津男は、まるで別人のように感じてしまうのだ。
 あるいは、これが那津男の本性だったのだろうか。母親のみならず、機会があれば自分や妹も犯そうと考えていたのだろうか。
 だが、それは考えても分からないことだ。
 観念した遥奈は、自分の身体に残った最後の一枚を脱ぎ捨てて、ベッドに腰かけて自分を見つめる義父の前に立った。那津男の正面に、毛の生え揃っていない、いたいけな少女の秘所が向けられる。

「足を広げろ」
「は……い……」

 両手を左右にだらりと下げたまま、遥奈は無防備に足を肩幅に広げた。
 すかさず、義父のごつごつした指が少女の敏感な部分に触れる。

「お、なんだ。お前も期待してたのか」
「え? ち、ちが……」
「違うもんか。お前の身体は、俺のコイツが欲しくて涎を垂らしてるぞ。ここんところ、毎晩だからな」
「そんな……」

 確かに、遥奈は自分が那津男に犯されることを想像していた。より正確には覚悟をしていた。
 だが、自分の秘所が男を迎えるように濡れるほど想像していたわけでもない。そもそも、男の身体を迎え入れたのは、ほんの一週間ほど前の夜が初めてだったのだ。話に聞くような気持ち良さを少しは感じられるものの、母親の様に乱れ狂うような快感は、まだ知らない。

「う……ふ……んん……」

 那津男は義理の娘の媚肉に触れると、ゆっくりと前後に動かした。そして媚肉を親指と人差し指で摘んだり、お尻の穴に指を触れさせたりして、微妙な力で遥奈のイヤらしい部分を弄ぶ。
 と、那津男は娘の腰を両手で掴むと、遥奈を自分の方へ引き寄せた。

「な、何を……」
「お前を味わうんだよ。お前の大事な場所を、俺に差し出せ。自分から腰を突き出してな」

 なんという淫らな命令か。手を使わず、濡れ始めた少女の媚肉を、自ら男の顔に押し付けろというのである。
 那津男は娘の腰を引く力を強めた。
 遥奈はたたらを踏むように那津男に近付くと、唾を一つ飲み込んで濡れ始めている秘所を義父の顔に近付けた。そして、天井を見上げて目を瞑ると、舌を出して待ち構える那津男に自ら腰を突き出す。

「ひあ……、ふ……」

 女の部分を、舐められる。
 その、未だに慣れない感覚に、遥奈は膝が崩れ落ちそうになった。処女を散らされた初めてのセックスでは感じられなかった気持ち良さに、幼い少女の身体が震える。
 初めに濡れていると言われた言葉が暗示のように効いたのか、あるいは初めて男に舐められるという体験のせいなのか、遥奈の媚肉の隙間から、本当に愛液がトロトロと溢れ出してきた。
 遥奈の股間に顔を埋める義理の父親は、それをわざわざ音を立てて舐めて吸い出している。

「ふ……えあ……、ちょ、ちょっと、待って! お願い止めて! こんな……」
「随分と濡れるな。さすがはあの女の娘だ。ほんの数日でこれだけ濡れるようになるとか。いや……、処女のくせしてオナニーをしまくってたのか?」

 その指摘に、遥奈は一気に顔を赤面させた。顔を上げ、目を瞑って堪えていたのに、自分の股間に顔を埋める男に思わず視線を向ける。
 那津男としては、ちょっとした言葉責め程度の感覚であったのだろう。だが、娘の予想外の反応に興味が出た様子である。遥奈の表情を確認する一瞬の間をおいて、好色そうな色を含んだ視線を返してきた。

「ハッ……、なんだ。本当にそうなのか。エロい娘だ。さては、芙由美が俺とやっているところを覗き見たりしてたのか?」
「そ、そんな事……」
「正直に言え。でないと追い出すぞ」
「……。見て、ました……」
「見て……、どうした?」
「どうっ……て?」
「とぼけるなよ」
「ひぅっ!」

 腰を掴んでいた片方の手を離した那津男は、顔を赤らめて言い淀んだ遥奈の媚肉を無造作に割り開いた。
 最初の夜は薄暗がりの中であったため、遥奈には、あまり見られているという感覚は無かった。だが、今は部屋の照明が点いており、少女の恥ずかしい部分は、那津男の無遠慮な視線に晒されている。

「ここを弄ってたんだろ? こんな風に」
「ひ……あ……。や、やめて……、おじさん、やめて……」

 甘く切ない喘ぎ声が、夜半の寝室に染み入っていく。嗚咽を堪えるようなか細い声はすすり泣いているようにも聞こえるが、それは男の劣情を増幅する効果を持っていた。
 もう片方の手も離すと、那津男は遥奈の白く可愛らしいお尻の肉をむんずと掴んだ。

「ひうっ!」

 そして尻肉を柔やわと揉みながら、反対側の手で媚肉も揉む。
 前と後ろから同時に下半身を弄られて膝の力が抜けた遥奈は、立っているのが難しくなってきた。那津男の両肩に手を置いて身体を支える。

「だ、ダメ……」
「何がダメなんだ。こんなに濡れてるのに」
「うそ……よ……」

 とはいえ、自分の身体を甘い感覚が駆け巡っており、そのせいで秘所が濡れてきているという自覚はある。そして一度自覚してしまうと、愛液はとめどなく溢れてくるようになった。

「ウソなもんか。こんなに濡らして」

 義父の指が遥奈の媚肉を撫で回す。溢れた淫汁をローション代わりに、那津男は義理の娘の敏感な部分を執拗に弄り回し続けた。粘りのある汁が、義父の指先でクチュクチュと少女の秘所から音を立てる。

「あっあっあっ……、だ、ダメ……、んんんっ! ああっ!」

 両手を那津男の肩に載せて身体を支えていた遥奈は、小さく、しかしハッキリとした嬌声を上げて仰け反った。身体をビクビクと震わせ、義父の手を股に挟んだまま両脚をギュッと閉じる。

「イッたな? エロい娘だ」

 遥奈は那津男の視線が恥ずかしくなり、フイッと顔をそむけた。

「よーし、今度はこっちの番だ。四つん這いになってケツを向けろ、犬みたいにな」

 その物言いに遥奈は義理の父親をキッと睨みつけたが、素直にお尻を向けて四つん這いになった。

「ふふん、良い格好だ。ケツの穴まで丸見えだぞ」
「す、するなら早くしてください。……明日も、学校があるんです」

 学校を理由に出したものの、実際には、ひたすら恥ずかしいからであった。
 数ヶ月前までは見ず知らずの他人。
 先日までは母親の愛人。
 そして、今では義理の父親。
 そんな男に、女の子の大事な部分を尻の穴まで晒しているのだ。しかも犬のような格好で。
 消え入りたいほど恥ずかしいのに、逃げる事も叶わない。
 手近の枕を引き寄せ、遥奈はそれに顔を埋めて尻を上げた。目を瞑り、真っ暗な中で自分が犯されるのを待つ。義父に犯されるのを、遥奈は身体を固くして耐えようとした。
 やがて、那津男の手が少女のシミ一つない綺麗なお尻に触れた。だが那津男は、天井を向いて隆々としている股間の凶器をすぐには使ってこない。両手で少女のお尻に優しく触れ、その形を愉しむかのように撫で回し続けるだけである。

「んん……、ふ……あ……」
「ガキのくせに良いケツしてんな。こんなところも母親に似てやがる」

 母親に似ている。
 遥奈は、那津男だけでなく他の男たちからも同じ言葉をかけられた事がある。母親の芙由美は、娘の遥奈から見ても美人だ。だから、男たちの言葉は、そのまま遥奈が美少女であるということでもある。例え、その言葉に好色そうな意味が含まれていたとしても、容姿を褒められるのは素直に嬉しかった。
 だが、昨夜から、その言葉は遥奈にとって呪いのニュアンスを含むようになってしまった。
 素直に喜ぶ事は出来なくなってしまった。
 自分勝手に生きる女。
 夫と娘二人を捨てた女。
 那津男にお尻を撫で回されながら、遥奈は母親に似ていると言われて吐き気を催してきた。

「ほら、行くぞ。もっと尻を上げろ」

 そう言いながら、那津男は遥奈のお尻を平手打ちした。深夜の部屋に、パァンという乾いた音が綺麗に響く。

「ひゃうっ! は、はい……どうぞ……」

 今の少女の身体は、義理の父親のモノ。
 義父の求めに応じて、遥奈はお尻を高く上げた。そして身を硬くし、那津男の挿入を待つ。

「んふ……」
「おお、いいぞ。十分に濡れてるな。ガキのくせに男のモンを上手そうに呑み込みやがる。根元までスムーズに入りやがった」
「うう……」

 芙由美に対する意趣返しなのであろうが、遥奈にはなんの責任も無い事である。それなのに、いきり立った男の肉棒と母親への罵倒を、少女の未成熟な身体が受け止めている。
 それが楽しいのか、那津男は嗚咽を漏らして枕に顔を埋めている遥奈を犯し続けた。
 最初の夜のような破瓜の痛みは無いが、気持ち良くも無い。お尻を高く差し出したまま、遥奈は人形のような気分で終わりを待ち続けた。

「う、お……」
「……」

 しばらくは無言のまま義理の娘を犯し続けていた那津男であったが、やがてズンズンと腰を突き入れる動きが速くなってきた。そして遥奈の尻肉と那津男の腰が当たる音がパンパンとリズミカルになってきたかと思うと、那津男は遥奈の身体に勢いよく腰を打ち付けて硬直した。

「ふ……はあ……」
「……」

 どうやら終わったのだろうか。那津男は大きく息を吐き出すと、遥奈の身体から離れていった。そして無言のまま、力無く横たわる少女を放置して、部屋から出て行ってしまう。
 義父の寝室に一人残された遥奈は、脱力してしまって、すぐに動く気にはなれなかった。天井の眩しい照明を腕で隠し、放心状態のまま寝てしまいそうになる。
 だが、そんなわけにはいかない。
 コトが終わった後、那津男はシャワーを浴びに行ったのだ。
 那津男が戻ってくる前に、自分の部屋に戻らなくてはいけない。しかし、そのまま布団にもぐって寝るわけにもいかないのが遥奈にとって辛かった。
 義父に身体を弄ばれて疲れ切っているのだから、遥奈は泥のように眠ってしまいたい。だが、遥奈の秘所は義父の精液と自分の愛液でドロドロである。寝る前にシャワーを浴びたいのは遥奈も同じだ。だから、疲労と眠気に耐えながら、遥奈は義父が浴室から出てくるのを待ち続けた。
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